インタラクティブデザイン作品のプロトタイプを展示する(デザイン留学Advent Calendar 2019, 12/12)
だいぶ間隔が空いてしまいましたが、デザイン留学アドベントカレンダーだった連載12日目分の記事です。今回はインタラクティブデザイン系のMasterコースで作品展示してみて失敗したことや感じたことなど。
プロトタイプ作品を展示するメリット
コース紹介の記事でも書きましたが、私の通っていたコースでは学生が制作中のプロトタイプを展示する機会が何度もありました。場所はキャンパス内もあれば、SamsungのコンセプトストアやBarbican Centre、Tate Britainといったかなりオープンでバラエティに富んだ来場者が来る施設もありました。
それまで展示会などに出展側として参加したことがほぼ無かった私にはとても貴重な体験になったと思います。何よりそういった場で研究の途中経過を見せ来場者からフィードバックを貰えることは、プロジェクトを次のステップに進めるモチベーションにもなったと感じました。コンセプトに沿っているかはともかく、いつも予想しない意見やリアクションを貰えたと思います。ただ、そういったフィードバックをもらうためには、相応の準備が必要だと感じました。
プロトタイプデザインの展示でやっておくべきこと
来場者と相互作用するデザイン作品を展示する
私個人はインタラクションデザインとして作品を展示するのであれば、最低限鑑賞者とインタラクションする機能を持ったものを展示するべきだと思っています。ここで言う「インタラクションする機能」は、物理的に鑑賞者と相互作用して動作することも、スペキュラティブデザイン作品のようなコンテクストやテーマを明確に伝えて鑑賞者にその意味を反芻させることも含みます。こういった鑑賞者と展示物の相互作用の中から新しい発見があるのではないのかなと思いました。
Business Card、ディスクリプションを用意しておく
これも当たり前といえば当たり前なのですが、Business Cardはあったほうが良いです。私は最初用意していませんでした。展示中、たびたび「Business Card持ってないの?(´・ω・`)」と訊かれました。
用意する際は見栄えを気にして凝ったものに走りがちなのですが、作品のブラッシュアップでなかなか時間を取れないのがお約束だと思います。「表面:基本情報、裏面:コースのロゴ」とか超シンプルなものでも機能はするので、時間を掛けずに用意するといいと思います。
名刺を持っていなかったときの自分は、即席で作品紹介文と連絡先を一枚画像にしてiPadに入れておいて、訊かれたらそれを見せて写真に撮ってもらったりしていました。そういう意味では、よく作品と合わせて写真に撮られるディスクリプションに連絡先を付け足しておくと良いのかもしれません。
全てのフィードバックは真に受けない
「フィードバックもらえることがモチベーションになった」とか最初に書きましたが、フィードバック全部を真に受けない方が良いです。見に来ている人はアカデミックフィールドから来ている人もいれば、産業寄りのバックグラウンドの人、なんとなくで来た人など様々です。また、基本的にみんなポジティブな意見ばかり述べがちです。自分の元々のコンセプトや視点に沿っていて利用できそうなもののみ取り入れるべきだと思います。
おまけ:開発途中のものを公表することにはリスクがある
これは人伝手で聞いた話なので事実かはわかりませんが、私のコースのWork in Progress Showに訪れていた元学校関係者が、その後私がその時展示したものと同じものを作っていたという噂を聞きました。
仮にパクられたとしても、学生レベルだとここら辺は最終的にモラルと自己責任の問題になってくると思います。アイデアがシンプルでコピーしやすいものだったりする場合は、重要な部分は隠すなどすることも大事だと思います。
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