毒育ち女の近況
気がつけば海の日もとうに過ぎ、世は盆休みに入っていた。盆休みとは言っても、今年も新型コロナウイルスの影響で夏という季節を存分に満喫することは難しそうである。
それにしても昨今の天候は、いったいどうしてしまったのだろうか。半袖では居ても立ってもいられず、慌ててノースリーブのシャツを買いに行った程である。しばし灼熱地獄が続いたと思えば、今度は「戻り梅雨」とやらに見舞われてジメジメとした雲空に苛立ちが募る一方だった。
夏自体は、決して嫌いではない。布団を出るのも風呂に入るのも億劫になる真冬よりは幾分かマシに思える。
陽の光を浴びられる時間も長く、筆者比ではあるが多少は活動的になれる。しかし、かつて夏休み中に毒祖母から強いられたことの数々を思い出すと少し胸が悪くなる。
たとえば毒祖母が所属していたサークルが地域の夏祭りに出店するとなれば、看板やメニュー表を作らされて最悪は当日の手伝いにまで駆り出された。
別の日には猛暑を通り越してもはや酷暑の中を丸二時間かけて墓参りに連れて行かれ(お祖父ちゃん、ごめん)、道中で母と毒祖母の小競り合い(99%は毒祖母が悪い)が起きる度に私はゲンナリしていた。
そして「孫と旅行へ行ったアピールをしたい」という毒祖母の不埒な欲求を満たすために“近場”の日帰り旅行に付き合い、そこでも母と毒祖母の諍いが(略) というかどうせ行くのならば、もっと遠くて高級な宿くらい取れやクソババアほんまそういうところや……まあ兎にも角にもこのような思いをする若人が一人でも減ることを祈るばかりだ(真顔)
話は打って変るが、実はかねてよりすべてを捨てて田舎町への移住を考えていた。しかし中途半端な都市部で育ってしまった私には無理な話だと悟ったのだった。生活力にしても人間関係にしてもかなり器用で芯が強い人でないとなかなか堪えるだろう。
ただ田舎は田舎で良い部分もあると私は思う。親に発達障害やパーソナリティ障害の傾向があったとしても他の家族や親戚、地域の人など地域全体が子供の安全基地になりえるからだ。
そう考えると、毒親/毒家族問題の一部原因は一極集中化とそれに伴う核家族化なのだろうか……(今回はその議論は控える)
かといって田舎や地方なら無問題かと考えると答えは「ノー」である。田舎や地方でも自己愛を拗らせやすい可能性がある上に、むしろ都市部の自己愛性PDより陰湿で手に負えないかもしれないからだ。(ソースは『少年のアビス』と『進撃の巨人』の諌山先生のインタビュー)
そしてもっとも恐ろしいのは、田舎町で毒祖母のような自己愛性PDに捕まったら「逃げ場がないこと」だと私は思うのだ。
ズボラでクソ雑魚メンタルな私なんかは、ある程度「餅は餅屋」でそこそこの都市部が一番向いてるのである。悠々自適な田舎暮らしや自給自足を夢見て移住しなくて本当に良かったが、今も時々理想の田舎暮らしを妄想しては現実逃避をはかっている。
移住計画も頓挫した今、また早く死にたいなと思うようになってきたが、久方ぶりに友人らに会う予定だからそこまでは生きねば。
ただ、あの世に居る祖父になるべく早めにそちらに行くよう伝えておこうと思う。以前も述べたかもしれないが、祖父の墓参りに久しく赴いていない。万が一毒祖母や毒伯父と鉢あってしまったり、疑うようで恐縮だが万が一住職さんから何か情報が伝ってしまったら嫌だからだ。とんだ祖父不幸者だという自覚はあるが、ほんま毒親/毒家族がいると人生自体しんどいなぁ、と感じる盆休みの一日であった。
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