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30/美術史のブラックボックス

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【記事のポイント】日本に西洋画(油絵)が根づいたのは、意外なことに太平洋戦争中でした。本来、敵国の文化として排斥はいせきしてもおかしくないところ、逆に、日本は西洋的な遠近法を、この時期に積極的に受け入れたのです。


第3章/9. 日本画と西洋画


20世紀におけるドイツとアメリカ、さらに日本の関係は愛憎の入り混じったものでした。
三者には似かよった部分が少なからずあり、一方明らかに違う資質もありました。

第二次世界大戦後の日本はすっかりアメリカナイズされてしまいましたが、大戦前の国民性は、どちらかと言えばドイツに近いものでした。
むしろ、彼の地に勝るとも劣らない過激な愛国精神の奔流もありました。

芸術分野においても、その資質は顕著でした。


大きなターニングポイントになったのは、1935年の帝展改組です。
政府直轄の帝国美術院(官展)に、横山大観を初めとする在野の美術家20名が会員として加わることになったのです。

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