あらためて思う、ふらふら彷徨うおかしみと楽しみ。
京葉線の終点・東京駅。そこからKITTEの地下通りを抜けて、まずはOAZOの丸善へ向かう。数えきれないお決まりが、うれしいたのしいなのだ。
不良社員だったぼくは、就業時間など関係なく、よく街をふらふらした。
路地に入り込み、裏道を辿り、本屋を廻り、いつも夕暮れ前から真っ当に飲める酒場を探していた。
そして、いつも、厚いグラスになみなみ注がれた熱燗を啜りながら、一体、今日という日は俺にとって何だったのだろうかと。
馬鹿言っちゃいけない。
真っ当に、真っ当はこっちが正しい使い方、仕事もしないで、もう飲んだくれている奴が悩むようなことか、と思いは千々に乱れるのが常のこと。
あと、どのくらいこの世に居させてもらえるのか、と考える。
考えても仕方がないから、お前が思うように生きていけ、と考える。
おかしみだなぁ、とまた啜る。
山田清機さんの『寿町のひとびと』(朝日新聞出版)を買いに来た。黄色い表紙のやつだ。
ノンフィクション作家の山田さんには、紀行作家の山内史子さん、通称”いっとちゃん”(漢字では一斗ちゃん)の紹介で動画インタビューをさせてもらった。
その時の著作は『東京湾岸畸人伝』。これも面白い本だ。
インタビューが終わり、担当編集者の齋藤さんを交えて一杯やっているときに、山田さんが、じつは、今、横浜の寿町を取材しているが、おっかないですよぉ...と。
結局、山田さんと齋藤さんは、6年間かけてこの本を完成された。
真っ当な仕事だ。とても真っ当。
寿町には、人間のおかしみが折り重なって息づいている。
じっくり読んでnoteしようと思う。
OAZOから丸ビルに向かい、地下を通り抜けると千代田線の二重橋前駅。
これもお決まりのコース。
頃合いになったので、隠れ家へ向かう。
ヒルズビルの窓。皆さん、済みません。お先にです。
まずは、ぬる燗でいく。
こんなものも食べる。
これもいただく。
いやいや、申し訳ない。
ありがたい一日をもうすぐ締めなきゃ。
かくして、おかしみと楽しみは泡と消える。
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