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待つという選択で変わる人生


半歩待つ、間を置くことが重要
人生という流れにおいては、その間も長くなる
間の長さを見極めるには、慎重さと辛抱強さが必要になる
ここぞという時に思い切りの良さも出せなければならない
ただし多くの場合は辛抱強さに負けて早くかけてしまう
待つことは大事だが難しい


みなさん、こんにちは
「データ分析×人×ビジネス」の軸で記事を書いています

"待つ" ことの重要さは色んな人が語っています。

私は長年スキーのモーグルという競技をやっていました。これはコブ(デコボコした斜面)をできるだけきれいに、はやく滑るような競技です。全長300mほどのコースの途中に2つエア台(ジャンプ台)が設置されており、そこでユニークかつダイナミックな技をこなします。

このモーグルという競技において、コブを滑るという動作と、エアを飛ぶという動作があるわけですが大概の人は「早め」に対応してしまうのです。うまい人ほど「待つ」ことができます。

どういうことかというと、スキー板というのは柔らかくしなるので「コブにスキーの先端を正面からぶつける」ようにアプローチしますが、スキーの先端がコブにぶつかるまで「待たないと」うまくいかないのです。どうしてもコブの合間を滑ろうとしてはやめにターンを開始してしまうのです。

一方でエアを飛ぶということについても、ジャンプ台を離れて最も高い位置に到達したときに技を”かけ”ます。ただ初心者は飛んですぐに”かけ”てしまうので、高さのないエアになってしまうのです。またジャンプしてグルグル回る技も、余計な動きをしてしまう(回そうと体を変に使ってしまう)のですが、あれはひたすらに「待つ=動かないで自然に回っている」必要があるのです。

おそらく他のどんな競技であっても、こういう「待つ」のが重要であるにもかかわらず「早がけ」してしまうというのはよくあることでしょう。

ビジネスでも、人生でも、待つ

さてビジネスシーンにおいてはどうでしょう?

例えば営業商談の時、相手の意見を引き出すのを「待たずに」自社のプロダクトを紹介してしまう。あるいは、部下が自分なりに考えてアウトプットしようとしているのを「待たずに」口を挟んでしまったり。自分自身が作業するときでさえ、忙しい時ほど冷静にタスク全体を整理し、優先度をつけてからやること/やらないことを決めて作業開始すべきところを「待たずに」すぐできることからやっていたりしないでしょうか。

私なんかは新入社員の頃、よく鬼上司に「忙しい時こそ作業しちゃダメなんだよ」と指摘されました。でも、やっている側としては焦っているのもありますし、アウトプットイメージとかも想像できないので「とにかく、やれることからやるしかない」と思ってしまうんですよね。

この辺りのことは、トレーニングを積んでいけば「ある程度は強制的にできる」ようになるものです。しかしながら、もう少し大きな "流れ" のなかではどうでしょうか。例えば、自分が会社を興して仕事が獲れないようなときです。ある意味で仕事が獲れないと会社は終わりなので、創業者であれば自分の人生や従業員の人生にも影響が出てしまいます。

これも体感したことがある人は多いかもしれませんが、仕事が獲れる/獲れないというのも「実はけっこう運」という側面がある気がします。もちろん、クライアントの話を聞くとか、要望に応えたうえで独自の提案を投げかけるとか、リクエストには迅速に対応するとか、etc.そういう自分でやれるテクニックはいくらでもあります。しかしそうれでも、うまくいかない時はいかない。

そういう時は、やたらと外に出て人と接点をもとうとしてみたり、あれやこれやと情報収集に明け暮れたりするものです。

これは個人レベルでみたときよりも「長い時間感覚の流れ」の中で起きる出来事です。したがって、落ち着いてちょっと待つ(←これは大概の場合強い負のストレスになる)という時間も長くなります。そうなると、これは自分との勝負とも言うべきか、、、とにかく辛抱して、事態が好転するのを待つしかないんですね。逆にそういうときに、チャンスが来た時に最高のことができるような準備をしておかなければならないのです。

準備して待つ

麻雀の漫画で「哲也」というのがあります。簡単に言えば博打の話なのですが、最初の頃に花札で勝負をするシーンがあります。戦時中の話からスタートするのですが、ある工場で働いている哲也(主人公)は給料をもらった後に先輩社員に呼び出されます。そこは花札(おいちょかぶ)でお金をかけあう場所で、ドンドン負けてお金を失ってしまうのです。そこで「この十円、一円に両替してくんねぇか?」と申し出て、辛抱強く一円ずつ賭けていくのです。そして、ここぞというところで有り金全部を賭け、見事に勝つというシーンです。

