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【いま届けたい!角川文庫】藤原伊織『テロリストのパラソル』

年間で約250~300点の小説作品を刊行する角川文庫。
新刊はもちろん自信を持っておすすめしたい作品ばかりですが、過去に刊行されたものの中にも、魅力的な作品がたくさんあります。

そこで、編集&営業メンバーが「いま届けたい!」角川文庫を本気で厳選!
「書店店頭で、ひとりでも多くの方に出会っていただけるように」という思いを込めて、新帯・拡材(店頭装飾用のPOPやパネル)を考案しました。

本記事では、2024年9月中旬に新帯出荷がスタートした藤原伊織『テロリストのパラソル』をご紹介します。

※新帯・拡材の展開状況は書店により異なります。


藤原伊織『テロリストのパラソル』

■ あらすじ

新宿に店を構える中年バーテンダーの島村。ある日、島村の目の前で犠牲者19人の爆弾テロが起こる。現場から逃げ出した島村だったが、その時置き忘れてきたウイスキー瓶には、彼の指紋がくっきりと残されていた……。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

■「いま届けたい!」理由

選書会議から出荷に至るまで、営業担当として「今作を届ける方法」を考え続けたOさん。

スリリングでスピーディーな展開にはもちろんのこと、「洒落てるな」と思わず唸ってしまう文章やシーンに溢れている点にも強く惹かれました。たとえば、序盤にホットドッグをめぐる主人公とやくざのやり取りがあるのですが、そのくだり一つとっても他の小説とは違う輝きを放っている。これはすごいぞと。

と、今作に惚れ込んだ理由を語ってくれました。

■ 新帯デザイン

新帯は、カバーを覆い隠す「超幅広サイズ」!

店頭での印象をがらりと変えて目立たせるために、従来のカバーをまるまる覆う帯にしようと考えました。配色については「ゼッタイ黒・赤・白だ!」と読んでいる最中に閃きましたが、こればっかりは直感です(笑)。

とOさんは語ります。
上下に配置されたキャッチコピーと印象的な配色で、大迫力の仕上がりになっていますね。

■ 拡材デザイン

今作に惚れ込んだ理由のひとつとして「お洒落な文章」を挙げていたOさん。拡材を作る際にも、その魅力を生かす方法を模索したといいます。

作中に登場するおしゃれなフレーズをちりばめました。下手に言葉を作るよりも、この方が作品の内容と温度感がお客さんに伝わると考えています。

また、完成までにこんな苦労もあったそうで……。

帯や拡材を作るに際して、とにかく目立たせたいという考えがまずあって、一方で作品の持つしょうしゃな雰囲気は損なわないように、下品になりすぎないようにということも常に意識していて、その調整に苦労しました。

最終的にはデザイナーさんに工夫していただき、たいへん納得のいくデザインに仕上げていただきました。

Oさんをはじめ、「今作をひとりでも多くの方に届けたい!」と願う関係者全員の想いがこもった新帯と拡材。
ぜひ書店店頭で探してみてください!

■ こんな人に読んでほしい!

ハードボイルド好き、サスペンス好きにはもちろんおすすめです。小説ではありませんが、ドラマ『VIVANT』が好きだった人などもハマること間違いなしです。意外かもしれませんが、村上春樹作品の愛読者にも推薦したい。洒落たセリフ回しや雰囲気が好みの人は、騙されたと思って冒頭だけでも読んでみてください!(営業担当・O)

■ 書誌情報

書名:テロリストのパラソル
著者:藤原 伊織
発売日:2007年05月24日
ISBNコード:9784043847013
定価:902円 (本体820円+税)
ページ数:384ページ
判型:文庫判
レーベル:角川文庫
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/200608000273/

あわせて読みたい!

2024年9月の「いま届けたい角川文庫」は計2作品!
もう1作品の太田愛『犯罪者』上・下についてもぜひチェックしてみてくださいね。


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