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国別ワインショップ フランス支店(店長兼全オーナー:地図上の冒険)
いらっしゃいませ、国別ワインショップへ。
私はショップオーナーの地図上の冒険と申します。
本店である「神は水を作ったが、人はワインを作った」店では世界各国のワインについて記事を投稿しております。
一方、支店では国別にワインを売らせていただいております。
良ければ店内を眺めていってくださいませ。
フランス人にとってのワイン
フランス人にとってワインはどのような存在なのか。
フランスと言うとフランスパンにチーズとワインを思い浮かべる方がいらっしゃることでしょう。多くのフランス人が食事を取る時に、料理とワインまたはチーズとワインの組み合わせを楽しんでいます。
もちろん、フランス人全員が常にこの3つの組み合わせの食事をしているわけではありません。パンをまったく食べないという人にはあまりお目にかかりませんが、チーズの嫌いなフランス人もいれば、ワインをまったく飲まないというフランス人もいます。日本人でもお味噌汁や日本茶を飲まないという人がいるのと同じです。
確かにそうだ。
日本人が毎日寿司を食べているわけではない。
ワインとは関係がないかもしれないが、一つフランスの動画で面白いものを思い出したから引用しよう。
ワイン名言
神は水を作ったが、人はワインを作った。
ー小説家 ビクトル ユーゴ
私は飲みながら考え、考えながら飲む。
ー哲学者 ルネ デカルト
恋人は一瓶のワインであり、女房はワインの瓶である。
ー詩人 シャルル ボードレール
一本のワインのボトルの中には、すべての書物にある以上の哲学が存在する。
真理の発見はワインを飲み過ぎても駄目だが、飲まなくても駄目。
ー生化学者 ルイ パスツール
ワインはいわば食事の知的な部分だ。肉や魚はつまり、その物質的な部分に過ぎない。
ー小説家 アレクサンドル デュマ
ワインこそ高い文化を持った人々の間の共感の、真のそして尊敬すべきシンボルである。
ー小説家ジョルジュ デュアメル
フランスの土地
フランスの土地についてみていこう。
いったいフランスはどのような環境の下でワインづくりが行われているのだろうか。また、ライン川やイル川などフランス国内を流れている川はワイン造りと関連性があるのだろうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1685253240720-irRX6Y5Eg4.jpg)
主にフランスを流れる川はこれらである。
そして、フランスの「ワイン産地を重ね合わせた地図がこちら
![](https://assets.st-note.com/img/1685253449499-Q62GMOU1hP.jpg?width=1200)
フランスワインの歴史
紀元前7,000年~紀元前6,000年頃の古代メソポタミアで、ワイン生産を目的としたブドウ栽培が始まる。
地中海沿岸の諸国、そしてヨーロッパに広がる。
紀元前8世紀に建国されたローマ帝国でワイン生産がさらに栄える。
イエスキリストの影響もあり、キリスト教徒はワイン生産に力を注ぎ始める。
15世紀末以降の大航海時代でワインづくりがさらに拡大。
17世紀末にはガラス瓶とコルク栓が使われるように。長期間の貯蔵・熟成が可能となる。
19世紀後半、ヨーロッパには病虫害がアメリカ大陸から入り、ブドウ畑があれる。接ぎ木により害虫被害を回避。
20世紀前半にはフランスを筆頭にヨーロッパでワイン法が整備。20世紀後半には生産技術が急激に進歩。ワインの品質水準が飛躍。
フランスワイン
フランスでは過去にその産地のワインでないのにその地名をボトルに名乗ったりするワイン、例えば南フランスのブドウを使ってワインを造ったのに、ボトルにはボルドーと表記するというような事をする人々が市場に溢れてしまったため、しっかり法律を作って産地の品質の信頼を取り戻そうとしました。それがAOC法つまり原産地統制呼称法で、改定もありつつ現在に至っています。
これこそが、フランスワインがフランスワインである所以ではないのだろうか。
フランスワインの生産地
フランスワインの主な生産地はボルドー、ブリュゴーニュ、シャンパーニュ、コートデュローヌ、ロワール、アルザス、コートドプロヴァンスがある。
それぞれの地域についてみていこう。
ボルドー
そもそもボルドーとは、フランス南西部に位置する中核的な都市であり、ガロンヌ川に面する港町のボルドー市のことです。川に沿って三日月型の地形となっていることから、「月の港」という別名がついています。
ボルドーという名称はジロンド県の県庁所在地としてよりも、「ボルドーワイン」の名産地として世界的に有名です。産地としてのボルドーは、名前そのものがワインの代名詞として世界最高ランクのブランド価値を持っています。そしてガロンヌ川だけでなく、ジロンド河、ドルドーニュ川の3つの河川に隣接しております。産地としてのボルドーはボルドー市というよりも、むしろ行政区画であるジロンド県と重なります。
古くはガロ・ローマの時代から葡萄の栽培を盛んに行っている地域で、その頃からワインの評価も高かったと言われています。またボルドーは複数の有名な河川が通っている交通の要衝であり、北欧交易の拠点となる港町として発展してきた歴史もあります。
かつて英国領であったボルドーは、その英国との強固な結びつきにより大きく発展してきました。中世の時代よりビスケー湾へ流れる川を通し、豊富なワインが世界中に運び出され、今では世界最上位のワインとして絶対的なブランドとなっています。
ブリュゴーニュ
