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念願のいわた書店の一万円選書に当選!〜岩田店長との本を通した交流〜
昨年の12月、とても嬉しいお知らせが飛び込んできた。
それは、北海道の小さな街にある、いわた書店の店長、岩田徹さんが行っている「一万円選書」に当選したとの便りが届いたことだった。
当選のメールを受け取った時は、「わー!やったー!!」と思わず叫んでしまった。
それぐらい、私はこの選書に選ばれることを、長年、心待ちにしていたのだ。
一万円選書とは?
初めて一万円選書のことを知ったのは、NHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」で、店長の岩田さんが取り上げられていた回を観たことだった(調べてみたら2018年放送だった)。
放送では、全国(もしかしたら海外からも?)から寄せられる「選書カルテ」に、じっくりと向き合い、一冊一冊、噛み締めるように、相手に届ける本を丁寧に手にとってゆく岩田さんの姿があった。
番組を観て、とても感動した。
そして、番組終了時には、「自分も応募しよう!」と心に決めていた。
しかし、この放送でも伝えられていた通り、この一万円選書は、ものすごい数の応募が殺到するため、年に7日間しか申し込み期間が設定されていない。
それでも!私は、迷わず、放送後、一番近い申し込み期間に応募し、以来、応募し続けた。
いざ当選!「選書カルテ」に向き合う時間が、そもそも貴重な浄化行為だった
そこから約5年。
ついに、「選ばれました」との便りがきた時には、本当に嬉しかった。
そして添付されていた例の「選書カルテ」には、自分の全てを曝け出すつもりで書いた。
ちなみに、カルテの内容は基本的な年齢や住まいなどの情報のほか、以下のような設問がある。
・これまでの読書歴
・お仕事、最近気になるニュース、よく読む雑誌
・何歳の時の自分が好きですか?
・上手に歳をとることができると思いますか?
もしくは、10年後のあなたはどんな人になっていますか?
・これだけはしないと心に決めていることはありますか?
・一番したいことはなんですか?
・あなたにとって幸福とはなんですか?
…など。
カルテを書く行為自体が、とても楽しかったし、大切な時間となり、何日間もかけて書き上げた。
そして、書き終えた時には、とても心がすっきりして、何だか洗われたような心地がした。
このカルテを受け取った岩田さんは、何を感じ、本を通して、どんな答えを返してくださるのだろう。
プロフェッショナル…で見せてくれた、一冊ずつ、じっくりと選び取っていく情景を想像すると、心がほんわり温かくなり、ドキドキしてきた。
すでに泣ける…岩田店長のアンサーソング
そこから数日後。
岩田さんからお返事が来た。
私は17622番目の当選者だったそうだ。
オン歳72歳の岩田さんは、私の前に、17621人という、膨大な数の方の人生に向き合ってきたのだそうだ。
す、凄すぎる…
そして、メールには、私のカルテを読み込んだ岩田さんのアンサーソングのような。
次のようなメッセージが綴られていた。
この歳になって、やりたかった「本屋」に少しずつですが、やっと近づけた気がしています。
実は年を取るという事は、なにか成果が見えてくるという事もありますが、
出来ない事、諦めなくてはいけない事が見えてくるという事でもあるのです。
ですから、僕は「今」という時間がいとおしいです。
一日は24時間しか無いですし、今後あと何人の方と「選書」という形で
一期一会のご縁を結べるかといつも考えています。
この「一万円選書」をやってみて判ったことの一つが「人は一人一人別々」だという事です。
「普通」とか「皆と同じ」って実は幻想なんですよ。
人生経験や読書体験がバラバラであるように、人は皆「違う」というところに気が付けば「自分を解放」し「他者を認め」互いに折り合いをつけて生きていけると思うのです。
僕は二十代、三十代の頃、失敗ばかりしていました。
何をやっても上手くいかず、それを他人(親や先生)のせいにしては世を恨んでいたものです。
まわりはさぞかし迷惑であった事でしょう。
今となっては、その経験がマイナスであったかと云えば、たぶんプラスであると云えるのですから、実に不思議なものです。
そうやって来し方を振り返ってみると、今のうちに誰か、会っておくべき人がいるのでは、大切な人に大事な話をしておくべきではなかろうかと(自然と)考えられるようです。
そんなふうに、少し落ち着いて、違った切り口、別の視点を探り始めた人に、僕は参考になりそうな本を提示するだけです。
本当にやりたかった「何か」は、ご自身の心の中に、すでにあります。
それに気づけるのは自分だけ、変えられるのは自分の未来だけ、残りの人生をどう使い切るか、ここにかかっています。
答えはお客様ご自身がすでに見つけられているようです。
どうか、僕の選んだ本を参考にして、自分自身のこころに耳を傾けてみてください。
このお返事に、もうすでに目頭がじんわりと熱くなってしまった。
今、ようやく「やりたかった本屋に近づいた」という言葉にも感動したし、
「答えはご自身がすでに見つけられているようです」という言葉にも、選んでくださった本から、何をつかみますか?見つけますか?自身の内側にじっくり耳を傾けてみてくださいね、と。向き合うべき大きな問いをいただいたようで、嬉しかった。
そうやって岩田さんが、私に向けて選んでくださったラインナップは以下のものだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1705397882717-TtkiLmAxvc.jpg?width=1200)
横道世之介
おかえり横道世之介
私たちの世代は
にげてさがして
パリのすてきなおじさん
神さまたちの遊ぶ庭
やがて訪れる春のために
カーテンコール!
エンジェル・フライト
ちいさな桃源郷
エッセイやら、絵本やら、小説やら。
どれも自分では、選ばなかったり、見過ごしてしまいそうなものばかり。
岩田さんの「選書眼」に、グゥ〜、さすがっす!!と、すでにハートを掴まれてしまった。
間もなくして、手元に届いた宝物のような書籍たち。
早速、読みはじめては、ペラリ、ペラリと付箋が貼られていく。
「うんうん!」「そうだよなぁ。」という共感する気持ちと、新鮮な気づきと共に。
読み終えたものから一冊ずつ、noteに感想文を書いていこうと思います。
また、今回一万円選書とは別にオーダーした、書籍「『一万円選書』でつながる架け橋」。
こちらには、いわた書店の苦節時代や、その中から「一万円選書」が生まれることになるきっかけとなったストーリーや、岩田店長のカルテを通しての読者さんとの交流、選書をする際のこだわりなどが書かれていて。
こちらもとても素晴らしい一冊。興味を持たれた方は、ぜひぜひこちらからでも↓
一万円選書、または「いわた書店」さんの情報は、こちらから↓