おじいちゃん部|#完成された物語
最近、公民館の予約表に『おじいちゃん部』がよく登場する。
「何かしら、おじいちゃん部って。老人会の男性版?」
公民館の受付を行っている私は、気になってこの「おじいちゃん部」に
来たおじいちゃんに聞いてみた。「何をされているんですか?」
「うん、内容は知らないんだけど、儲け話があるからって道で声を掛けられたんじゃ。」
「ワシも、投資したお金が何倍にもなって返ってくる話があるって聞いたから。」
聞いてる間にも次々におじいちゃんがやってくる。
「それは大丈夫ですか?騙されたりしていないですか?」
「いやいや、真面目そうな青年だったよ。」
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「ちょろいな。何倍にもなるっていう嘘話で初期投資を募るやり方。まだ当分の間は行けるから、セミナーの場所は半年くらい先まで予約してくれ。」
「了解です。場所の予約名はどうします?」
「バカヤロ、さすがに詐欺セミナーって書けないだろ。将棋部の隣におじいちゃん部とでも書いときゃいいんだよ。」
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やっぱりショートショートっぽくない、現実に起こりそうな話を書いてしまいますが、人それぞれということで、宜しくお願いします。