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生涯、手元に置いておきたい本はありますか?
何度読んでも感動する…
読み返すたびに、違う感覚、印象を受ける…
ことあるごとに立ち返り、心の支えにしている…
そのような、生涯、手元に置いておきたいと思える本はありますか?
↓この内容は音声配信でもお聴きいただけます(7分ほどです)↓
https://stand.fm/episodes/610fd591167654000660b79b
わたしは、本が好きで、何十年もかけて、色々なジャンルの本を蓄積してきたのですが、今年の春に盛大な断捨離祭りを決行しまして。
思い切って、所有してきた本も、手をつけることにしたんですね。
そうして、改めて本たちを眺めてみた時に、次の3つにカテゴライズされるな、と思ったんです。
① 過去から今、必要としてきた本
② 今、そして近い未来に必要になる本
③ 生涯、手元に置いておきたい本
①の本は、わたしの血肉になっているなぁ、と思えたので、今回の断捨離で、思い切って手放すことにしました。
②の本は、「今の自分」がワクワクしたり、必要だと思えるもの…例えば、実用書や、観賞用の写真集などです。これらは、残すことにしました。
最後に③の本。これは、いわゆる「殿堂入り」の本ですね。
そして今日は、殿堂入りさせた本の中の一冊、「星の王子さま」について、書いてみたいと思います。
なぜ「星の王子さま」が殿堂入りしたのか?
それは、読むたびに、感覚や感情が反応する箇所、この本から得られる質感が変化していくからなんです。
わたしが、この本を初めて手にしたのは、小学生か中学生の頃だったと思います。(おそらく、親から贈られたのだと思います)
最初は、この物語の奥深さや意味が、全くわからなかったんですね。
例えば、序盤にこんな場面があります。
物語の主人公である「ぼく」は、王子さまから請われて「羊」の絵を描いてあげます。可愛い絵を何枚描いても、王子さまはなかなか納得してくれないんですよね。
弱々しそうだな…
病気の羊みたいだな…
って。
最終的には、ぼくも面倒になり、「箱」を描いて、手渡します。
「この箱の中に羊がいるよ」と。
すると王子さまは、にっこり笑って、
「こういうのが欲しかった」と言うんですね。
…???
……意味、わからないよ。
と。
当時のわたしは、そんな感じでした。
この本が伝えようとしているメッセージが、何も汲み取れなかったんですよね。
時を経るたびに、本から受け取る質感に変化が
でも、何年かおきに、この本に触れると。
以前は感じられなかったメッセージが、やたら刺さって涙が出そうになったり。
「あぁ、つまりこう言うことなのかな?」と、自分なりの解釈を交えて、物語を読むことができるようになってきたんです。
この本は、人それぞれの受け止め方で読める本なのだなぁ、と思ったんですね。
例えば、先にあげた「羊と箱」のくだり。
「羊」は…
今は大人になってしまったけど、かつて「子供だったの頃の自分」の象徴なのかなぁ、と。
子供も成長し、社会に出て、様々なコミュニティ、組織の中で、色々な人間関係の中で生き抜くことになります。
その中で、色々な人や事柄から影響を受け、色々な自分を形成していくわけです。
部下である自分、
上司である自分、
リーダー、
親、
……
必要に応じた顔・役割を身につけ、演じ分けていく。
そうやって、少しずつ色々な殻を、自然とまとっていく。
いつまでも、剥き出しの子供のままじゃ生きていけないですからね。
それを「箱」というメタファーで表しているのかなぁ、と。
でもね、その箱の中には、子供の頃の自分、生粋の自分(=羊)も、ちゃんといるんだよね、と。
物語の後半の方に、キツネのこんなセリフが出てきます。
大切なものほど、目には見えないものだよ。
この言葉も、先の部分にかかっているのかなぁ、なんて今は思っています。
もちろん、自己解釈なのですが。
でも、そんな風に、この物語の世界観を一生かけて味わいたいな、と思っていますし、わたしにとってこの本は、大切な「哲学書」なんですよね。
皆さんはいかがでしょうか?
生涯手元に置いておきたい本、よかったらぜひ教えてくださいね^^
最後までお読みくださり、ありがとうございました。