いなかった
ママもねぇねもパチンといい音を立ててボタンを留めているのに
ぼくはなんどやっても、足がグネったときと同じ音がするだけで
きれいに留めることはできなかった
2024年10月12日の夕陽は
水平線に対して斜めに沈んでいきました
テレビでもSNSでも、これは吉兆だと笑って済ませていて
むかし、月が分裂したときに、
これは増長をやめない人間への世界からの復讐のはじまりだ、と
騒いでいたことが思い出されて
こわかったのは凶兆じゃなくて
造形の違う顔がおなじ表情筋の使い方をすることなのだとわかった
溶けた後の氷しか知らないぼくが、溶ける前の氷を知ろうとすると
「それは悲しかったね」と共感してくれる瞳に
共感できずにわらって誤魔化した
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詩です。
読んでいただきありがとうございます。