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<会派視察>筑後市立図書館


それぞれの本棚には、ボランティアによる楽しいレイアウトが。

【福岡県筑後市】
(1)   日時 2022年11月17日(木)
筑後市立図書館 13時30分~15時30分

(2)   筑後市の概要
人口  49,150人(高槻の0.14倍) 
世帯数 20,347世帯(高槻の0,12倍)
面積  41.78k㎡ (高槻の0.4倍)
福岡県南部、筑後平野の中心部に位置し、山や海がない田園都市で、昭和29年4月に、羽犬塚町、水田村、古川村、岡山村(一部)が合併して筑後市が誕生した。
福岡市から高速道1時間、JR快速45分、新幹線25分。
特産物…いちご・八女茶・梨・ぶどう・久留米餅などがある。
観光…水田天満宮・九州芸文館・恋木神社・羽犬像・県営筑後広域公園
PRキャラクター はね丸(羽のある犬)・パネコとポネコ(双子の妖精)
28年3月、プロ野球球団ソフトバンクホークスのファーム本拠地「HAWKSベースボール筑後」がオープンした。

(3)   視察テーマ 図書館事業について

ボードゲームの貸出を行っている。

(4)   事業の概要
中央公民館図書室は、昭和29年、町村合併により各町村の公民館付属の図書を引き継いで設けられ、旧羽犬塚町役場の一部を利用した。
 昭和37年6月、原本庁舎の南側、近隣に先駆けて中央公民館が設置され、ここに開架式の図書室、司書を置いた。昭和56年5月、勤労婦人センター(愛称サンコア)が開設し、416㎡の図書室が設けられた。特に、子ども向けスペースを大きく取り、蔵書数も全体の半分近く占めるほどであった。
 平成14年度には図書館建設研究委員会より「市立図書館の建設にあたっての基本事項の諮問」に対する答申がなされた。
 平成17年1月、多大な財政負担を伴う図書館建設によらず、現在の財政状況下で可能な図書行政の充実を図ることを検討する「図書行政推進委員会」が設置され、平成18年3月に「市長に対して7つの提言」が行われる。この提言を受け、様々な改善を行った結果、市民サービスの質及び市民満足度が向上した。
 【7つの提言】
1.     図書館運営体制の強化について
◎図書室長、専門職員の配置
◎読書相談やレファレンス等サービスの充実
◎職員の質の向上
◎ボランティアの育成と連携
◎図書行政推進機関の設置
2.     図書資料の収集と充実について
◎図書資料の収集と充実
◎閉架書庫の増設
◎視聴覚資料の収集と充実
3.     市民と図書室を結び付ける対策について
◎配本サービス
◎通勤・通学者のための図書館サービス
4.     図書室の施設の改善について
◎閲覧スペースの確保と座席の増設
◎子どものスペースの確保
◎学習室の確保
5.     図書室利用者の拡大について
◎図書室利用の積極的PR
◎開館日、開館時間帯の拡大
6.     運営体制の改善について
◎民間能力を活用した図書館運営の研究
◎図書選定委員会の設置
7.     調査研究課題について
◎学校図書館等との連携
◎検索システムの構築
 平成23年12月1日、文部科学省の交付金(生活にひかりをそそぐ交付金)を利用して公民館図書室を増築し、市立図書館となり現在に至る。
2018年には、「子どもの読書活動優秀実践図書館」として文部科学大臣賞受賞。
 
◆図書館のコンセプト「生活とともにある図書館」「本との出合いのきっかけづくり」
期待されない図書館から、市民に役に立つ図書館へ。
図書館の存在価値の向上と周知。社会教育施設から社会共育施設へ。
税金の還元として、より公平なサービスを展開。
10年で貸出数は3倍に。図書館に付加価値をつける。
昨年から電子書籍を導入、今年から移動図書館を稼働し、愛称を募集中。
リクエストサービスの周知(市民のリクエストに応えることで信頼関係をつくる)
◆図書館の事業の枠を超えた取組
・ボードゲームの貸出
居場所づくり、多世代交流。
言葉を使うゲーム、相手の気持ちを推し量るゲームなど、25タイトル貸出(70保有)
集中力、創造性、注意力、達成と計画、思考力、コミュニケーション力、能動性を培う、
令和2年は毎月ボードゲームイベント開催と考えたが、コロナ過で貸出に変更(家庭で2週間楽しんでもらう)
久留米のボードゲームカフェと連携
・図書館で認知症かふぇ。認知症に関する蔵書を活用し、地域包括支援センターや高齢者支援課と連携し健康寿命の知識を深める。
・無料託児付き「ゆっくり読書タイム」開催。
・中高生と保護者向け職業案内「なるには講座」、サイバー捜査官やウェディングプランナー等専門家の話を聞く講座の開催。
・「図書館de気軽に体力チェック」をテーマに本の貸出、返却時に体力チェックや保健師等からのアドバイス実施。
・市内企業に雑誌のスポンサーになってもらう制度(カバーと書棚に広告を印字)
・本de恋活。男女7人ずつが各自お薦め本を持ち寄り交流。カップルになった特典は、本の貸出無制限サービスや図書館で結婚式や前撮り。対象は20歳~40歳の図書館未利用者。
・確定申告時の待ち時間に、ブックリサイクルの開催
・来館することが困難な人や病気療養中、育児中の人に、ちくごいきいき宅配便事業と連携して宅配サービスを実施。(令和3年度実績 利用26人・利用回数331回・貸出冊数1,361冊)
・「お家で不思議な世界を冒険しよう」未就学児童を持つ保護者が、ドライブスルーで図書館が選んだ5冊の本を受け取る。(新型コロナウィルス感染症緊急対策交付金活用、職員提案企画)
・読書塾は、「本de恋活」参加者が集まってスタート、閉館後の図書館で開催。
・「家読マラソン」児童書や絵本5冊セットで貸出、読んだ感想を書いてもらって次に借りた家族に引き継ぐ企画。子どもの年齢に応じて5種類の計60組を用意。
・ボランティアの育成
英語のお話会。
DVD研磨。
4か月検診で、ブックスタート、毎月40人の母子にボランティが対応。
教育支援教室「スマイル」に通う不登校児か、図書館ボランティアに。


一ノ瀬 留美館長の思いのこもった説明に、聞きほれました~。

(5)所感
 一ノ瀬館長は会計年度任用職員ではありますが、館長である権限をフルに活用して、アイデアと行動力、熱意をもって数々の事業に取り組まれており感銘を受けました。
その成果として、10年間で貸出冊数は3倍になっています。図書館に関わってくれるボランティアの育成や、庁内連携にも力を入れていること、ボードゲームの貸出については久留米のボードゲームカフェと連携し取り組んでおり、多くの人を巻き込んで取り組んでおられることが、図書館の活性化や定住人口維持につながっていると感じました。
図書館を利用していない市民に、図書館と出合ってもらいたいとの思いが、事業として形になっていっているのだとお話をお聞きして感じ、高槻市にもそういった取組ができないか要望していきたいと考えました。


コロナ下のため、絵本を探す時間を短縮するためのセット貸出

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