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ことし、にわで

父逝きて 万両の実ひとつ 風の庭 
(2024年12月24日 秋川 美鈴)
今朝、庭に出ると、冷たい風の中、マンリョウの茂みにたった一つだけ実が生っていました。
なんだか、父がそこに在るかのように。そう感じたのです。

2024年
私にとって、大きな変化を選択し、経験した年でした。
春にそれまでの職を辞しました。コロナ禍を乗り越え、自分の齢も考えて、決めました。
夏から園芸療法と庭園に関係する仕事を始めました。
秋、京都の禅寺で、お庭の手入れをされていた住職から
「苔に十分に水をあげて、掃除をする。ゴミや生えてきた雑草を取って、庭をきれいにする。人の心もそう。きれいにしたら、じっと自分の心の中を見てみる。何がそこにあるのか見てみるんですよ」との言葉を頂きました。
まるで、心をそっと掬い、先を照らす灯りを掲げられたような言葉に、本当の自分に素直に向き合う気持ちが戻ってきました。
今この時を生きていること、そして、人との出会いは、本当に不思議に満ちています。
そして、冬、父を空に送りました。
つくづく思うのです。親の仕事は、生きて、死に、そして、逝去の後もずっと続くものだと。ふと心の中で、父に話しかけては、答えを想像したりして、父のことを考えています。
お父さん、ありがとう。