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クリスマスのパネトーネ
今年は注文をし忘れたイタリアの食材を輸入しているサイトのパネトーネが、クリスマス直前に少しだけ販売というメールに、慌てて申し込み、クリスマスに無事美味しいパネトーネを食べることができました。
このパネトーネを知ったのは、イタリアを愛し、食通の友人の紹介でした。最初はオリーブオイルから。そしてワイン、ダッテリーニという糖度の高いトマト缶、パスタ、パルミジャーノ、バルサミコ…。美味しいものが繋がっていきました。
この秋、仕事で立ち寄った先で、体調を崩してしばらく会っていなかったその友人と偶然に再会しました。そのときに交わしたやりとりが「今年は、パネトーネ注文されましたか」「う〜ん、忘れちゃいましたよ」「それはダメですね。うちは注文しましたよ」でした。
それから数ヶ月も経たずに届いた連絡は、その友人の訃報でした。あまりのことに言葉もなく、「今度美味しいもの食べようね」という約束が行き場もなく初冬の寒空に漂っていました。
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注文した主のいないご家族に届いたパネトーネに想いを寄せながら、滑り込みで買うことができた今年のパネトーネ。レーズンたっぷりの、そのずっしりとした重さに、果たされなかった最後の約束を思いながら、でもどこかあたたかい気持ちにしてくれるその美味しさに満たされたクリスマスでした。