配架、どうしてる? ライトノベルの配架編

✳︎司書を悩ます配架について、経験や思いを語るページです。今回はライトノベルの配架について。✳︎


ライトノベルの配架って難しいですよね。

私が考えすぎなのかもしれませんが、学校図書館で勤務していた頃はラノベの配架について情報交換しづらい雰囲気をどこか感じていました。
皆さんどのように配架されていらっしゃるんでしょうか。

学校司書時代を振り返ると、ライトノベルの配架を通じて色々と学ぶ事がありました。
ライトノベルは学校図書館の選書に含めるか含めないか論争の一方で、生徒からのリクエストが多かったりするのが悩み所。つまり配架前の選書の段階から難しい...!

教育現場に相応しいか内容を吟味する中で、購入しようとしていたライトノベルのシリーズ構成が自身の想像よりもはるかに壮大であることに驚くまでが1セット。(ソードアートオンラインとかね)

一体これはどこから買うべきなのか...?今後も継続刊行される場合は配架場所を今後どう確保していくか...?最初の1冊入れたらしばらく継続購入になるだろうし...それで予算が逼迫したら...と学期ごとに選書するタイミングで学校図書館に相応しいラノベ精鋭を選出するために自問自答を繰り返していました。

当時の勤務校には文庫本専用の書架があったので、一般文芸とライトノベルを同じ書架内に共存させる形で一緒に配架していましたが、シリーズが次々刊行されるライトノベルだと一気に書架3段分くらい埋まってしまう事がありました。ラノベによる狭隘ですね。

小さな図書館で書架自体も大きくなかった事もあり、どうしても同じ書架内で同じタイトルの本が幅を占めると他の本が探しにくくなるので、特に人気のあるラノベ作家さんだけで固めた別置コーナーもあったのですが...別置コーナーも想定より早く狭隘になってしまい、次から次へと移動先を組まないと書架をうまく機能させるのが難しかったことを思い出します。

生徒から「西尾維新さんの物語シリーズを順番通りに並べて欲しいんですけど」という配架ダメ出しもありました。近頃は上・下・巻とか1巻とかの番号は振られず、あたかも1話簡潔のように見えて実は読む順が存在している作品があるそうで、生徒のみんなに助けられ西尾維新さんの物語シリーズの順番を明記したポップを作成したのは良い思い出。

面白い作品は順番通り読みたいし、並べたいのは生徒も司書も同じ。そんな生徒とのやり取りを通じて世代を超えて思いを一つにできたようで嬉しくなったことを思い出します。

時代が変われば配架も変わる。学生時代から私もラノベは触れてきたけれど、きっとその当時も配架に何かしらの苦労があったのではないかと思います。

改めて高校生の頃にお世話になった学校司書の方に感謝すると共に、書架は誰かの思い出の1ページを彩る場所になり得るという視点は忘れずにいたいです。

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