在宅ヘルパーはすでに危機的状況に陥っている

先月ぐらいでしょうか。
ずっと気になっていたKAIGO LEADERSのオンラインコミュニティ「SPACE」にようやく入ることになりました。
そこで始まった「かいスペマガジン」という介護に関する前向きでポジティブな発信の場があり、こちらに参加させていただくことになりました。
これをきっかけに、私の大きな目標である「山口県から介護の未来を明るくする」活動を少しずつ始めたいと思います。

前置きはこれくらいにして。

私はこの「かいスペマガジン」では、介護に少しでも多くの人に関心を持ってもらいたいので、介護に関わるニュースを取り上げてみようと思います。

今回はこちら。

在宅ヘルパーの危機的状況についてのニュースです。

介護業界は慢性的人材不足と言われ続けています。その中でも最も危機的な状況に陥っているのが在宅ヘルパー。そもそも在宅ヘルパーとは、利用者さんの自宅に訪問して家事などの生活援助や体の不自由な方の身体介護などを行う介護職です。


この在宅ヘルパー、若い人には本当に人気がありません。そのため、以前からヘルパーの高齢化が問題になっていました。


そのことを報じたニュースがこちら。

このニュースによると、在宅ヘルパーの平均年齢は55.5歳で50歳以上が73%を占めているのが現状。私も仕事でヘルパーさんにお会いする機会がありますが、実際に平均年齢あたりの年齢層の方が多く働いている印象です。ベテランヘルパーさんの中には、利用者さんと同世代という人も少なくありません。

なぜ在宅ヘルパーはここまで人材不足に陥っているのでしょうか。

そこには、「在宅ヘルパー」という仕事のイメージが実際の仕事に比べて大きなギャップがあるからだと私は思っています。

介護職以外の人が「在宅ヘルパー」に抱くイメージって、おそらく次のようなものではないでしょうか。

・利用者さんの家に行って家事をする
・施設のような重度の身体介護は少ない
・介護職未経験でもそんなに難しくない仕事

しかし、実際は在宅ヘルパーってものすごく介護の技術や知識を必要とするし、コミュニケーション能力の高さや家事能力の高さを要求される仕事だと思います。

例えば、掃除や洗濯などの家事が中心の生活援助にしてみても、利用者さんの好みや体調、生活状況に合わせて料理を作ったり、掃除をするということは、自分の家で家事を行うのとは全然違うものです。利用者さんに合わせた仕事をするためには、コミュニケーションをしっかりと取らなければなりません。ただ家事が好きだというだけでは、到底できる仕事ではないと思います。

また、身体介護でもその利用者や家族のやり方に合わせた介護をする必要があります。それは、資格をとるときに学んだ基礎とは違い、その利用者さんや家庭に合わせてアレンジされたもの。アレンジと言うのは基礎が身についていて初めてできるものであり、先にアレンジを覚えてしまうと時に危険な介護となってしまい事故が起こる可能性だってあります。

ですから、介護保険法では在宅ヘルパーは初任者研修以上の資格保持者でなければ従事できないとなっているわけです。しかし、研修に合格したからと言って基礎がきっちり身についているかというと、そうでもないところが実際のところ。在宅ヘルパーは基本一人で各家庭に派遣されるので、資格を取ったばかりでは「私には在宅ヘルパーはまだちょっと不安すぎる」と感じてしまう人も少なくないでしょう。

実際に、私が介護の世界に飛び込んだ時には、私は在宅ヘルパーだけにはなれないなと思いましたし、あれから十数年経った今も、こんなに責任の重い仕事は私には荷が重すぎると感じています。周りには在宅ヘルパーをしている人もいますが、もう尊敬の念しかありません。

こんなに大変でプロの技術と知識を要求される仕事であるにもかかわらず、在宅ヘルパーの一般的な認識は「誰にでもできる仕事」なのです。このギャップが賃金や待遇にも影響していると思います。この辺りの認識が変わらない限り、どれほど待遇改善を行ったとしても在宅ヘルパーに関しては人材不足は解消されないと思いますし、むしろ今後も加速していくのではないかと感じます。

でも、在宅ヘルパーは多くの高齢者の生活を支える要ともいえる仕事です。ですから、絶対になくしてはいけない。在宅ヘルパーが必要な人たちにきちんといきわたるためには、今の介護の世界のイメージが変わっていかなければならないと思っています。

そのためには、これからの介護を担う次世代リーダーが必要です。しかし、そのリーダーと言うのはカリスマ性の高い一人の人間がいればいいというものではありません。介護の世界を変えようとするたくさんの人たちが、一人ひとり自分にできることで活動していくことが大切です。

すでに全国には、「介護のこれからの未来を変えていきたい、明るいものにしたい」と様々な角度からがんばっている人たちがたくさんいます。その人たちが集まるコミュニティが「KAIGO LEADERS」であり、私が参加しているオンラインコミュニティ「SPACE」なのです。

今介護の世界はどのような状況なのか。明るい未来にするためにはどうしたらいいのか。それを私は文章で伝えていこうと思います。

この小さな一歩が、介護業界の抱えるさまざまな問題をいつか解決できると信じて。

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