言いまつがい。伝えるべきか、そっとしておくか、それが問題だ。
ほぼ日さんのコンテンツ「言いまつがい」が昔から好きでして。
自分の日常にも、クスッと笑える言いまつがいがゴロゴロ落ちていて、その度ツボに入ってしまうことがあります。
でもこれ。
「あ、違った!」って、お互い気づいてワハハと笑える場面もあれば。
完全な勘違い。思い込み。のパターンもあって。
その場合、「違うよ」とサラッとお伝えできることもあれば、お伝えすることを躊躇してしまうような場面もあるよなぁ、と。
今日はそんな話を書こうと思います。
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うちの母は、特にこの勘違い傾向が顕著で。
幼少期は、母の中で誤変換された言葉=母語を鵜呑みにし、幼稚園や小学校で笑われ、恥ずかしい思いをすることもしばしばでした。
でもまぁ、おかげで、随分とメンタルも鍛えられたものです。
中でもインパクトがあったのが。
ナポリタン。
子供の頃の大好物でした。
遠足や、誕生日などの特別の日に。「何食べたい?」と聞かれた時には、必ず「赤いスパゲッティがいい!」と、リクエストしていました。
ただ。この名称を「メトロポリタン」とインプットされていたんです。
小学校の遠足の時に、先生がそっと教えてくれて気づけました。
やや成長した頃に、耳を疑ったのが、KinKi Kids。
彼らをTVで見た時、「この子たち、絶対売れると思うわぁ」と、
当時、既に売れまくっていた彼らに、うっとり目を細めながら。
「可愛いわぁ〜。 ギリギリキッズ♡」とポツリ。
…いやいやいや。なんか卑猥だし。なにその呼び方。
おそらく。セクシー系アイドルとして活躍されていた「ギリギリガールズ」が混ざったのでしょう。
その後、何度訂正しても一度思い込んだものは覆らず、そのままそっとしておくことにしました。
アバウトなんですよね。
こういうところ、やっぱり母は沖縄産だなぁ、と感じます。
何事もテーゲーなんです(沖縄の方言で、適当に、などの意味です)。
あ、もし沖縄の人で、これを読んでくださった方がいたら、「一緒にすなーっ!」って怒らないでね。
でもね。
この程度の言いまつがいは、「違うよ、そうじゃなくて…」って言えたり、そっとしておくこともできるよなぁ、と思うのですが。
先日は、友人との会話の中で、勘違いを伝えるべきかどうか。
完全にタイミングを掴み損ね、モヤついてしまった場面がありました。
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映像クリエイターの彼女の家にお邪魔した時のことです。
超巨大ハイビジョンTVで、BTSのMVを一緒に鑑賞することになりました(彼女を沼へ引きずり込もうと思いまして☆推し活の一貫でございます)。
ダンスや歌など、彼らの魅力を存分に一緒に楽しんでくれていた彼女は、
「わぁ、このカメラアングル、すっごいなぁ。今度取り入れてみよう。」とか。
「この撮影どこで撮ってるんだ?ダムかどこか?海外かな?」とか。
観る視点が、クリエイターなんですよね。
さすがー!かっこいいね!
そういう見方するんだね!!
と。ARMYとはまた一味違う目線で、彼らの作品の世界観やクオリティを評する彼女を絶賛すると。
お酒も入っていたこともあったせいか。
次第に彼女のクリエイティブ談議が始まりました。
人が情熱を傾けていること、好きなことについて熱く語る姿は、見ていて幸せなものです。
やがて、彼女の中で一番好きだと言う、サントリーのCMシリーズの話になりました。
サントリーのクリエイティブは、どこがイケてるか。
なぜ、あれだけ人の心を打つCMが次々作れるのか。
とても興味深く話を聞いてました。
そしていよいよ、一番お気に入りだと言う、妻夫木聡さんの「大人エレベーター」の話に及びます。
ますます饒舌になっていく彼女の話を聞きつつも、
わたしの中で少し、引っかかるものがあったんですね。
そして、そっと携帯で検索したんです。
大人エレベーター CM
って。
そしたら。
出ました。
サッポロって。
…ですよね。
でも、完全に悦に入っている彼女の滑らか激アツトークを、どう止めましょうや。
伝えるべきか、流すべきか…
そればかりが気になって、後半は話もろくに入ってこない始末です。
結局、最後まで、
うん、うん、と話を聞きながら。
(でも、サッポロなんだけどね。。)
と、心の中で呟くことしかできず。
最後までタイミングを逸したまま帰宅しました。
とは言う自分も。
きっと様々なところで、言いまつがえたり、勘違いトークを繰り広げては。
人をクスッとさせたり、困惑させたりしているんでしょう。
うん、おあいこだな。
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