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サッカー観て 神社に行きたい。 FC東京編
「イルカは泳げ」のゲーフラは名作だと思う。あのセンスは素晴らしい。
こんにちは。毎週、図書館通いのかちこです。
我が軍、川崎フロンターレとの対戦は「多摩川クラシコ」として、(楽しみながら)バッチバチな試合を繰り広げておりますね。
多摩川を挟んで睨み合うわたしたち…。
そうです。今回は日本の首都におわしますは、FC東京さん!!
ちなみに「多摩川」の由来は、氾濫を起こす暴れ川として霊の宿る川=タマガワ、水神の霊のいる神聖な川、という説や
丹波川がタマガワになったという説があります。
タバはタワ(峠)の変形、上流水源付近を「丹波」という(京都の丹波もこの意味合い)など、憶測はつきませんが断定出来る資料はありません。
映画シン・ゴジラに出てくるタバ作戦のタバはこの由来でしょうね。
現在は多摩川を挟んで、向こう側が東京都、こちら側が神奈川県となっておりますが、昔は同じ武蔵国。
武蔵国の一宮は浦和さんの回で述べた通りに、氷川神社です。
FC東京さんの必勝祈願は明治神宮ですが、明治神宮は新しい神社なので、今回はホームスタジアムから近い神社をご紹介します。
蝗さんたちに負けじと(無理)スタグル食べつつ、
食べる量で負けても試合は勝ちたい。サッカー観て、神社に行きた~~い~~!!
大國魂神社
味スタのある飛田給駅から4駅目「府中」駅にある大國魂神社。
律令時代に武蔵国の「国府」が置かれたことから「府中」となりました。
武蔵国の要所である場所におわすは「大國魂神社」
昨年行われた東京オリンピックの自転車競技で、ロードサイクルが境内を駆け抜けて行った模様も記憶に新しいところ。
(オリンピックのために特別に通行を許可されたとのこと)
祭神は大國魂大神
武蔵の国魂、国魂は国土を神格化したもので、大国主命と同一視される。大国主命は出雲神社の祭神ですね。
なんか、ちょっと雑(失礼)な気がするなぁ…と思ったのですが、国司がその国の総社として、国内の重要な神社を集めて祭祀を総轄した神社を「國魂神社」と言うようで、
大國魂神社も武蔵国内の六つの神社を集めて祀っているので、その名前がついたようです。
六つの神社を祀っているので「六所宮」と称されます。「総社」とも呼ばれます。
境内は結婚式場も併設される広い敷地は16,358坪。
実は結婚式場の見学に行ったことがあり、ウェディングドレスの試着もした過去があるのですよ~。
そんな過去はさておき、府中ふるさと歴史館もあり
大國魂神社のみならず、国府としての資料や遺跡関連の情報も知れるようです。入館料は無料。
でも、マイナンバーカードやらマイナポイントの窓口開設で縮小してるようだ。おのれ、マイナンバーめ。
六所宮と呼ばれた大國魂神社の本殿は少し変わっております。
なにぶん、六つの神社が集まってますからね。
中殿に大國魂大神を祀り、東殿に一ノ宮「小野大神」(南多摩、小野神社)、二ノ宮「小河大神」(西多摩、二宮神社)三ノ宮「氷川大神」(大宮、氷川神社)
西殿に四ノ宮「秩父大神」(秩父、秩父神社)、五ノ宮「金佐奈大神」(児玉、金鑽神社)
この六つの神社の御霊が祀られているのです。
武蔵国一宮とされている大宮の氷川神社が「三宮」とされている。
ちなみに金鑽神社は、公式HPで「二宮」と称している。
一宮もですが、名乗るのに特に明確な定義はなく、時代時代によってその時代に力を持っていた神社などが一宮と名乗ったり、国で指名することもあったり、村で決めたりなど、条件にばらつきがあるものです。
大國魂神社で氷川神社が三宮なのは、大國魂神社からの距離も関係あったのでは?という説もあります。
創始は第12代景行天皇41年、大國魂大神の託宣によって創立。
出雲臣天穂日命の後裔が、武蔵国造に補任、代々祭務を司った。
その後に大化の改新によって国府がおかれ、国衙の斎場となり国内の祭務を総轄したのが起源。武蔵国内の主要神社を奉祀し「六所宮」と称された。出雲臣の末裔が関わっているから、主祭神の大國魂大神=大国主命なのかな。(出雲大社の主祭神は大国主命)
境内摂社末社も宮乃咩神社、松尾神社、巽神社、水神社、稲荷神社、住吉神社、大鷲神社、東照宮
境外社も坪宮、天神社、国府八幡宮などあります。
天神社は、大國魂神社から東へ500m先の丘にあり、新撰組の近藤勇が、天然理心流四代目襲名の野試合が行われた場所なんだそうです。
国府八幡宮には旧手水舎、旧随神門が移築されております。
拝殿の前に中雀門、その手前には随神門。
中雀門は扉に真鍮の化粧金具をつけた門、真鍮のことを「鍮石」と云い、それに「中雀」の字を当てた。中雀ってなんの鳥だろう?なんてワクワクして調べたら、鳥関係なかった。
