![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36557334/rectangle_large_type_2_90b2a8946e2dc8ac244ebf9952750da4.jpeg?width=1200)
Photo by
masuno_shota
10/11(日)「本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母」
「本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母がまもなく参ります」という旨のメールをいただいたので、サンダルつっかけ玄関開けると、本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母がいた。
本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母が独り暮らしのぼくの部屋に来るのは初めてだ。
嬉しいような恥ずかしいような変な心持ち。
「おはよう」と挨拶すると、本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母は、外からやって来たのにも関わらず「小雨か?」と言った
ぼくは腰から上を横にして、逆光ではあるが本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母を避け外を見た。
小雨は降ってなかった。
けれど、なにか別のものが降っていた。
ぼくは本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母の脇を「ちとごめん」と言いながら通り抜けて空を見ると、ごみみたいなのが降っていた。
外に手をかざしてみると、かつおぶしと青のりが貼り付いた。
最近引っ越してきたたこ焼き修行に必死なアイツだ、とわかった。
あいつが、もうぷっつん夢あきらめしたのだ。
しばらく眺めてから家に戻り、本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母に「たこ焼き小僧の夢破れでさァ」と言うと、「適当を言うな リリックに影響が出る」と言われた。
夢破れた人間はいつもこうだ。
人に翳りを与えるたけで、影響は与えない。Yeah.
「"Yeah"とか絶対言うな!」とまた叱られた。
ケッ、これだから本格的なリリックを描くことでおなじみのウチの祖母は。