早起きで見つける人生の余白
“早起きは三文の徳”、という言葉があるように。
早起きすることで何かしらのメリットがあるはずだ、それを手にしたい、という人も多いのではないかと思う。しかし、実際にはそのメリットが何であるか実感を得る前に、習慣化できずに終わってしまった…。この本は、そんな人たち(含む、私)にとって、バイブルとなり得る一冊だ。
筆者のキム・ユジンさんは、幼少期に、家族で祖国の韓国を離れて、全く自分を受け入れてくれない環境に身を置き、マイノリティとして、また激しいイジメの対象者として、自らのアイデンティティを呪いながら過ごした過去をもつ。そんな彼女は自分の存在意義を自ら証明するために、必死に努力を重ねて、狭き門をくぐり抜けて弁護士になる。
さぁ!努力が報われた!ここから素晴らしい人生が始まる!
と思っていたが、実際には、そうならなかった。
6時の起床から始まるルーティーンのように繰り返される日常。
忙殺される日々のタスク。
惰性で繋がる人間関係。
疲れ果て、心を失いかけていく彼女の日々にピリオドを打ったきっかけが、そう。「早起き」だった。
ある日、たまたま明け方4時頃に目を覚ました彼女は、静寂の中で、それまで体感したことのないような心地の良い時間を過ごす。
この体験をきっかけに、彼女の人生が一気に好転していく。
それまで、得たくても得られないと思っていた時間、人生の余白を作り出せたことで、本職以外の可能性、人生の楽しみを発見していくのだ。
ダンス、ミュージカル、そして一番彼女の存在が世界中に知れ渡るきっかけとなった、動画制作(YouTube)。
彼女自身の人生の好転プロセスを追体験させてもらいながら、この本が単なる「早起きのすゝめ」に留まらないことを実感する。
「私は睡眠中に夢を見るのではなく、明け方に起きて夢を叶えようと努力できるようになったのだ」そう彼女が語るように、世界中の成功者、偉人と呼ばれる人たちの中に、なぜこれほどまでに早起きの人たちが多いのか?その答えを示してくれる。
早起きは三文の徳、以上の世界がここにある。
まずは、いつもの30分前の早起きからでも。
より良い人生を手にするきっかけを、一緒に掴んでみませんか?
このブックレビューは、私が心から尊敬するライターの小川こころ先生の『ブックレビューの書き方入門「読むだけ」の人から「伝える」人へ! 』の講座の中で、実践として書いたものです。
「読書感想文」と「ブックレビュー」の違いについて、などなど。先生の分かりやすい解説と、温かく的確なフィードバックで、「書くこと」がとても楽しく学べます。
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