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【12】麹は「破精(はぜ)」たら役に立つ
「【5】論文を書こう」の回では『動物のお医者さん』を取り上げたが、博士課程在籍学生の論文投稿のリアル、なんてマニアックな要素はさておき、チョビをはじめとする動物たちとハムテルたちのキテレツで楽しそうな様子に人気が出ることで、連載当時は獣医学部の志望者がだいぶ増えたという。
(2024年現在、小学館ビッグコミックスに移籍して毎月一冊刊行中なので、新しい読者も生まれているとうれしい)
同様に『も
【11】白ワインのあの香り
シャトーメルシャンに「甲州きいろ香」(現在は「玉諸甲州きいろ香」)というワインがあるが、その名前の由来はこの本『きいろの香り:ボルドーワインの研究生活と小鳥たち』で知ることができる。
前回(【10】官能検査をしよう)紹介したこの『アロマパレットで遊ぶ』の著者であり、ボルドー大学でワインの研究をされていたリサーチエンジニアの故・富永敬俊博士の初めての著書はこの『きいろの香り』だった。
ボル
【10】官能検査をしよう
「官能検査」という言葉を使うと、「官能」という言葉の字面から微妙な反応をされることがあるが(笑)、そういう意味(笑)ではない。
ありていに言って、「分析」の一手段であって「人間を測定機器として活用する」手法の総称だと思ってもらえばよいかと思う。
科学が進歩している現代、なんでも機械で測れるんじゃないの、と思っている人もいるかもしれないが、「分析」というのは地道なもので、例えば、ワインをあ
あのころのリアリティ
幼少期の思い出には母方の実家のウェイトが大きい。
母の兄弟は兄が二人、姉が二人で、母は五人目の末っ子だったが、それぞれの一家が、お盆や正月には祖父母のいる実家を訪ねて、夜は大宴会。
他の伯父伯母は同じ市内に居を構えているので、うちの家族だけが、帰省の期間は泊めてもらっていた。
そんな帰省の期間内に、りぼんで読んだ千明初美「いちじくの恋」は、同じように、田舎に、休みごとに親戚の集まる話で
幻の(だった)マンガ家・岩泉舞
1989年、就職してからしばらく、週刊少年ジャンプを買っていた。
お目当てだった『ジョジョの奇妙な冒険』は第三部が始まったくらい。『ドラゴンボール』『聖闘士星矢』などの人気も高く、発行部数が600万部とかいっていたあたりの時期だ。
年が明けて1990年、そのジャンプ本誌に絵柄がちょっと高橋留美子っぽい、印象的な短編が掲載された。岩泉舞「たとえ火の中…」だ。
鎌倉時代を背景に、高貴な生まれだ
幻のマンガ家・橋本みつる
このところ場外乱闘(?)の続くマンガ原作のドラマ化に絡んで、とんでもない爆弾(?)が炸裂した。
コバルト文庫時代から書き継がれてきた若木未生『グラスハート』、まさかの実写ドラマ化!?
ドラマでは大学生になるらしい、ヒロインの西条朱音(高校生)が、突然天才ミュージシャンに見込まれてドラマーになるところから始まる物語。
音の聴こえない小説で、「音楽」をどう感じさせるのか?
そういう普遍的