見出し画像

値段勝負したら質の低いブラック企業になるよ、という当たり前なお話

値段勝負してませんか?

物価高の昨今、世の中値上げ基調ですが、いまだに安売り戦略でしのごうとしている会社も沢山あります。

そもそも物価高に限らず、企業・商品価値を高めて、利益率を高めないと投未来への投資もできない。それにも関わらず価値を高める努力をせず、ひらすら量をこなして稼ぐために社内のコスト削減・効率化だけで過ごそうとしている会社が未だに多い。

生産性格差が開いているという話は以下のように昔からありますが、どうも中小企業は「コスト削減」「作業時間の効率化」に特化して、悲壮感漂う感じの生産性向上策が多く、企業・商品価値を高めて単価を上げようという生産性向上があまりない。


コスト削減や作業時間の効率化ばかりに取り組むと、社員やパートナー企業を苦しめるブラック企業化しますよ、と。もう需要拡大よりも供給体制の維持の方が経営課題として大きいだから戦略そのもののを見直す必要ありますよ、と。

もう企業努力で安い商品で喜んでもらうという時代は終わり、企業独自の価値を高めていく時代に移っています。安さは正義の時代は卒業しましょう。

単価の「誤差」が品質の「大きな差」に

大手研修会社から下請け的に研修を請け負うことがあります(大手研修会社はパートナー講師を使うケースがよくある)が、各大手研修会社の出し値≒講師単価が2万円/日ほど違うだけで講師の質が変わります。

正直、低単価の研修会社のパートナー講師よりも、高単価のパートナー講師の方が全体的にレベルが高いです。全員がそうではありませんが、平均値では明らかに差が出ます。

高単価の研修会社は、お客様にも独実の価値をしっかり提案して、高単価で受注します。高単価なので利益率は当然高いです。そしてその利益を、コンテンツ開発や人材に投資しているので、研修コンテンツも優秀ですし、IT活用による業務効率化、人材採用・育成もしっかりされてます。

一方、低単価の研修会社(低単価といっても2、3万円/日の差なのですが)は、利益率が低いためひたすら量を受けることを重視し、コンテンツもあまり変わらず、改善提案しても改善されない、人材投資や仕組み作りも不十分で連絡の抜け漏れもよく起きます。そのため、質の高い講師は他の研修会社に流れていきますし、実際そのような人も見てます。

値段が高いからこそ企業・商品価値が高まる


私が大変お世話になっていて尊敬している優良中小企業がありますが、その会社は業界内で一番単価が高いことで有名です。

何故高単価なのに売れるのかというと、マーケティングや社内体制を整備して企業価値・商品価値を高めているからです。

例えば、マーケティングにおいては、顧客が求める価値を明確にしてます。昔ながらの「安く」「大量に」ではなく、時代と共に変化した顧客ニーズ
:「現場に合った商品を」「早くほしい」「困った時に頼れる」を汲み取った商品戦略や、納期を短縮できるような供給体制の整備、人材育成による問い合わせ対応の幅の広さや柔軟さ、スピード、人当たりの良さで、取引先の信頼を確保しています。

また、単価が高いので利益率も高く、人材やITへの投資ができる。供給体制も整備できている。人手不足の時代において競合先の供給力が落ちる中、競合が請け負えない取引がどんどん舞い込んでくる。顧客も他の会社が対応できないため高単価を受け入れざるを得ない、といったことでどんどん成長しています。更に社内の若返りも順調に進んでいる。

というように高単価にしたことで好循環が生まれています。


顧客ニーズと自身の価値を整理棚卸すること

といっても単に単価を上げれば良いという話でも当然ありません。
単価を上げれば、顧客の期待値も高まるため今まで通りの商品では納得してくれません。

そのため、顧客や顧客が求めるものを明確にして、そこに自身・自社の価値をしっかりマッチングさせ、満足感を高める工夫が必要です。

例えば、研修会社で中小企業のお客様から求められるのは「研修」ではなく、社会人やパーソンとしての基準値やロールモデルを見せてあげることとか、年齢が離れた上司・部下の間に立って橋渡しをしてくれるとか、社内の若手同士や他部署との連携を深める取り組みを提案したりサポートとか、「見本となる社会人像」「気づきを与えてくれる人・機会」「社内の人間関係構築のサポート」だったりします。それができる研修会社があまりないので、中小企業とは言え一定の単価で仕事を頂けたりします。

値段勝負とか、悲壮感のある生産性向上策ではなく、企業・商品価値を高めて単価を上げて、人が活躍する・集まる方の戦略をとるべきではないかなと思う次第です。


いいなと思ったら応援しよう!