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今一番ハマっているアニメ『チ。―地球の運動について―』~規範を疑え!~

こんにちは。カブトムシの母です。

今日は、前から書きたいと思っていた『チ。―地球の運動について―』について書きたいと思います。

↑ NHKで放送中


2022年に手塚治虫文学賞のマンガ大賞にも選ばれ、既に多くの方が記事も書いていらっしゃるので、今さらな感じですが、やっぱり書きたい。

このアニメはすごい✨!!

見始めたきっかけはNetflixの「おすすめ」で流れてきたこと。
『チ。』ってなんか変わったタイトルだな~と、何の先入観もなく、何の気なしに見始めたら、これがメチャクチャ面白かった!

ストーリーは一言で言うと、15世紀のヨーロッパ某国を舞台に、天動説が信じられていた世界で、真理を追い求め、地動説を探求する人々の物語

…というと、真面目な科学アニメみたいですが、「チ。」の意味は「地」「知」、そして「血」。

教会が説く天動説に異を唱えたりしたら、「異端」とみなされ、拷問の末、処刑されてしまうというのだから命がけ。

その「血」=拷問を担当するのが異端審問官のノヴァク、声優は私が好きな津田健次郎さん

ツダケンさんが一見穏やかで優しそうな口調で、残酷な拷問道具を出してくるシーンは、見ているこっちまで痛みや恐怖を想像して「ひぃ~~」となってしまい、20数分のストーリーを見た後で肩こりがひどくなるように感じます。

(『西園寺さんは家事をしない』で松本若菜さんに片思いしていたツダケンさんはどこへ行った!?)

拷問シーン、怖い、辛い!早送りしたい!
でも何秒すればいいのかわからない!!
ので、結局、見てしまうのですが…。

しかし、そんな拷問や死刑になることを知りながらも、真理を追究せずにはいられない、そんな人々がこのアニメの主人公たち。

そういう命がけで真理を追究する人々がいたからこそ、今、地球は丸くて動いていることを誰もが知るところとなったんだなあと思うと、本当に感慨深いです。

(ストーリーはフィクションですが、地動説が異端とされていたのは史実。)

拷問シーンは嫌だけど、このシーンがあるからこそ、緊迫感があり、主人公たちが真理を求める姿が、より素晴らしく尊く感じられます✨

主人公は一人ではなく、時間を超えて「地動説」を介して、つながっていきます。

てっきり一人目のラファウがずっと主人公だと思っていたので3話で退場してしまい「え!?」と驚きました。

現在13話。

最新話では、ついに第2部の主人公だったオクジーとバデーニが捕らえられ、ツダケン(ノヴァク)の登場。

拷問の前に、ノヴァクがオクジーと対話する場面。
異端のことが理解できないというノヴァク。
地獄に落ちるとわかっているのに、なぜなのかと問います。
それに対して、自由に憧れたというオクジー。

ノヴァク:規範がなければ獣と変わらないじゃないか。
オクジー:ええ、そうなのかもしれませんが、今ある規範を疑えないなら、それも獣とたいして変わらない。

『チ。ー地球の運動についてー』13話より

「今ある規範を疑えないなら、獣と変わらない。」

これは、現代を生きる私達にも言えることではないでしょうか。

こんな知的なセリフを言うオクジーも最初は字も読めない無学な代闘士でした。

それが、成り行きで地動説の研究を手伝うようになってから、知的好奇心が芽生えてきます。

私が一番好きなシーンは、

「文字が読めるってどんな感じなんですか。」とオクジーが共に地動説の研究を行っていたヨレンタに聞くシーン。

ヨレンタ:
教会の信徒としてこんな表現を気軽に使っちゃいけないことは分かってます。
でも、その表現以外で表せないから言いますけど…文字はまるで奇蹟ですよ。
(中略)
本当に文字はすごいんです。あれが使えると時間と場所を超越できる。
200年前の情報に涙が流れることも。
1000年前のウワサ話で笑うこともある。
そんなの信じられますか。
私達の人生はどうしようもなくこの時代に閉じ込められている。
だけど、文字を読むときだけはかつていた偉人たちが私に向かって口を開いてくれる。
その一瞬、この時代から抜け出せる。
文字になった思考はこの世に残ってずっと未来の誰かを動かすことだってある。
そんなのまるで奇蹟じゃないですか。

『チ。ー地球の運動についてー』9話より

このシーンは、胸が熱くなりました。

優れた頭脳を持ちながら、女性というだけで研究者として全く認めてもらえないヨレンタ。
彼女が言うセリフだからこそ、その言葉にも重みがあります。

そして、彼女のこの言葉をきっかけに読み書きを習い始めたオクジー。
さらには本まで執筆してしまいます。

(彼が成長していく様をもっと見ていたかった😭)

こんな知的で刺さるセリフが随所にちりばめられているのも、このアニメが大人にも支持される理由かなと思います。

真理とは…

このアニメを見ていると、もしかして、現代に生きる私達が当たり前だと思っていることも、実はとんでもなく間違っていたりする可能性があるのではないかと思えてきます。

未来の人からしたら「信じられないことだが、21世紀の人間たちは、〇〇のことをこんなふうに考えていた」なんてことがあるかもしれない。

あるいは、現在のところ不明とされていることが、解明されたり?

例えば、死後の世界のこととか、宇宙の神秘のこととか…

なんて、考え始めると、天動説を信じ地動説を迫害していた中世の人々をバカにすることはできない気がします。


いろいろと考え始めると止まらない『チ。―地球の運動について―』

まだ見ていらっしゃらない方がいたらおすすめです。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。


おまけ

3月から日本科学未来館で特別展があるそうです!
これはぜひ、行きたい😆

↑ Kindleなら無料で読めるみたいです!

↑ マイナビのランキングでは1位✨



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カブトムシの母
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