クラロワリーグ世界一決定戦 2023 | 現地観戦レポート DAY 1。初日に大会を去ったまさかの選手
おつかれさまです、kabutomです。
2023年11月24日~26日の3日間、フィンランドはヘルシンキの地で『クラロワリーグ世界一決定戦2023』が開催されました。筆者は幸運にも現地にご招待いただき、生まれて初めてクラロワの世界大会を生で観戦することができました。おくればせながら今回のnoteでは、現地観戦の感想や、YouTube配信アーカイブの内容なども交えつつ、試合結果をレポートしていきます。
まずは、DAY 1編!
CRL世界一決定戦2023とは?
『クラロワリーグ世界一決定戦 2023』とは、『クラッシュ・ロワイヤル』(クラロワ)の公式eスポーツリーグ『クラロワリーグ』で年に一度だけ開催される公式世界大会のことです。
2018年から2020年はプロチーム同士のクローズドなリーグ戦として、2021年からはオープン参加の個人戦として、その年の世界チャンピオンを決定してきました。
ルール
CRL世界一決定戦2023の基本的なルールはこうなっています。
ダブルエリミネーション方式トーナメント(敗者復活)
決勝で敗者ブラケットサイドが勝利した場合、リセットマッチを実施
デュエル方式BO3(2本先取)※デッキ変更時間2分
賞金
CRL世界一決定戦2023の賞金総額は$900,000(約1.3億円)、優勝賞金は$250,000(約3600万円)です。
出場選手
CRL世界一決定戦2023の出場選手は、今年の厳しい予選を勝ち抜いたこの16人です。
■ CRLマンスリー大会の勝者7名(ゴールドチケット)
Mohamed Light(3月優勝・エジプト)
PANDORA(4月準優勝・日本)
Pedro(5月準優勝・ブラジル)
むぎ(6月準優勝・日本)
Ardentoas(7月優勝・メキシコ)
Samuel Bassotto(8月優勝・ブラジル)
Vitor75(9月準優勝・ポルトガル)
■ CRLポイントランキングの上位7名
Faust(ドイツ)
Morten(ドイツ)
Sosaa(ドイツ)
adriel(ドミニカ共和国)
RUBEN(スペイン)
Wallace(ブラジル)
airsurfer(アメリカ合衆国)
■ 中国独自予選(CRCC)の勝者2名
Higher(中国)
Not afRaid(中国)
DAY 1(2023年11月24日)
試合会場のMESSUKESKUS(ヘルシンキ・コンベンションセンター)は2年連続で世界大会の会場になりましたが、その特設セットは1年前とは全くの別物でした。
昨年はオンラインで観戦していたので詳細までは分かりませんが、Clashの世界観をそのまま再現したかのような牧歌的なイメージのセットでした。それが今年は近未来的でSFチックな、これまでにまったくなかったテイストのセットが具現化されていました。映画で言えば『トロン』みたいな?
座席数をざっくりカウントすると、10x9の箱が4つに最前列やモニター観戦席を合わせてMAXで約500席ほど。ほかのesportsタイトルの世界大会と比べるとこじんまりしている感もありますが、雰囲気と完成度は抜群です。
この同じ会場で、現地時間で10:00から『クラクラ』の世界選手権が、16:00から『クラロワ』の世界一決定戦がおこなわれます。チケット購入者は両方観ても良いし、どちらかだけ観ても良いし、席固定なしの出入り自由です。
チケット(リストバンド)確認はとても厳重でしたが嫌な感じはなく、むしろ安心してイベントを楽しめる環境にしてくれてるのだという安心感がありました。配信に映らない製作や会場運営のスタッフの数が予想以上に多かったのも驚きでしたね。表に出ない大勢の専門家あっての世界大会なのです。
◇
こちとら日本からはるばる13時間以上のフライトを経てフィンランドに来ている時点で既に”異世界”なのですが、そこに加えてClash系で見たこともないSF風な”異世界”に足を踏み入れてしまった結果、リアルと架空の線引きがあっけなくあやふやになってしまいました。ここはどこ、わたしはだれ?