随神門は、お寺では仁王門という、邪悪なモノが入らないように守る門の神さま。仁王門には金剛力士像がいる。
神社だと豊石窓神、櫛石窓神。明治の神仏分離の前は神社の前のものも仁王門だったよう。
随神(身)はボディーガードとかSPみたいなもので、ひな祭りのお雛飾りにいる右大臣、左大臣もそれ。
門を守ってくれるから、サッカーサポとしては、随神門も拝みたいですね。
大國魂神社は、例祭が「くらやみ祭り」として有名。
現在の形式になったのは、江戸時代からですが、昔から続いてきたお祭り。
品川で宮司さんや信者さんが禊をするところから始まり、神輿に使う八つの鏡を磨いて塩で清めたりと色々な神事を日にちをかけて行います。
それとは別になりますが、7月20日に「すもも祭」が行われます。
こちらは源頼義・義家父子が、すももを献奉したことから始まったお祭り。当日は「烏扇」や「烏団扇」が頒布されます。
烏扇であおぐと虫害が去り、病気も去るという古い謂れがあります。
7月20日頃というのは、二十四節気でいう「大暑」のあたり、涼をとるという意味合いと、暑さで体調を崩さないように、という意味合いを籠めての扇なのかな?と思います。
元々、扇も呪術的な意味合いもあったと思います。神事にも使われますし、羽団扇は大天狗が持っているものですしね。
なぜ、烏なのか?というと、烏は元々、森や山に棲んでいる。
大國魂神社の杜にも烏が棲んでいて、七不思議のひとつに「烏がたくさんいるが門より中には入らず、本殿には近づかない」という話もあります。
烏は熊野三山の御使いとして、牛頭宝印にも描かれています。
JFAのマークになっているのも八咫烏ですね。
境内にはお休み処(入って右側らしい)が、あるそうですが真新しい情報がなく、今でもあるのかなぁ?
昔ながらのお休み処な感じでホッと出来そうです。
近くにクラフトビールの専門店「ビアハウスケン」があり、ビール好きとしては立ち寄りたいところ。
美味しいものに目が無い蝗さんたちに、オススメビールを教えていただきたい~。
https://www.ookunitamajinja.or.jp/
青渭神社
味スタからは少し離れますが、次回に紹介する神社とも繋がる話になるので、青渭神社を紹介します。
深大寺町の総社であり、元々深大寺の別当でもあった神社。
昔は社前に湧き水があったことから「青海波神社」と呼ばれていたそうです。
ちなみに昔に武蔵国多摩郡と称された地域に「青渭神社」という名前の神社は現在三社あります。
上記の調布市と他に稲城市、青梅市。
この三社は「論社」となります。
「論社」とは、平安時代中期905年~927年に作成編纂された律令をまとめた「延喜式」の神名帳という全国の霊験灼然な神社をまとめたものに記載されている神社と推測される神社。
「推測される神社」って云うのは、神名帳には神社の詳細な住所の記載はなく、○○郡まで。
つまり、青渭神社は「武蔵国 多摩郡」までしか書かれていないので、三つある内のどの神社が延喜式に書かれている神社か、わからないので歴史研究者たちが論争を繰り広げています。
現在でもですが、江戸時代や幕末にも論争が起こっていました。
平安時代に編纂されていますから、地理的な状況も変わりますし、神社は分祀したり、合併したりもあり、そりゃ江戸時代にはもう解らなくなってます。
明治には神仏分離もあり、現代人が正確な場所を断定するのは難しい。けれど、難しいから面白くて研究者は調査研究をやめられないのでしょう。
青渭神社の「渭」は、元は中国の水が清いと言われていた川の名前。
よって、清い水、川や湧き水のある場所に使われる漢字となったようだ。
それもあり、論社のひとつである深大寺の青渭神社は昔、湧き水があったことから、此処が延喜式神名帳に記載された青渭神社だと主張する訳です。
ちなみに、「青渭」の「青」ですが、みなさんご存じの通り色の名前です。
古代日本語で「あか」「しろ」「くろ」「あを」は染色と異なり、光陰を表し、「明」「顕」「暗」「漠」だった。
あか、くろは漢字通り明るさを表し、「顕」は素のままの状態の意味合いでホワイトの意味は10世紀以降。
「漠」は漠然というように、はっきりとして見えにくい状態を指す。これは古代ギリシア語「melas」が「青」だったが、意味としては「暗い」の意味であるのと同じだ。
おそらく、青は空の色味ではなく、深い水底のような見えるような見えないような様子を表していたのではないだろうか。
場所は定かではないが、きっと青渭神社の近くには深く清らかで豊富な水辺があったに違いない。
おわりに
回を増すごとに、サッカーから離れてしまい、単なるがち神社勢な空気感をプンプンに放ってしまっている内容ですが、最後 で読んでいただいた方、誠にありがとうございます!!
多分、次回は更にディープ!かも、しれない…