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シーソーシークワサー 【18 とくするラルちゃん】

↑前回までのあらすじ



「じゃ、俺、行くから」


 どんなに出入り自由な家庭とはいえ、まだ寝ているハガちゃんに、何も言わずに立ち去るのも違うかと、身の回りの荷物を纏めながら、彼女が起きるのを待っていた。それなのに、一向に起きる気配を見せない。


 彼女の脚に風を送り続けている扇風機は、首を振るのを止め、縁に埃をまとったファンはやがて静かに眠った。
「窓を開けっ放しにし、網戸にして寝るから、蚊が入ってきてね、だから扇風機のゆらぎモードが一番いいのよ」と寝る前に彼女が選択したモードで、6時間後にオフになるタイマーが始動した。

 オフタイマーが始動する。
 始動するための、オフ。

 おかしな感覚に陥る。

 店にいた時は外まで見送り、「ありがとう。また来てね」と名残惜しく演出しなければ、次の指名がもらえなかったりしたのに、ハガちゃんはまるで違った。今まで付き合ってきた彼女とも違う。どこか絢にも似ているが、そうでもなかった。

「んーーー。玄関の鍵、そのカバンにあるから、かけて、で、ポストにいれといて。気をつけてね」と言うと、顔をこちらにも向けず、寝続けた。昨日出会ったばかりの、ほぼ見ず知らずの男に、そんなことができるなんて信じられなかったが、本当に彼女は恵まれた環境で育ってきたのだろう。

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ど田舎そだちど田舎、 ゆる!がんそロハス! わかやまきみの町からの、 定期エッセイです。 ベリーブ爺…

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