
『スカイキャッスル』~日本版と韓国版を比較して気になった3点~
こんにちは。カブトムシの母です。
先週、日本版『スカイキャッスル』が最終回を迎えました。
韓国版(約40分×36話)と比べると、半分以下の長さ(約50分×9話)だったのであっという間でした。
日本版は日本版で面白かったのですが、韓国版と比較して、ちょっと気になった点についてまとめてみました。
日本版は圧倒的に時間が短いので、全く同じにできないのは当たり前。
設定変更も承知の上なのですが、「そこ、省略なんだ…」「え?そこ、設定、変えちゃうんだ…」と残念に思ったところもありました。
日本版で十分満足している方は、ここから先は読まないでください。
ここからはネタバレあり。
※( )は日本版の俳優さんの名前
1.万引きを許容!?
本筋とは関係ないので、カットも当然かもしれませんが、私が韓国版で最も衝撃を受けたのは、ソジン(松下奈緒)の次女が、ストレスから万引きをしてしまう場面。
スイム(木村文乃)が見つけて注意するのは同じだけれど、韓国版では、ソジンが万引きについて、怒るどころか、コンビニの店長に事前に大金を渡し、万引きを許容するように頼んでいました。
これには、びっくり😲!
スイムに知られて批判されても、万引きで娘のストレスが解消できるならと、全く反省しないソジン。
それは、いくらなんでも親としてどうなの!?
…と恐らく、日本版製作陣も思ったからカットしたのかな?
コンプラや規範にうるさい日本では、流せなかったシーン?
カットの判断は間違ってないと思うけれど、衝撃度合いが下がって、マイルドになったかも?
2.他の家族のストーリー
時間の都合で描かれなかったのは無理もないですが、他の家族のストーリーも面白いのにな~と、ちょっと残念に思いました。
韓国版で、私が気に入っていたのは、ウ・ヤンウ(本多力)とチン・ジニ(高橋メアリージュン)の一家。
ジニの口癖、「ネマリ、ネマリ~(その通り、その通り)」はツボでした。
単純で裏表のないジニの家庭は、ママ大好きのマザコン息子と、ケンカをしながらも妻ラブな夫がいて、なんだかんだいって家族円満。
ドロドロした重苦しいストーリーの中で、この一家が出てくると、しばしホッとできる貴重な存在でした。
日本版では、そのほっこり場面が丸々カットだったので、残念でした。
また、チャ・ミニョク(鈴木浩一)とノ・スンへ(比嘉愛未)の一家のストーリーももっと見たかったです。
日本版では一人息子でしたが、韓国版では双子の男の子とお姉さん(このお姉さんも曲者!)の3人姉弟。
大筋は日本版も変わらないけれど、韓国版ではミニョクが本当に嫌なヤツで、見ているだけでイライラ😖
それが妻と子に出て行かれてから改心するまで丁寧に描かれていて見応えがありました。
人ってそんなに変わる?というほどの変わりよう。
最後は、お姉さんと踊ったり料理したり、いいパパに。
イライラの蓄積があったからこそ、この変貌ぶりが最高!!
穏やかながら、芯のあるノ・スンへもステキでした✨
3.先生も教育虐待の被害者⁉
私が「え?」と思ったのは、コーディネーター(小雪)自身が、かつて教育虐待を受けており、母親に復讐していた(母親は自殺を図り、障害を負って施設に入っている)という設定。
韓国版では、障害者になってしまったのは、娘。
自身がキャリアで成功できなかったことから、娘に行き過ぎた英才教育をほどこしてしまう先生。
見かねた夫からなじられ、離婚をつきつけられ、その夫を殺そうと細工した車に娘が乗っており事故に…。
と、日本版とは全く逆の設定。
まあ、時間の関係で、「自分もかつて教育虐待を受けていたので、同じように子どもを苦しめている母親を破滅させようとする受験コーディネーター」という単純な設定になってしまったのは理解できなくもないですが…。
韓国版では、障害を負った娘の元に通うキム先生(小雪)のシーンが何度か出てきて、冷酷なキム先生の苦悩する母親の顔が垣間見られます。
そして、警察に追われて観念したキム先生は、手作りの毒入りカレーを娘と食べて心中を図ろうとするも、最後の最後で踏みとどまり…
日本版では、小雪があっさり逮捕され、めでたし、めでたし
という感じでしたが、韓国版では、逮捕されたキム先生(小雪)にソジン(松下奈緒)が接見に行き、「私とあなたは全く同じ」「ヘナ(田牧そら)を殺したのは私とあなた」と言い放たれます。
(日本版では、未久が死んだのは、秘書ともみあったはずみの過失致死のように描かれていましたが、韓国版では、最初から殺害を目的としていました。犯人は秘書ではなく警備員?)
また、キム先生が逮捕された後、娘を助けたのはイ・スイム(木村文乃)で、娘を連れて刑務所に接見に来る場面も描かれていました(障害を負った娘役の演技が上手い)。
まとめ
日本版もよかったですが、韓国版と比較してしまうと、時間が足りない分、物足りなさはありました。
韓国ドラマは日本ドラマに慣れていると、「ちょっと長いな~」と思うこともありますが、主人公以外の人物たちのドラマも丁寧に描かれていたり、中途半端なところで終わらず「その後のストーリー」もしっかり描かれているところがいいなと思います。
『スカイキャッスル』でも、キム先生逮捕からの「その後」のストーリーが、これでもかというほど丁寧に描かれていました。
最後は、学歴至上主義だった毒親たちの価値観が変わり、素晴らしい親となって、子ども達もそれぞれハッピーに。
そのあまりのハッピーエンドぶりは、あれだけの悲劇が嘘のようで、こんなに幸せでいいの?亡くなった人達のことはもういいの?と戸惑うほど。
まあ、それはそれで、スッキリではあるけれど…。
日本版『スカイキャッスル』を楽しんだ方も、機会があれば、ぜひ、韓国版も見てみてください。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