そんな二重三重の”異世界”にもまれた足のおぼつかない浮遊感のまま、大会が幕を開けます。
Match 1. airsurfer vs Mohamed Light
1日目第1試合は、Mohamed Light(第1シード・3月マンスリー大会勝者)とairsurfer(第16シード・CRLポイントランキング7位)の対戦。開幕戦からいきなり”絶対的王者”の登場です。最もシード差のある対戦カードではありますが、共に3年連続の公式世界大会。決して格差マッチではありません。
ここ数年圧倒的な実績を積み上げてきたMohamed Lightの名を知らぬ者はクラロワ界にいませんし、この会場にもいません。堂々と入場する彼を迎える歓声は全選手中1、2の大きさでした。対するarisurferもさすがの大ベテラン、緊張するそぶりもなく飄々としたたたずまいです。
今大会のカギとなるのが、マンスリー大会には無かったデッキ変更タイムの2分間。プレイヤーは誰ともコミュニケーションを取ることが許されず、舞台上からも去れず、持ち込めるのは1枚の紙だけです。
第1ゲームを落としたMohamed Lightですが、微笑を浮かべながらデッキを組むさまには王者の余裕が感じられました。しかし、ふたを開けた第2ゲームは第1ゲーム以上のデッキ負け。開幕戦から大番狂わせです、勝者airsurfer! いや、これは airsurferサイドを讃えるべきでしょう。
----airsufer、今、会場の声が聞こえますか?あなたは世界に衝撃を与えました。 開幕戦でチャンピオンを破った気分はどうですか?
airsufer:最高の気分です。今までの試合で一番緊張しました。
----明らかにそうは見えませんでした。この試合についてブースで話しているのを聞いたと思いますが、今日のモンクの第2ゲームは、ほかの選手たちよりもチャンピオンに重きを置いていましたね。それについて教えてください。
airsufer:そうですね、アナリストのAllanのおかげです。第1ゲームでは素晴らしいデッキを用意してくれたし、第2ゲームも彼がセットアップしてくれました。
----驚異的にうまくいったよ!さあ、戻って次の試合の準備をしてください。みなさん、airsuferに拍手を!
Match 2. SK Faust vs Higher
1日目第2試合は、Higher(第8シード・中国予選1位)とSK Faust(第9シード・CRLポイントランキング1位)の対戦。中国は伝統的なクラロワ強国の1つですが、現在グローバルとは別のサーバで運営されており、今年の予選も独自に行われた経緯があります。彼らの”時価”は未知数です。
試合序盤、配信では選手情報が映らず、会場では試合画面が映らず、トラブル含みの立ち上がり。これも年に1度の世界大会の一部というやつです。
注目のHigherは、案の定と言うべきかデッキが独特。第2ゲームでは迫撃砲とバーバリアンでバーバリアンを進化させたり、第3ゲームではロケット砲士と親衛隊で親衛隊を進化させたりと、自身の情報量の少なさを逆手にとって老獪に立ち回っていました。
3ゲーム終わってお立ち台に立っていたのは、Higher。会場の大方の予想に反した結果のはずですが、ブーイングではなく「意外だけど面白かった!」の歓声や拍手が飛びます(この空気は好きだ)。開幕から2試合続けての波乱に、会場のざわつきもなかなか引いていかない様子でした。
----クラロワリーグにおかえりなさい、Higher。ここで君に会えて嬉しいよ。最初の質問ですが、あなたはこの大舞台で、かつての2vs2のパートナーでありチームメイトだったSolomanが中国語で解説する中、大きな勝利を収めました。彼が解説してくれる中で勝つのは特別な気分ですか?
Higher:そうですね、元チームメイトのSolomanや他の先生たちも来てくれていますからね。昨日はたくさん練習をしたし、いいアドバイスももらいました。だから、みんなに感謝したいです。
----それは素晴らしいことですね。CRLであなたを見るのは久しぶりです。ファンの中には、あなたにCRLプレイヤーと同じレベルがあるのかと疑問を持つ人もいました。あなたが昔のHigherと同じレベルかどうか疑問に思っていたクラロワリーグの視聴者に、何と言いたいですか?
