ジェンダーと教育
https://www.amazon.co.jp/ジェンダーと教育-新編-日本のフェミニズム-天野-正子/dp/4000281437
読んだもの記録
男女平等を前提としているはずの教育がいかに日本の性別役割分業の構築に影響してきたか、ということを複数の研究者が様々な視点から論じている。
男子校での男女平等教育が遅れていること、学校教師のシステム内在的男女不平等、保育の現場での性差別など。
印象に残ってるのは以下
児童中心主義イデオロギーが掲げられていても、保育、教育の現場では性別分離的な処遇や性役割の表明が自然と行われているという。
つまり、保育士や教師自身、男女の区別をせず子ども一人ひとりに合わせた保育や教育を行うべきと考えているにも関わらず、無自覚のうちに自身が掲げる理念と矛盾する形で男女を分離して扱っているということ。
例として保育の現場での「全部食べられたら女の子はピンクのシール、男の子は青のシールを貼ってあげるね」といったやりとり、学校での男女別の整列などが挙げられる。
プロですら無自覚のうちに性役割分業の押し付けをすることになるんだから、親のしつけにも性役割のステレオタイプが反映されるのは当然と言えるのかも。重要なのは、無自覚だということだ。未だに家父長制度の中で女性を文化的社会的に抑圧するしつけを行う家庭もあるのも事実。でもそんな化石のようなおうちは論外として、性役割分業を否定的に考えている場合でも子育ての中で結果として性差別的価値観を植えつけてしまうかもしれない。
「男の子なんだから泣かないよ」「女の子は乱暴な遊びしないよ」とか、普通に聞くもんなあ。かくいう私も4歳の姪っ子が机に足を置いて行儀の悪い振る舞いをしていたとき、つい「女の子はお行儀よくね」と口走ってしまった。ハッ、やばい…と思った瞬間「男の子はいいのー?」と言わせてしまい、すごく後悔した。
焦って、今のは完全に間違い、男も女も関係ない。男の子が、女の子が、と語られることのほとんどは嘘だから気にしちゃいけないとまくしたてたけれど、伝わっただろうか。ジェンダー系の話題に敏感な自分でも、脊髄反射的にこんなレベルの低い発言をしてしまった。恐ろしい。
遅ればせながら、話題の鬼滅の刃を観始めました。