kaz

人文系大学院生 修士一年 散歩するように書く。

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最近の記事

カフェラテのような秋晴れにバターで梨を焼く

今年の2月頃、僕がこの世で最も嫌いな事象は「雨」だ、ということになった。 実はもう随分前から心ではそう決めていたのかもしれない。 「この世の出来事で雨が一番嫌いだ」と はっきりと言語化したとき、よく晴れた土曜日の午前中に洗濯を干し終えた時のような、無限の希望にも似た気分で、勢いそのまま、この世で二番目に嫌いな事象は向かい風ということにした。 もう半年以上前の記憶がふと蘇ったのは9月の終わり頃、突然秋が来たからだ。 よく晴れた土曜日の朝だったかも知れない。ゴミを捨てに外に出る

    • 四日目の生存者たちへ For All Forth Day's Survivers

      「三日坊主」という言葉がある。 継続しようと始めた何かを三日でやめてしまうという怠惰な有り様を表したものだ。 何かを始める度に三日坊主で終わってしまうこの怠惰な自分を、なんとか勤勉さによって変えようとするとき、我々は怠惰の本質を見誤っている。 最近公開された『インサイド・ヘッド2』の新キャラクター「ダリィ」(日本語吹き替え版)は、「怠惰や倦怠」の感情を具現化した常に気だるげな紫のキャラだが、これは怠惰や退屈によって引き起こされる人間の挙動を表しているに過ぎない。 しかし怠

      • 英文を前から読むということ

        人文系修士課程の学生となると、塾講師などで英語を教えることも多い。 英文読解を教えていて最も手こずるのは、中高生の、英文を後ろから読もうとする癖だ。 こういう癖を持った生徒は想像以上に多い。 最近この「英文を後ろから読むこと」が如何に無謀な行為か伝える方法を考えていたので、noteを始めたついでに書いておこうと思う。 確かに日本語と英語の文構造を比較すると、日本語で手前に来る内容は、英語ではおおむね後半に来るので、日本語に訳すなら後ろから読む方が効率がいいと思っているの

        • フレデリック・ワイズマン監督『大学–At Berkeley』感想

          2024.9.28(日) 東京渋谷・シアター・イメージフォーラムで行われている特集上映(フレデリック・ワイズマン傑作選〈変容するアメリカ〉)でドキュメンタリー映画『大学-At Berkeley』を見た感想。 個人的にワイズマンのドキュメンタリーを楽しむ方法は大体決まっている。 その長大な上映時間の前半は、気に入ったワンシーンを見つける集中力の戦いであり、見つけた後の残りはそのシーンを忘れないでおく記憶力の戦いだ。 『大学』は、上映時間が四時間ほどある(ワイズマン的にはいつ

          Autumn leaves(枯葉/秋が去る)

          You leave autumn leaves falling automatically. Autumn leaves leaves falling, for all of us. However much it loves the leaves, fall is the time for leaves to leave. You leave autumn leaving automatically as leaves fall. When autumn leaves,  

          Autumn leaves(枯葉/秋が去る)