Higher:そうですね。ベストを尽くせばすべてうまくいきます。
----ええ、今のところ最高ですね。Higherにもう一度大きな拍手を!
Match 3. adriel vs Mugi
1日目第3試合は、日本のむぎ(第4シード・6月マンスリー大会勝者)とドミニカのadriel(第13シード・CRLポイントランキング4位)の対戦。世界にその名を知られた一昨年2021年の世界チャンピオンと、玄人筋からその実力を高く評価されているニューカマーのマッチアップです。
試合会場にアジアからの観戦客はおそらく1割もいませんが、それでもむぎへの歓声はトップクラス。同じ都市同じ会場で開催された昨年を知る人は、去年はもっとアウェイ感があったと語ります。彼の活動実績が世界に認められた証なのか、今年の観客に恵まれたからなのか、その両方か。
第1ゲームを進化アーチャーの絶妙な配置でタイブレーク勝ちしたむぎは、つづく第2ゲームも冷静な試合運びで連続タイブレーク勝ち。第2ゲームのタワーHP差はわずか38HP! この日の3本指に入る大接戦を制して、勝者はむぎ。右手での小さなガッツポーズも添えて。
----すごく熱い試合でしたけれども、第2試合の最後の部分は緊張していましたか?それとも平気な感じで試合できましたか?
むぎ:最初のゲームからすごい緊張してたんですけど、なんとか乗り越えました。
----2021年に世界チャンピオンになったとき、フィンランドの建物にむぎさんの顔が上映されましたけれども、今優勝できたら日本や世界のどの建物に上映されたいですか?
むぎ:いやもう、また同じSupercellの本社に(上映)させてもらえたら光栄です。
----質問は以上です。信じられないようなプレーをしたむぎさんに拍手を!
Match 4. Sosaa vs Ardentoas
1日目第4試合は、Ardentoas(第5シード・7月マンスリー大会勝者)とSosaa(第12シード・CRLポイントランキング3位)の対戦。Ardentoasは2年連続2度目の公式世界大会ですが、昨年は1-2、0-2の2連敗で初日敗退した悔しさがあります。Sosaaは初出場です。
今大会の公式配信と会場のMCを務めるのは英語の公式キャスター4人組。Rich SlatonとAndrew Ghaiの定番コンビに、Joshua "ah craaap" SharonとJackson "JuicyJ" Wahlの若き元プロ2人です。彼ら4人が入れ代わり立ち代わり実況・MC・インタビュアーをこなしていくフォーメーションでした。
Ardentoasの呼び出しで思いっきり全力で「Sooosaaaaa!」と叫んでしまったah craaapが、次のSosaaのときに満面の笑顔でごまかしきるシーンもありはしましたが、これもご愛嬌。毎回じゃ困りますけどね。
試合は2-0でArdentoasの勝ち。昨年の悔しさをバネに努力を重ねた末に結果をつかんだ彼の顔は、実に晴れ晴れとしていました。最前列で立ち上がって怒声に近い歓声を届けるメキシコ応援団ときたら、人数はともかく熱量で、きっと今大会のNo.1!
----まず最初に、ライブの舞台で初勝利を挙げた感想を聞かせてください。
Ardentoas:いろんな思いがあって、試行錯誤して、やっとここにたどり着きました。最高です。
----そして2つめに、ライブの舞台で1つ勝った今、何度でも勝てる自信はありますか?