フランス東部に位置し、北のパリと南のリヨンを結んだ直線上の約半分を占めるブルゴーニュ地方で作られるワイン。北はシャブリ地区、南はボージョレ ヌーヴォーで有名なボージョレ地区まで南北に非常に長い地域です。ブルゴーニュの中でも最高峰の産地と称されるのが、コート・ドール(黄金の丘)。その北に位置するコート・ド・ニュイ地区では生産量の約90%がピノ・ノワールで占められ、世界的に有名な「ロマネ・コンティ」もこのエリアで作られます。南側がコート・ド・ボーヌ地区で、「モンラッシェ」などの白ワインが有名です。
シャンパーニュ
シャンパーニュ地方はフランスの中でも最北のワイン生産地で、パリから北東約140kmの位置にあります。その位置や平坦地であることから、戦場になることが多い土地でもありました。
しかし一方で、9世紀頃からシャンパーニュ地方のワインの人気が高まり、特にランスのワインは王の戴冠式用のワインとして威厳を持っていました。1680年頃に修道士であるドン・ペリニヨンが泡を瓶に閉じ込める製法を確立させ、複数年のリザーヴワインをアッサンブラージュする醸造法も生み出します。1728年に瓶詰めワインの輸送許可が出てからは、世界中で愛される存在となりました。
第一次世界大戦ではシャンパンを熟成させるために地下に掘られた石灰岩のカーヴが人々を守り、その名声を守るため、A.O.C.法が制定されました。その後すぐさまA.O.C.認定したという社会的な背景が評価され、2015年に「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」としてユネスコの世界遺産に登録されています。
コートデュローヌ
コート・デュ・ローヌは、ボルドーに次ぐ生産量を誇る、ローヌ地方のAOCです。地中海につながるローヌ河岸に沿ってワイナリーが軒を連ね、南北に200km続く範囲内で、指定の地域であればAOCを使用できます。
※(AOCとは、Appellation d’Origine Contrôlée『アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレの略称』、フランスで定められた原産地保護の規定です。)
またローヌ地方は南北に分かれており、違う特徴を持っています。北部ではシラー種が多く栽培され、力強いワインが主流。南部ではグルナッシュの栽培量が多く、果実味と甘みを兼ね備えた丸みのあるワインが造られます。南北の違いについては、この後の章で詳しく解説をします。
コート・デュ・ローヌのワインは、コストパフォーマンスにも優れています。お手頃価格で高品質なワインが手に入るため、世界中で飲まれるワインになりました。
コート・デュ・ローヌの歴史は14世紀にまで遡ります。
法王庁がアヴィニョンへの移転を行い、近くにあったローヌ渓谷のワインの生産量が一気に上がりました。それまでは無名のワイン生産地でしたが、移転をきっかけに有名産地への仲間入りをしたのです。
その後はワインの品質を高めていき、現在は世界有数の産地として知られるようになりました。
ロワール
100を超える古城が点在する、フランス最大のロワール川。ロワール地方は、その渓谷沿い約800km以上にわたって、フランス国内第3位の栽培面積を誇る広大なワイン産地です。東西に長いことから、気候や地理、地質的に非常に多様性があります。地域毎のテロワールを活かして、白ワインを中心に、赤、ロゼ、甘口、スパークリングワインなどバラエティ豊かなワインが造られていることが特徴です。
フランスでのナチュラルワイン・ムーブメントの発信地
世界的にナチュラルワインの人気が高まっていますが、ロワール地方は、フランスでのナチュラルワイン・ムーブメントの発信地。1980年代初頭、フランスで初めてビオディナミを導入したのもロワールの生産者と言われ、傑出した自然派の生産者を多数輩出、それに倣って数多くの生産者がナチュラルなワイン造りに取り組んでいます。
アルザス
ランス北東部、ライン河を隔ててドイツの国境と接するアルザス地方は、フランスの中でもユニークなワイン文化を持っている地域。ドイツとスイスとの国境に近いという土地柄、そしてまた、この地で採掘された鉄鉱石や石炭を巡り繰り返されたフランスとドイツによる戦争の歴史的背景によって、さまざまな文化が融合し、食文化においても独自の発展を遂げた街として知られています。
ブドウ畑は北から南に110kmにわたって広がり、さまざまな地層の亀裂が生じた多様な土壌(石灰岩、花崗岩、砂、砂岩など)が形成されています。アルザス地方の西にそびえるヴォージュ山脈が西から流れてくる雲を塞ぎ止めるため、年間雨量が極めて少なく日照量が多い土地柄。また、標高が高いことから昼夜の寒暖差があることも特徴で、十分な酸を備えていながら、果実の熟した味わいと凝縮感のあるワインが造られています。
コートドプロヴァンス
フランス南東部の地中海沿岸に広がるワイン産地プロヴァンス地方は、生産量の約90%がロゼワインというロゼワインの一大産地です。
プロヴァンスワインの全生産量の95%を占めるコート・ド・プロヴァンス、コトー・デクサン・プロヴァンス、コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスの3大A.O.C.を統括するプロヴァンスワイン委員会の統計によれば、三つのA.O.C.のロゼワイン生産量はフランス全体のロゼワインの42%に相当し、世界中で消費されるロゼワインの5%を占めるといいます。
ワイン産地としてのプロヴァンス地方は非常に広大なため、造られるロゼワインにも地域による違いはありますが、一般的にフレッシュな辛口で早飲みタイプが主流。
色合いは淡いサーモンピンク色、香りはピンク・グレープフルーツやチェリーなどフルーティーですっきりとしたものが多いのが特徴です。
では最後にフランス国歌を!