歯車とエナジー @リストラーズ
今回 あらためて リストラーズの近年の躍進について 考えてみたい。
はじめに
かれらが 発信しているものの真髄はアカペラの歌やパフォーマンスではないと筆者自身は考えている。
なぜサラリーマン生活のかたわら 家庭をもち、更に音楽活動をなさるのか。普通の生活だけでは不足している何かを埋めるためではないのか。
それは 学生時代には まだ充分 分からない。
自分自身が社会に出て 歯車としての存在になったときに、初めて分かる感覚だ。
不足している何かは ひとによって違うだろう。
たとえば 学生時代をふくめて
創造力や自由な発想力、表現力の羽ばたきを一度でも 強く 深く 経験した
ことがある者は、社会に出たあと ただ歯車のひとつとしての存在に甘んじているだけでは耐えられないのではないか。
だが 大抵の場合 仕事や家庭を持ったまま 何らかの創造活動を継続するには 時間も 体力も また金銭的なことも 重すぎて いつしか手放してしまう。
かれらの音楽活動に 多くの人が魅きつけられるのは
魅きつけられた人たちが 過去に 大なり小なり同じような経験したことが
あったり、ジャンルは違っても似た経験をしたことがあるからではないかと考えている。
リストラーズは 泥くさい現実の生活を背負いながら いっぽうで創造活動を発信する。誤解を恐れずに言えば プロでないことも かれらの魅力になっていて 躍進の理由になっているのではないだろうか。
もうひとつ
リストラーズが大きな飛躍を遂げているのは 別の理由があるとも思う。
それは ある程度おおくの人たちが
ワケははっきりしなくとも 社会全体に異様な不安定さを感じているからではないか。
国内外を見渡しても また筆者の周りでも 年齢を問わず 身内や親しい友人を含むひと達が 仕事を失くしたり、健康に支障があったり、中には 早くも
旅立たれてしまったかたもいらっしゃる。
その数が以前より 勘違いでなく多い。多すぎる。
ほかにも
戦争の足音があちこち 遠くから また近いところからも聞こえてきたり
食料不足が訴えられたり、太陽フレアの周期がどうのこうのという話まで
ごく普通の会話のなかに含まれ始めている。
さらに 光熱費や食費の高騰、世界第四位となった 事実上の移民数 の増加。
留まるところを知らない税金の徴収増。
これでは 家族がいようがいまいがこれから先 いったい大丈夫なのだろうかと考えてしまう。
音楽に限らず
アート系というか 感覚が鋭いタイプには 奇妙なアンテナを持っているひとがいる。
周りの空気の温度感を微妙に読み取ったり、時代の空気が変わってきていることを嗅ぎ分けることがある。
政府やマスコミが公式に言っているわけではないから 理由は はっきりとはしない。が、何かがおかしいという小さな警報音のようなものを聞き分けているかたが多いのではないか。
それら どこからか迫るものに不安感を募らせ、
不安ゆえに より明るいものを求め より前向きなものが欲しいと 心のどこかで感じたすえ、リストラーズに出会い 魅かれたのではないかと思っている。
そう言えば
シティーハンターの主人公も 街の片隅で普通に明るく生きながら、ワルい奴をやっつけるひとではなかったか
リストラーズの動画を観ることで ひととき癒されたい。
明日を生きるエネルギーを得たい。
ある意味 人の心を照らし続けている かれらは
「皆様が笑顔になれる時間/空間の提供を目指して」 を体現する存在。
寄る辺のない不安感をぬぐい 気持ちを落ち着かせるために リストラーズの
存在を強く求める。
明るい上昇志向の時代に在った「昭和歌謡」を歌うグループ。
サラリーマンという立ち位置のまま 巧みなアカペラを歌うグループ。
現在 周りから儚く消えかけている 明るさと爽やかさを提供するグループ。
そこにも 魅きつけられた理由があったのではないかと感じている。
だが かれらとて 社会の歯車には違いない。
発信するばかりでは 燃料切れをおこしてしまう。
ただ頑張ってくださいでは こちらがもらうばかりになる。
では かれらに何をしてあげられるのか。
「そこに居てください。歌ってください。あなたがたが必要なんです」
と声を贈ることも ひとつではないかと思う。
物理的にこちらの声が聞こえるかどうかは関係ない。
エネルギーを循環させることが大切ではないかと考えている。
貰うだけ貰って ただ自分のものとして吸収し 消費するのではなく、となりの人に 家族に 友人に 同僚に 元気と明るさを分けてあげることはできないだろうか。
おかしなことを言っていると思われるかもしれない。
だが どんな言葉にも どんな行動にも どんな思いにも プラスかマイナス
どちらかのエネルギーが含まれていると言われる。
植物に 毎日 明るい言葉をかけて育てると ぐんぐん育つ。
反対に ののしるような言葉をかけると枯れてしまう。
そういう話をどこかで聞いたことはないだろうか。
また 一枚の食パンを二つに割って、一方には 良い言葉をかけ続け もう一方に ワルい言葉をかけ続けると 一週間後の腐敗速度が格段に違うという話を聞いたことはなかっただろうか。
エネルギーが どこから生まれるのか
量子物理学の分野は まったく詳しくない。
それでも 循環させるチカラが ひとには備わっていると直感的に思う。
時代が
この国を、この社会を、わたし達をどこへ向かわせようとするのか。
理想主義者と言われても かまわない。
noteという発信場所があるなら 言えること できることを発信しておきたい。
憂いて嘆くだけでなく、受け取ったものがプラスのエネルギーならば
次へと つなげられるよう 心掛けたいと思っている。
< リストラーズから 受け取ったもの
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