Ardentoas:もちろんです。また挑戦して、自分を証明する準備はできています。自分のベストを尽くして、本当に一生懸命頑張ります。
----まさに私たちが聞きたかったことをお聞きできました。放送席のRichとAndrew、感想を聞かせてください。
Match 5. TRB Wallace vs PANDORA
1日目第5試合は、日本のPANDORA(第2シード・4月マンスリー大会勝者)とTRB Wallace(第15シード・CRLポイントランキング6位)の対戦。今回が3年連続3度目の公式世界大会となるPANDORAですが、過去2度はいずれも初戦で敗退しています。対するWallaceはチーム戦時代のCRLを知るベテランにして、こちらも3度目の世界大会。名門Tribe Gamingの看板も背負うプライドも決して軽くありません。
両者ともに緊張感をただよわせる立ち上がりになるも、2週目バルーンを刺されて第1ゲームを落としたPANDORAの方が先に立ち直った感アリ。いや、開き直れたと言うべきか? 第2ゲームは、タワー・スパーキー・ポンプを巻き込む値千金のライトニングを繰り出したり、相手のファイボミスを突いたりの落ち着いたプレイで取り返します。
1-1に戻して迎えた第3ゲームにPANDORAが選んだのは、「自分の好きなカード」と認めるラムライダー。これを見た時点で筆者の涙腺は既に怪しい。そして、マザネク採用がまた相手の小物系にドンピシャで刺さりました。勝者PANDORA! あの右手のガッツポーズには3年間が詰まっています。
----勝利おめでとうございます。1つめの質問です。相手のWallaceは第1試合、第2試合のときに緊張から色々なミスをしてしまったと思いますが、これにどうやってつけこみましたか?
PANDORA:えっと、自分はミスをしないように。しっかりいつも通りのプレイができて良かったと思います。
----2つめの質問です。第2試合のときにマザーネクロマンサーが本当に役に立ったと思うんですけど、どうしてこのカードを選んだのですか?
PANDORA:相手がファイアボールを使っていたので、マザーネクロが活きると思いました。
----まさにそれがデュエル形式の特徴で、対戦相手が使っているカードに注意を払い、適応していかなければならないのです。放送席にお返しします。
Match 6. Not afRaid vs Vitor75
1日目第6試合は、Vitor75(第7シード・9月マンスリー大会勝者)とNot afRaid(第10シード・中国予選2位)の対戦。チーム戦時代のCRLもふくめて4年連続4度目の公式世界大会となる実力者と、情報量ほぼゼロで完全なる未知数のニューフェイスというあまりにも対照的な2人のマッチングです。
会場は、Match 2以上の「お手並み拝見」といった雰囲気。中国勢と言えばNova Esportsが大応援団を組んで横断幕をたなびかせ、「加油(ジャーヨウ)!」の大合唱で空気を作ったのはもはや昔の光景。ブーイングやヤジこそないものの、声援もかぼそく妙に静かな観客席にお尻がムズムズします。
試合は、Vitor75が貫禄の2-0勝利。
いやでもどうして、第1ゲームのディガポイ・ミラーマッチは好試合でしたし、Not afRaidの力量が垣間見える接戦になりました。この一番を取れなかったことで、落胆が顔に出ちゃったり、次の試合に影響しちゃったところはさすがに若さですが、それを人は伸びしろと呼びます。
----Vitor、最初の試合では本当にすべてのディガーを予測して捕まえて勝つことができたように見えました。あのようなことができる直感を持つには、どれくらいの練習量が必要なのでしょうか?
Vitor75:迫撃砲は通常、ディガーを相手にしてプレイするのに向いています。迫撃砲を使うとき、相手はたいていディガーをタワーの外側に配置します。迫撃砲はディガーにターゲットをとりますから。僕はそれを計算に入れて、ディガーを予測したんです。
----ワオ、つまり、ディガーの行き先をコントロールするために他のカードを1枚使うというのは素晴らしいね。第2試合では、限界突破アーチャーが勝敗を分けたように見えたけど、限界突破アーチャーをどう使うか、ゴブジャイアントでプッシュするタイミングをどう決めるか、教えてくれる?
