ピアノ曲 真冬の湖(摩周湖)

真冬の湖をイメージしたピアノ独奏の自作曲です。

寒い冬に湖を通る冷たい風、冬其の物のピンと張り詰めた空気などを高音で表現しています。

画像は、日本一の透明度を誇る摩周湖の冬の風景です。北海道東部の弟子屈町(てしかがちょう)に在り、注ぎ込む川も流れ出る川もなく、完全に付近の水流から孤立している珍しい湖です。

注ぎ込む川も流れ出る川もないため、水源は外輪山に降る雨水だと言われていますが、21世紀となった現在も確かなことは分かっていません。

私は、摩周湖が非常に澄んでいることから、地下深いところから湧き出る地下水が源水だと考えています。

摩周湖は日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖を主とした屈斜路カルデラの内側にあります。

その屈斜路カルデラの中で、さらに約7千年前に噴火が起こって出来た新しいカルデラに水が溜まって誕生した湖です。

この為、摩周湖は所謂二重カルデラに相当します。

摩周湖の周囲は約20キロメートルに及び、最深部は約200メートルで、日本国内では20番目に大きな湖になります。

摩周湖は湖に流れ込む河川がないために外部からの土砂流入等がなく、さらに北海道という寒い地域にあるため水温が低く、微生物などが繁殖しない環境にあり、湖水の透明度が保たれています。その為、栄養分が少なく、大正時代に鱒の養殖を試みて失敗した経緯があります。

1931年に透明度41.6メートルを記録し、かつては世界一だった摩周湖ですが、ロシアにあるバイカル湖に抜かれ、現在は透明度世界第二位となっています。

なお、摩周湖の現在の透明度は、植物プランクトンの増加等が原因で21メートル迄低下しています。

また、世界一の透明度のバイカル湖でも上流にある製紙工場の排水等での水質汚染による透明度低下が、摩周湖と同じように心配されています。

アイヌの人々は摩周湖を「カムイト」すなわち「神の湖」と呼んでいたそうで、その神秘的な青色は「摩周ブルー」と呼ばれているほど有名です。

しかしながら、実際は「カムイト湖」や「カムイ湖」とはならずに、摩周湖と名付けられたのか、諸説あるものの定かではないそうです。

「神の湖」なら順当に「カムイ湖」になった筈なのですが、何故そうならず摩周湖と名付けられたのか、今では誰も分からない謎です。

アイヌ語で近い言葉を調べてみると、古いアイヌ語で山手を意味する「マク」と断崖の形状が箱のようになっている所を指す「シュオプ」を合せた言葉で「マクシュオプ」と名付けられたものの、「マクシュオプ」がとても言い難いので、マシュウに訛ったのではないかと私は推測しています。

因みに隣にある屈斜路湖の語源は、アイヌ語で湖の流れ出る所を表現した「クッチャロ」に由来していることからも、何故に摩周湖は「カムイ湖」にならなかったのかという謎が残ります。

摩周湖の生き物については、昔はエゾサンショウウオしか生息していませんでした。

つまり魚はいなかったのですが、大正時代に食料とするために鱒等が人の手により放流されたそうです。しかし現在、阿寒摩周国立公園の特別保護地区にあるため釣りなどは出来ません。

摩周湖の周囲は急勾配の山壁、つまり絶壁に近く、観光の際は展望台から湖面を眺めるのが一般的です。

道外から摩周湖に行くにはレンタカーの場合、中標津空港が一番近いですが、そうでない場合は、釧路空港か網走市に近い女満別(めまんべつ)空港のいずれかに到着した後、空港からバスで各市内に出て、JR釧路駅かJR網走駅から釧網(せんもう)本線に乗り、摩周駅で下車した後、路線バスで摩周湖の第一展望台で降ります。

電車やバスの待ち時間も考慮して、釧路空港から約3時間、女満別空港から約4時間掛かると見ておけば良いそうです。

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