経営心理のこと
私もビジネス分野にいたことがあり、大小の企業や部署の成長や崩壊を見てきました。
成長には様々な理由がありすが、崩壊には共通のパターンがあります。
事業部や会社が崩壊する場合は、前兆があります。「売上や経営指標が落ちている」みたいなことではなくて、もっと集団心理的なことです。
それは「真実が見えなくなる」という現象です。
たとえば、定番の経営ツールにSWOT分析というのがあり、その中で「当社の強み」を挙げます。
メーカーなどはその欄に「技術力」と書いたりします。ところが、実は技術性能は他者に負けていて、本当の強みは「知名度」だったりします。
技術力が低いから知名度に頼るなんて言ったら、取締役から叱られそうです。だから、中間管理職は、叱られないように真実から目をそらしてSWOT分析に「当社の強みは技術力」と書きます。そして、戦略を誤ります。
その間違いを指摘する者は左遷されます。
このようなことは、実際によく起きています。
これは個人の心理で起きることと似ています。
一人ひとりは優秀なのに、集団になるとこのような病理が発生することがあります。それが崩壊の前兆てす。
逆に集団になることで、個人の病理が消滅してゆくこともあります。