Vitor75:ええ、限界突破アーチャーをテスラに対して自陣の真ん中に置くのは本当にいいですし、後ろからセパレートさせて、相手に呪文を使わせるのもいいです。テスラには彼女たちを倒す手段がないですからね。
----美しい!放送席にお返しします。
Match 7. RUBEN vs Pedro
1日目第7試合は、Pedro(第3シード・5月マンスリー大会勝者)とRUBEN(第14シード・CRLポイントランキング5位)の対戦。片や今年2023年に世界の競技シーンで頭角を現した”新人王”。片やチーム戦最終年2020年のCRLでTeam Quesoを世界一に導いた”MVP”。同じプロチームSKCalalas(CAL)に所属する2人の注目すべき新旧対決です。
第1ゲーム、ファーストアタックから様子見せずに猛攻を仕掛けて約1000ダメージを稼ぐあたり、流石RUBEN。このまま迫撃ディガーのミラーマッチを競り勝ちます。しかし、Pedroも第2ゲームで親衛隊ホグへのカウンターとなるスケルトンキング+フェニックスでタワーを倒して先制。復活したフェニックスには思わず、「ハッピーバースデー!」(byラッシュ)。最後は角出し進化ロイジャイで決めて勝負はタイに。
勝負のかかった第3ゲーム、RUBENのスパーキーがテスラでなくタワーにターゲットしてしまい「oops!」とスタンプするシーンがありつつも、クエイクホグで徐々にダメージ差を広げたPedroが勝ち切りました。表情豊かににこやかに勝負を楽しんでプレイするこの男、本当にルーキーか?
----息もつけない非常識なまでのBO3でしたし、試合はどれも信じられないくらい接戦でした。第1ゲームと第2ゲームの後、どうやって神経を落ち着かせ、第3ゲームで勝利することができたのですか?
Pedro:第1ゲームは、初めての世界一決定戦なので、自分を信じてプレーしました。少し緊張したけど、いい感じでした。
----ええ、最初の試合はとてもとてもタフなものでした。元世界チャンピオンを倒したばかりですが、初日から勝ち残って強い気持ちを保つのはどんな気分ですか?
Pedro:元世界チャンピオンに勝つなんて信じられない気持ちです。この気持ちを説明することはできません。
----よく分かりました。それでは、勝者ブラケットに残っているPedroにもう1度拍手を。キャスター陣にお返しします。
Match 8. SK Morten vs Samuel Bassotto
1日目第8試合は、Samuel Bassotto(第6シード・8月マンスリー大会勝者)とSK Morten(第11シード・CRLポイントランキング2位)の対戦。昨年の世界一決定戦の3位と2位の再戦です。あのときはMortenが勝ちました。
勝者ブラケット・ラウンド1の最終戦は、世界的ビッグネームの直接対決となってしまいました。これを1回戦にしてしまうなんて、あまりにもったいない!
1回戦全8試合の中で最も大きい歓声が寄せられたのはこの試合でしたが、それはそれだけ”分かっている”ファンがこの場に駆けつけた証でしょう。
第1ゲームは、どちらかが1本タワーを折れば勝負の決まる延長戦に同時タワ落としで1-1になり勝負が続行されるというめったに見れない劇的展開に!百戦錬磨の2選手も、こればかりは笑みを隠し切れません。
このビッグマッチを取ったMortenが勝利に大きく近づいたかに思えましたが、試合内容自体は悪くなかったSamuel Bassottoが冷静さを失わず1-1のタイに戻します。第3ゲームは意外にもワンサイドになりました。
勝者はSamuel Bassotto。敗者ブラケットに回ったMortenの次戦の相手はRUBENです。これまたすごいマッチアップ!
----まずは観客の声援を聞いてみよう。第1試合は本当にクレイジーでした。 サム、世界一決定戦のラスト1秒で2つのタワーが落ちるという状況を我々は聞いたことがない。延長戦になったとき、あなたの頭の中はどうなっていましたか?
Samuel Bassotto:あの時はただ素早くサイクルを回そうとしていたけど、あまりうまくいかなかった。でも、それは彼(Morten)にとっても同じだった。
----まあ、最終的にはうまくいったわけですけどね。明日は、今日一日待たされたPedroとの対戦です。彼との対戦についてどう思いますか?
