朗読台本『世界時計』 #フリー台本
詩です。
一人用・朗読台本『世界時計』
卒塔婆しおです。
チクタク、チクタク、チクッ(痛!!)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『世界時計』
皮肉な天気に惑わされ
時計の針は狂い出す
可笑しいぞ
予想では上手くいくはずだったのだが
どうやら今日も大凶だ
明日(あす)を信じられずに、つらら
何度も繰り返して、つらら
誰か命の灯火(ともしび)を
一息に吹き消してくれないか
暗雲(あんうん)が渡り鳥を喰らう前に
いっそ楽にしてくれないか
そう願っていた矢先に
空の隙間より零(こぼ)れ落ちた
一粒(ひとつぶ)の黄金の繭(まゆ)が
灰の被(かぶ)った天使を運んできた
天使は僕の瞳に飛び込むと
この世のはじまりとおわりを見せた
多彩に眩(くら)みゆく世界
燦々(さんさん)、溶けゆくみたい
届かないから、悲しいのだ
永遠でないから、美しいのだ
錆(さ)びた肢体(したい)に油を差して
老イルの静寂(しじま)に、お眠りよ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
タグ.
#卒塔婆しお #台本 #朗読 #詩 #一人用 #セリフ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?