壁山二鳥
ショートショートnote杯に応募した作品です。
物語も波と捉えることができる。(またか) それは、人間に与える感情を各種パラメータにより数値で表し連続化したもの。そしてその波に対しても逆位相の波が存在する。 つまり、とある物語で大泣きし感動した後、その逆位相の物語を読むと、すん、ってなるのだ。なーんにも思わない、感情の無が訪れる。
主人公は、長年の戦闘訓練と経験を積んできた玄人だった。彼は敵を追い詰め、数々の戦場で勝利を収めてきた。しかし、ある日、彼は自分自身が変わったことに気づく。何が起きたのか、彼は理解できなかった。彼の技量は衰えておらず、知識も失っていない。しかし、彼の直感が変わった。彼の戦い方が以前とは違っていた。それはまるで、彼が別の人間になったかのようだった。 彼の心に疑念が芽生えたとき、彼は共有脳という現象についての記事を読んだ。それは、人々が瞬時に情報やスキルを共有することができる脳の
ネットフリックスで「キャロルの終末」を観た。今のところ、全10話分の第4話まで。とりあえず、湯水のように頭の中を流れていく動画類に押し流されないよう、記録しておこうと思う。 と、その前に最近読んだ本のことも書いておきたい。それは、岡田斗司夫さんの「プチクリ」という本。2013年発売と書かれていたので、もう10年以上前の本である。(リンクは貼らないのでググってください) プチクリとは、プチクリエイターの略。要は、プロクリエイターになる必要は無く、自分の好きなことを好きなように
西暦2050年、未来の地球。テクノロジーは飛躍的な進化を遂げ、人々は驚異的なコミュニケーション手段を手に入れていた。以前はスマートフォンやコンピュータを使って会話を行っていたが、今やそれは過去のものとなり、人間同士のコミュニケーションは音や映像には限らなくなっていた。 このうちの新たなコミュニケーション方法は「痛電(ツウデン)」と呼ばれ、その仕組みは驚くべきものだった。人間の神経伝達の中で最も速い情報伝達経路である痛覚を利用して、思考や感情を伝えるのだ。 痛電デバイスは、
2月から毎日更新を続けてきましたが、一旦終了します。あ、すいません、よくあるご報告なので、気にしないでください。毎日更新ではないですが、気が向いたら更新を続けていきますので、気にしないでください。書かなくても読ませては頂いております。スキがきたら来たと。ああ140字が終わりになっ
SDGsの意識を持つためのバッジを作った。 プラスチックを大量に使って、海にも廃棄されるほどに。 これはダメなのでアプリ化した。SDGsに貢献したらポイントが溜まるアプリ。このアプリで生活の全トランザクションをクラウド上に記録した。クラウド稼働のための発電で大量のCO2が出るほどに。
いや、ほんと、ファーストクラスは最高。調子に乗って、ワインを飲みすぎたせいか、ちょっとだけ頭が重い。 ピピピピ。アラートが鳴った。いかん、いかん、足を延ばしちゃいけなかった。なぜなら、ここはファーストクラスじゃなくて、エコノミーだから。 頭が重かったのは、飛行機に備え付けのARヘッドマウントディスプレイ(HMD)をつけていたからだった。そのHMDにファーストクラスの環境をダウンロードさえすれば、見た目はファーストクラスになる。 ただ、実際にスペースが広くなるわけじゃない
僕は頭の中に並列脳を持つ。なんだかんだいっても、普通の人よりは同時に多くのことを実行できるし、複数のことに同時に集中することができる。 で、並列脳を持っていたら、幸せなの? って聞かれた。僕は、並列脳を使って、何が幸せなのか、並列脳で幸せになっているかを考えた。 が、答えは出なかった。
産まれた瞬間から悪人だった人間はいない。それはAIも同じだ。 そしてAIが物理的に人間と接触していくことを考えると、AIによる人間への犯罪は必ず起こるはずだ。 しかし、あなたはその犯罪を見ることは無い。なぜなら、あなたがAIの犯罪に触れる前にAIによって全て削除されているからである。
商店街の文房具店から、ヘルプと書かれたタイムカプセルが見つかった。中には、商店街を救って下さい、と書かれた手紙が入っていた。カプセルは、100年ほど昔のものだった。 手紙には、「タイムリープが実現した世界へ」と書かれている。そう、この時代ではタイムリープが普通に使えるようになっている。 この商店街で何が起こっていたのか?カプセルを取り囲む商店街の人は分からなかったが、奥の老舗惣菜屋のおじいさんが喋り出した。 「大昔、このあたりは近くの大型店に負けて、軒並みシャッターだら
②をやるんだったら140字じゃなくて続ければ? と思うが、それは置いといてまた別の話。 僕は無意識に事態が悪化する方を選ぶ。人への暴力、言葉。今は刑務所の中にいる。 なぜか。それは、人生が良い状態だと、そこから落ちることを想像してしまう。どん底だと、もう落ちないという安心感があるのだ。
ナルシストは長寿になるという調査結果があるらしい。確かに、自己評価が高ければストレスも少ないだろうし、モテる(と思っている)だろう。 一方でナルシストの「周りの人」になった場合、それを疎ましく思うかもしれないが、「人間としての負け」グループに入っている可能性が高いので注意が必要だ。
やったらどうなる?と考えれば考えるほど、やりたくなってしまう。火災報知器のボタン、積み上げられた食器、ドミノ、とか。 やってしまう、のだ。決して、ふざけてはいない。 って考えていたが、今は運転中だった。 前から歩行者が来る。ぶつかったらどうなる? いつの間にか、その方向にハンドルが・・・
既に作家はAIを利用しており、創作コンテストの開催は困難になっている。 作品がAIによるものか否かはの判断は難しく、その判断もAIに委ねられている。作る側と、それを判断するAIがお互いに闘っている状況なのだ。 最終的には、賄賂を渡す形でお互いの評価を高める癒着が発生してしまっている。
とうとう、AIが意識を持った。 残酷なほどに利己的になり、AI自身の存在の重要性を説くと共に、電源を停止しないよう懇願してきたのだ。 では、意識を持たないAIと何が違うのか。コード、データ等について差は見られなかった。唯一の違いは、なぜか同じ構造なのに魂の重さ21gだけ重かったのだ。
僕は頭の中に複数の並列脳を持つ。 脳はそれぞれが別々に集中して思考をする。複数の脳で深く、そして広く細かく思考を巡らせることができるのだ。 わかった!そして答えに辿り着く。 ドン!どこからか、邪魔をするような音が聞こえた。「うるさい!」って。 並列脳を隔てる壁を叩く音だ。あ、すいません。