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自由と不自由

※学級通信「めばえ」第002号(2015年4月9日発行)より

 以前担任を持っていた学級が2年生に進級したとき、1年生のときとHR教室の使い方の一つを変化させてみたことについて、2回目の登校日の学級通信でちょっと考えてもらいたくて書いたものです。

教室後ろのコートかけをフリー使用にしてみた

 昨日登校して来て、教室の入り口に貼られた座席表の下に書かれた指示は読んでくれただろうか。「8:35までに着席して待っていること」と「コートかけは指定しないので譲り合って使うこと」ってことを書いておいた。コートかけの使用場所が指定されない(=フリー、自由)という状況になっ
た。このことを、諸君はどう感じただろうか。好きな場所にかけられるから便利だと思っただろうか。特に何も感じなかっただろうか。面倒なことになったと思っただろうか。さて、君はどれだい?

 何も感じなかった君!ぼやっと日々の生活を過ごしていては、大事なチャンスを逃しかねない。小さな変化に気がつける、なにか感じられる人になれるよう、日頃から些細なことにも注意しよう。

 便利になったと思った君!まだまだ甘いな。まぁ、良識派が多数派の集団であれば良いけれど…さて、2Aはどうだろうか。これからを楽しみに。

 面倒なことになったと思った君!うーん、なかなかイイセンスをしているけど…、2Aという集団の一員であるわけだから、面倒なことにならないためのはたらきかけや、自分にできる気遣いを頼むよ。

 さて、2Aという集団の性格が垣間見られる場所が一つ増えた。中堅学年としての自覚と誇りをここでも見せてくれ。えっ?何を言っているのか意味不明だって?かみ砕いてわかりやすくを示すのは簡単だけど、それでは君たちが高校に通っている意味がない。自分たちの中でかみ砕いて、消化しましょう。諸君は半分大人2年生なんだよ。

◆◇◆

 コートかけの場所をフリー使用にするのはとても些細なことではあるのですが、当時の勤務校では基本的に出席番号でコートかけが指定されているのが普通でしたし、生徒ら自身からそれについて特に不満を聞いたことはありませんでした。でも、わざわざ出席番号で指定する必要があるのだろうか......。そんなちょっとしたギモンからスタートことでしたが、集団で過ごすということについて頭を働かす一つの機会になるのかなと思ったのでした。

 ちなみに、この学級通信のタイトルには次のような想いを込めてあります。某学年団の先生などからは、ひらがな表記になったしなんだか小学生ぐらいに戻った感じがするねというような感想があったような......。

 昨年度の学級通信のタイトルは、高校に入学した諸君にいろいろなことに挑戦して、大きく成長してもらいたいという願いを込めて、「挑戦者」としていた。今年は平成29年の春に「サクラサク」が満開であるために、「芽を出す(=成果を少し出す)」時季と考えて欲しい。いきなり大輪の花は咲かない。まずは芽を出し、その芽をしっかり育てましょうや。芽の健やかな成長には,良い水,良い光,良い肥料が必要なのだから、手入れをお忘れ無く。
※学級通信「めばえ」第001号(2015年4月8日発行)より


 

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