和知さんのホテルブレッドみたいに分厚いステーキを想い出した。
家人もぼくも大の肉好きだが、この頃はサシがどうも...
銀座のおでん屋「お多幸」の並びに、気を付けていないと見落としてしまうくらい狭い扉がある。
その上に、これまた、あんたは自分の店を知られたくないのか?!ってくらい小さい看板「MD」がある。
これが和知シェフの「マルディグラ」だ。
扉を開けると、過去に、ひとりやふたり転げ落ちたお客さんがいたに違いない急な階段が扉と同じ寸法で現れる。
店内、いたってシンプル。
そっけない木製のテーブルと椅子。
ほとんどヨーロッパの片田舎のビストロ。それがカッコ良くて心地良い。
長方形の空間の一方の短い辺にデシャップ台とキッチン。
驚くほど小さなキッチンで、分厚い眼鏡の和知さんがクルクルと料理している。
銀座四丁目の日産ショールーム裏に「グレープ・ガンボ」というビストロがあった。
亡くなった勝山さんのお店で、和知さんがシェフとして働いていた極上の店だった。
「香草のバクダン」は、ただただパクチーを大盛にしたメニュー。和知さん考案の美味くて、おっ!と言いたくなるメニューがいっぱいあった。
で、「MD」の話。
「グレープガンボ」に初めて行った時、和知さんはすでに厨房を上がっていたので、あの、なんともひとを幸せにする和知さんのコックコート姿、ひげもじゃ顔、とびっきりの料理に出会ったのは「マルディグラ」でのこと。
ああ、ちょっと思い出しただけでよだれが。
その中でも分厚いビーフステーキの美味いこと!
知人の中には感激のあまり、体育会出身の部下四人を引き連れてこのステーキに何度も挑んだ猛者もいるほど。
そう言えばあのステーキ、何という名前だったっけ・・・
そんな話をしながら、家人の赤身のステーキ。
これも大好物。
添えられているのは、玉ねぎとしめじのソテー。
サラダとフリッジをホワイトソースで和えて焼いたひと皿。
カイザーのバゲットはエクストラバージン。
「ロックフィッシュ」間口さんのFBに、和知さんの”お肉定食”が載っていた。ノンアルコールなんて関係なさそうな”旨い風景”。
黒板のメニューを見ていると、なんだかが生まれそうな予感が勝手にしている。
ご馳走様でした。
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