Samuel Bassotto:いい気分です。彼はMorten同様、僕の親友なんです。彼も本当にいいプレーをする。今日のようにベストを尽くしたいです。
----あらためておめでとう、サム。本当に素晴らしかった。放送席にお返しします。
Match 9. SK Faust vs Mohamed Light
1日目第9試合は、arisurferに敗れた”王者” Mohamed LightとHigherに敗れたSK Faustの対戦。ここから先は敗者ブラケット。負けたら終わりの闘いが続きます。
本日2度目の登場となる選手たちの入場演出はシンプルになり、2選手が同時に入ってくるスタイルに変更されました。それにしても、座席に響くテーマソングの重低音が癖になってきました!
試合は、スイッチの入ったMohamed Lightの独壇場! 2-0勝利という結果も内容の圧倒度も、まさしく僕らがよく知る”王”そのものでした。
一方のFaustは不完全燃焼のまま初の世界大会を去ることになりました。1年を通してコンスタントに好成績を出しつづけ、マンスリー決勝(月間ベスト8)に4度顔を出しつつも最後の闘いに勝ち切れなかった彼。足りないラストピースを探す旅はまだ終わりません。
----まず私たちが話さなければならないのは、昨年も同じようなことがあったということです。あなたは初戦に敗れ、落ち着き始めると全ての試合に勝った。また同じことが起こるのでしょうか?去年と比べてどこか違う点はありますか?
Mohamed Light:まあ、初戦で負けた後、特に去年と同じように0-2負けだったので、去年と同じようにできればと思っています。もちろん、敗者復活戦を勝ち進むつもりだけれど、初戦で負けるのはいつだってつらいです。メンタルがしばらく落ちるし、初日にもう一度プレイする必要がありますから。だから、すぐリセットして、自分の考え方やデッキピックをもう一度考え直したんです。
----オーケー、オーケー、オーケー。1セット目から2セット目にかけてあなたがどう感じたのかも知りたいです。2セット目に向けて何を改善したのでしょうか?
Mohamed Light:はい、第1セットでの僕のデッキピックについて、コーチのJesusと少し話し合ったんです。彼からいくつか指摘されたことがあって、それに気を付けたことがこのセットでは功を奏したようです。それが大きな違いだったと思います。
----オーケー、オーケー、オーケー。改めておめでとうございます。そして、この大会であなたがどんなプレイを見せてくれるか楽しみで仕方ありません。レッツゴー、MO!
Match 10. Sosaa vs adriel
1日目第10試合は、Ardentoasに敗れたSosaaとむぎに敗れたadrielの対戦。ルーキー同士のマッチアップになりましたが、緊張感は先ほどの試合で薄らいでいるでしょうか。
この時点でDAY 1の開幕から約3時間半が経過。観客は適宜トイレに行ったり、お菓子やドリンクを買ってきたりしてはいますが、集中力が切れつつある時間帯です。僕自身もMatch8と9の間にトイレにダッシュしてきました。こういう観客の空気感が見えるのも会場観戦ならでは、興味深いです。
試合は、第2ゲームでSosaaの猛烈な追い上げからの逆転劇こそあったものの、3つのゲームを通じてペースを握り続けたadrielが2-1で勝利しました。
なお、2人のプレイはいつも通りの切れ味で、もはやそこに世界大会への過度な緊張感は見られませんでした。この特殊な環境でのバトルに1試合で適応できてしまう彼らは、やはり只者ではないのです。
----よし、行こう。オーケー、3試合目のバルーンの件です。なぜバルーンを3試合目に使ったのですか?
adriel:最初はカードが足りないと思ったんです。でも、カードが足りないなら、バルーンを使おうと思ったんです。
----オーケー、オーケー。ラウンド1の敗戦からはどのように立ち直りましたか?自分にどう言い聞かせましたか?
adriel:正直に言うと、負けたことについてはあまり考えませんでした。自分のベストを尽くすことに集中していました。
----オーケー。今日の2試合目に勝ち、明日につながりました。次の試合に向けて興奮していますか、それとも緊張していますか?
