漂白

息子の制服のワイシャツの襟汚れをごしごしこすっていると
鹿の解体をしているような気分になった
すうっととぎれなく皮が剥がれる快感とおなじものが
へその奥でふくらんでいった
あんなにはやく危険を察知して
北風のように駆けうつくしく跳び越えていた胡桃色の体躯が
玩具みたいにパコパコと外れて
なまぐさい笑みが自然とこぼれた、ことを思い出した
白くなったワイシャツを見て
なにかとんでもないものに加担しているのだと思い出し
今日は酒を呑まずに寝ることにした


==================

詩です。
読んでいただきありがとうございます。


いいなと思ったら応援しよう!