ぺらぺらのりんご
風船を三十万個も割っていて膨らまし方変えようとしない
割れちゃったと無邪気に笑う人の顔砂利に塗れて見上げている
立ちあがる煙の顔は雲のうえ何事もなく笑ってるといいな
プリショップがレディースアートネイチャーに変わって雨夜の月を見上げる
アイドルの拙い歌をおだやかに聞いているときの父は満腹
褒めるとき必ずにぃにを傷つける 血まみれの鹿の瞳の黒さ
男の子がなんで口紅塗るのかがからあげの横に突如置かれた
尊敬をおくれる住所を知らなくていたみ続ける夕張メロン
70000の処決裁断者から一斉に実家から出てないこと責められる
ワイシャツの第一ボタンが留まらない整備不良を指摘するように
白雪が積もったみたい限界を超えて溜め込むトラッシュボックス
青りんご1000枚に切るほんとうの青がどこかにあるような気がして
生きるとは何かすることなのか?が一つぶでそんなつぶでみちみちの烏賊飯
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短歌連作です。
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