adriel:正直なところ、とても興奮しています。というのも、Mohamedと対戦するんですから。 全力を尽くすつもりです。
----そうですね。相手が誰であろうと、選手ならばいつだって全力を尽くさなくてはなりません! キャスターにお返しします。
Match 11. Not afRaid vs TRB Wallace
1日目第11試合は、Vitor75に敗れたNot afRaidとPANDORAに敗れたTRB Wallaceの対戦。初戦でミスが目立ってしまった両者がこの短時間でどれだけリカバリーできているでしょうか。
第1ゲームは最後まで分からないタイブレークの接戦になりましたが、ラストのスケラの攻防でWallaceに軍配が上がりました。首を振るNot afRaidは精神面のダメージも大きかったのか、つづく第2ゲームはデッキ相性からプレイからWallaceのワンサイドゲームに。
試合が終わって自らの初勝利を誇示するよりも、まず対戦相手に近づき握手を求め、励ますWallaceの姿。こういうさりげない振る舞いに人間性が出ますよね。一気に好きな選手になりました。
----まず、最初のBO3ではいくつかミスがありましたが、この試合では落ち着いていましたね。この試合のために舞台裏で何か精神的な準備をしたのですか?
Wallace:初戦のPandora戦では緊張していたんですが、この試合ではなんとか気持ちを落ち着けて、よりよいプレーをすることができました。
----それはすごいね。では、もうひとつ質問なのですが、2ゲーム目にあなたはメガナイトを使いましたが、相手がロイヤルホグを使うのを予測して使ったのでしょうか?
Wallace:メガナイトを使ったのは、確かにNot afridが使いそうなサイクルだったからです。(英語の通訳がいるにもかかわらず、英語で答えかけてしまうWallace。はっと気づくも通訳に促されてそのまま続行)
----よく分かりました。彼はクラロワが得意であり、多言語を話すのが得意あると! みなさん、Wallaceに拍手を!
Match 12. SK Morten vs RUBEN
1日目第12試合は、Samuel Bassottoに敗れたSK MortenとPedroに敗れたRUBENの対戦。この日の最終試合にして、またしてもとんでもない試合! Match 8に負けずとも劣らない世界的ビッグネームの直接対決が実現しました。決勝戦じゃないんですよ、みなさん。
この日、2人のいずれかが大会を去らねばなりません。
Match 8と甲乙つけがたい歓声に迎えられた2人の第1ゲームは、ディガー対ディガーで、これまたこの日の3本指に入る大熱戦になりました。互角の攻防がバチバチにぶつかった約5分間の最後は、どっちのポイズンが早いのか、どっちのディガーが早いのかのチキンレース。勝って大きく息をするRUBENとにこやかにほほ笑むMorten。その差はわずか24HPでした。
第2ゲームは僅差ながらMortenがダメージアドバンテージを握る展開に。しかし最終盤、エリクサー3倍モードに入った残り30秒で逆転したRUBENがそのままタイブレークで競り勝ちました。2-0で勝者RUBEN。
試合が終わって表情のないRUBENと負けてなお穏やかなMorten。勝者・敗者の表情が逆に思えますが、達人同士の試合ではえてしてこういうことが起こるものです。これはつまりそういう大試合でした。
----まずお聞きしたいのですが、このような重要な試合を終えて、今どのようなお気持ちですか?
RUBEN:少し動揺していると言わざるを得ません。ほとんど手中に収めた勝利がもう少しで失われるところでしたから。
----初戦はディガー・ポイズンのミラーマッチでした。迫撃砲はそのマッチアップにどのような影響を与えましたか?
RUBEN:はい、互いにとても似たデッキであり、強いデッキでした。迫撃砲はとても強いカードですから、本当に違いを生んだと思います。
----まったくその通りです。お聞きしたいことは以上です。放送席にお返しします。
DAY 1のまとめ
CRL世界一決定戦2023のDAY 1が終わり、あのMortenを含む4人が大会を去ることになりました。最大勢力のドイツ勢が3人とも初日で消えるだなんて、誰が予想できたでしょうか?
敗者ブラケットに落ちてしまった絶対的王者Mohamed Lightですが、彼にとってこの状態は昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わりません。ここから1つも負けないのが”いつも”の流れです。
そして、われらが日本の2選手、むぎとPANDORAはみごと勝者ブラケットに勝ち残りました。
闘いは、波乱含みで明日のDAY 2へ続きます!■
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