見出し画像

三男にささやくあほらしい愛のうた

私は三男のことを
おばあちゃんが孫を可愛がるように
可愛がっているかもしれない
朝起こしても
夜寝入りを見届けても
かわいいね かわいい子だね
いい子、起きて
かわいい子、ぐっすり寝てね
まるで息を吐くように
愛のことばをなげかける
まるで息を吸うように
その愛しさを吸い込んで
成長するきみ 小学2年生

とがつく名前は
とっとちゃん
ちゃんとっと
ちゃんちゃんとっと
ちゃんこ
ちゃん
ちゃんちゃん……
呼び名は生き物のように
日々、形を変える
呼ばれて 目覚めて
「ぼく、ちゃんこ!」
と目ぼけ眼で応える
「ちゃんこ、おーいで。」
と猫なで声をかけてしまう
どうしよう

12歳離れた長男は
ちゃんの子育てを手伝ったから
「もう子育ては終わった気分」
公園で若いパパと間違えられたこともある
だからまあいいか
私がおばあちゃんみたいでも
いや、よくはないでしょう

ちゃんはプールが苦手
プールの季節が近づくと
なぜか私まで緊張する
水 を こわがらないで
ちゃんのペースで少しずつ
水と仲良くなれればいい
少しずつ できるように
なればいいからね
そんな思いを込めて
ぎゅっと抱きしめる

母ちゃんはぼくをかわいいと思っている
絶対的な安心と信頼を食べて
ちゃんは今日もくりくりとした眼差しで
生きる



*ヘッダー画像ははやの みほさんの作品を使わせていただきました。どうもありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?