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どれだけ世の中発展しても、変わらない『つながり』を

プロローグ

今の現代社会は、もの凄く便利で、かつ快適な住環境が整い、私たちが子どもの頃よりもずっと衛生的で、ずっと綺麗な環境である。

私がまだ小学校低学年くらいまではアスファルトの道路は少なく、砂利道がほとんどで、雨が降った後なんかはあちらこちらに大小様々な水溜まりが出来ていた。
今は、どの道もアスファルトで舗装された綺麗な道ばかりで、逆に砂利道なんて珍しいくらいにまで変化した。

生活はどんどん便利に、どんどん豊かになっていく。
けれど……

人とのつながり

昔とは違って、どんどん人との繋がりが少なくなってきたように思う。
いや違うだろ!逆にSNSなどで世界中の人と繋がることが出来る時代になったじゃないか!
と、言われるかもしれないが、私が言いたい繋がりはそういった意味ではない。

人と人とが直接会って話をしたり、困った事があれば相談したり頼みごとをしたり等々互いに普通に支えあえるようなつながりの事であり、
このつながりがどんどん少なくなってきたように思うのだ。

現代は核家族化が急速に進み続けていて、親子三世帯同居などというのは私のまわりでもなかなか聞くことはなくなってきた。
仕事環境も変わり、サラリーマンが増え、転勤も普通のようによく聞くようにもなったから、親元を離れ自分達家族だけで暮らす人が多いのも当然か…。

かくいう私の家族も転勤族。
結婚して以来あちこちを移動した。今は私の地元に居るが、またいつ移動するかわからない。

私の経験

十年以上前の話だが、子どもがまだ生まれて
一歳位になる頃、なんとか我慢していた虫歯がとうとう酷く痛み出してしまい、歯医者に行かざるを得なくなった。
だけどまだ子どもも幼く、転勤先はどちらの実家からも遥かに離れた場所だったため預けることも出来ず途方に暮れた。
旦那が休みの日は歯医者も休みで頼めず…。
だけど歯は痛い…。

そこでタウンページを片手に、片っ端から家の近所にありそうな歯医者に電話をかけて治療中だけ子どもを見ていてもらえないか聞いてみることにした。
まあ、ダメ元でやってみよう!と気合いを入れて1軒目に電話したら「あ、いいですよ。」と
あっさりOKをいただいた。
思わず私は「ありがとうございます!」と大声で電話ごしに叫んでいた。

さて、歯医者にいざ行ってみると、待合室には本当にまるでドラマの『Dr.コトー診療所』に出てくる診療所の待合室のような光景があった。
地元のおじいちゃんおばちゃん達が集まって楽しそうにお話をされていた。

私は痛みがあるということで着いてすぐに診てもらえる事となり、治療室に入る時に私は子どもを受付の方にお願いをしたが、「待合室のおばさん達が見てくれるらしいからお願いしとくね」と言われた。
私は子どもが泣かないか心配したけど、皆さん優しくしてくださったおかげで泣かずにすみ、とても大事に可愛いがってくださった。

治療は何回かあり、その度に歯医者で毎回助けていただいた。
時には私が気が付かないことで注意してくださった方もみえて本当にありがたかった。
皆さんの子育て経験からの沢山のアドバイスもいただけて、なるほど!とすごく参考になり、心強かったのを覚えている。

私の理想の未来のイメージ

私が子どもの頃もこんな風に互いに助け合ったり、アドバイスをしたりする光景が普通にあったなぁと思った。
今ではそんな機会も減り、他人との距離感もどんどん難しくなっている。
近すぎても「○○ハラスメント」、遠すぎても他人行儀…。ますます難しい。

世の中の様々な技術がもっと発達し、もっと便利にもっと快適な空間になっていくであろうが基本、人は人とのつながりの中で生きていくという事には変わりはない。
一人で全てをこなすにはどんなに頑張ってもいつかは限界がくる。困った事が少なからず1つ2つ…とポロポロ出だす。
自分でも一人じゃ無理だとわかっていても、弱音がはける場所がなかなか無かった。
そして一時期私はノイローゼになった…
という経緯を私自身経験している。

この記事を書くにあたり私の歯医者での事を思い出して、理想は

あの時のように老若男女誰もが自然と集える楽しい空間が街のどこかにあるといいな~

ということ。

開放的で明るい空間で居心地がどの人にとっても良いような場所があれば、ちょっとでも誰かの心の拠り所になれる場所があれば、良い街としても発展していけるのではないかと思ったのだ。

まあ、これは理想論でしかないだろうが、あったらな~と思うのだ。
今は他人との距離をとるのはかなり難しい。
善意のつもりでも相手を追いつめてしまうこともあるし、マウントと取られかねない時もある。
かく言う私もズイズイ来られるのは苦手な方だから他の人との距離間は本当に苦手。
だけど少しまた違う考えに触れてみるのも、勇気はいるが必要なことなのではないかとも思うのだ。

それにそういう場所が増えて、人々が相手との距離間の新しい価値観が生まれれば、また何か新しい社会の在り方が出てくるかもしれない。

同じ保育園・幼稚園のママ友、小・中・高のママ友、同じ年同士の限られたコミュニティではなく、様々な年代が集いやすい和気あいあいとしたコミュニティがうまれやすい街が私の理想だ。

#暮らしたい未来のまち

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