いってみれば「勝ちのチャンスがみえるまで、辛抱強く待つ」ということをやっているわけです。

ただ多くの人が勘違いしてしまうのは、文字通りただ待機してしまうということです。もう少し付け加えると、自分が狙うチャンスをつかむための準備を十分にしていないということです。端的にいってしまうと、私なりに「準備」というのは以下の2つなのだと思っています。

  • 流れを読む。特にアップダウン(いいこと/わるいこと)が大きく波打つようなときなのか、静かに波が経っていないときなのかを見極める。大概の場合、自分のチャンスはアップダウンが激しいときにやってくる。

  • 何をやらないかを決める。チャンスを狙うとき、自分が何をすべきかを考えてしまう(これ自体は別にわるくない)が、どうやら一般的な傾向として「これをすべきか?」と考えると、選択肢が多くなりがち。選択肢は少なくして待つ。

これはなぜかとういと、やはり人間というのは「やりやすいことを、やりやすい」ということなのだと思います。だから、一見するとやりやすいことこそやってはいけない。もちろん、やれることからやって、徐々に答えが見えてくるという性質のものもあります。ただ、今はどちらかというと「大きな岐路に立たされている」ようなシーンの話です。要はピンチのときってことです。

出ると決めたら出る

もう1つ重要なことがあります。それは「出るなら躊躇なく出る」ということです。

冒頭のスキーの話でいえば、空中に出て(ジャンプして)しまった後は何もできません。下手なことをすればバランスを崩して大けがをします。だから、飛ぶ(技を決めてやる)と決めたら成功のイメージだけをもち、他は何も考えない(負のイメージは一掃する)ことが大切です。

これもよくあるのは、チャンスが来ても(来たようにみえても)「これは本当にチャンスなのかな?」と疑ったり、「これでうまくいかない可能性はなんだろう?」とか、あれこれ考えてチャンスを逃すパタンです。

その意味で、長期的に磨くべきスキル(やっておくべき準備)とは「自分の感性を磨く」ということかもしれません。言い換えれば、いざというときは自分の直感に従える自分をつくっておくということです。大概、決められない人というのは「決められない理由」をあげていきます。でも世の中にかっちり未来に起こりうることや、その原因をわかることなんてありません。だから「今ある情報で決める」ということをやるしかないのです。

こういう感性(直感を信じられる)というのは、日常的に「すぐ決める」練習をすれば誰にでもできるようになります。例えば、ランチ時間にどこへ行くかみたいなことでも、自分で「2分で決める」ときめて決めればいいんです。こういう小さいことを繰り返していくことで、感性というのはちゃんと磨けます。

もう少しリアリティあることでいえば、男性であればキャバクラ、女性であればホストクラブのようなところにいって「指名」すればいいんです。これは人を信じるみたいな感性を磨く練習になるかもしれません。ちなみに「指名」というのは、自分が気に入った人を「しばらく席にいてもらう」ことです(自分に付いてくれる人はローテーションするのです)。

大体、どこも1セット40~50分くらいで、3~4人の人が自分についてくれます。そのなかで「この人がいい」と直感がビビッときたら、指名するというわけです。当然に指名しないというのも大切な決断(その代わり面白くはないかもしれない)です。ただ、ウダウダ考えて指名しないのと、「今日はしない」と決めて指名しないのとでは雲泥の差です。この場合「今日はダメだな」という感性に従って指名しないというわけです。

やや極端な例を出しましたが、これくらい日常的にトレーニングしようと思えば、そういう機会はいくらでもあるということです。

「やる」と決めるのも自分自身

こういう話を見聞きして、大半の人(?)が「勉強になりました」といって行動に移しません。 (注)私の言うことを聞いてほしいということではありません!

これ自体がすでに決められる人になれるかどうかの分かれ目なのだと思います。どんな小さなことでもいいから決めてみる。「ランチを2分で決める」というのは、たぶんスキル的には誰でもできる可能性が高いですよね。これをやったからといって、何か大きなことができるようになるわけではありません。しかし、こんなシンプルなことさえできない人が、どうしてより大きなことを成し遂げられるでしょうか。

本日は「待つ」ということと、同時に「決める」という話をさせてもらいました。最後に、改めて冒頭に掲載した自分のメモをのせておきたいと思います。


半歩待つ、間を置くことが重要
人生という流れにおいては、その間も長くなる
間の長さを見極めるには、慎重さと辛抱強さが必要になる
ここぞという時に思い切りの良さも出せなければならない
ただし多くの場合は辛抱強さに負けて早くかけてしまう
待つことは大事だが難しい



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