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「今日の担当はわたし」に大事なこと

 北海道札幌市を中心に経済的理由や家庭環境等により十分な学習環境にない子どもたちへの学習支援や居場所づくりをしているNPO法人Kacotamで活動を始めて5年ほどが経過しました。

 Kacotamの学習支援の特徴の一つとして、原則として一対一の個別形式で担当するボランティアメンバーが毎回変わるというものがあります。
 新しく参加する子や活動し始めのボランティアメンバー(特に教育界隈にいた人とか)には、「担当を固定してほしい」「担当固定の方が良くないですか」と思われがちなものです。かくいう斉藤も活動歴1、2年ぐらいまではそんなように思うことがあったような気がしています。

 毎回担当が変わることの意義については、Kacotamの代表が記事を書いているので、ご覧いただければと。

 ▲ の代表の記事の中にある「困りごとに合わせて、相談するメンバーを選択できるようにできればと考えている」の部分が実現される上で、大事なことに1年ほど前だったろうかに気がつきました。というよりも、とある活動の中で子どもが教えてくれました。

自由に話せる時間を担保すること

 Kacotamの学習支援の1回の流れは、

〇 集合
〇 学習タイム(前半)(45〜60分程)
〇 休憩(10〜15分程)
〇 学習タイム(後半)(45〜60分程)
〇 振り返り
〇 解散

となっています。
 この中で、「集合〜学習タイム(前半)」「休憩」「振り返り〜解散」の三つの時間帯は、その日の担当メンバーに限らずコミュニケーションを取ることができる時間です。
 この自由に話せる時間が担保(時間的にも、動きの制約的にも)されてなければ、週1回程度の限られた時間での学習支援の中で、子どもが「困りごとに合わせて、相談するメンバーを選択できる」ようにするのは難しくなってしまいます。

 三つの時間の中でも、「振り返り〜解散」の時間は、「集合〜学習タイム(前半)」「休憩」に比べて、比較的弾力的な運用が可能な時間帯です(各会場毎に弾力的な運用の可能度が違いますが)。
 一方で、「振り返り〜解散」の時間の後には、「メンバーだけでの活動の振り返り」という時間が控えていることや、会場の清掃・片付け作業のこともあり、伸び伸びになるのはよろしくないという雰囲気が高まることもあります。
 実は、「自由に話せる時間を担保すること」の重要性に思い至ることになったのは、そんな伸び伸びになるのはよろしくないという雰囲気がすごく高まっていた時期に子どもにから言われた愚痴じみたものでした。

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