父の詫び状
整髪料をつけたまま寝た。
もうそのまま寝てしまえ!と歯磨きと洗顔だけして眠ることにした。どうせ午後からサウナに行くんだ。もういいや。
まだ小学校2年生に上がったばかりの息子がまあいっちょまえに生意気で、昨夜またまた衝突してしまった。小2相手に衝突してるようじゃあこの先が不安で仕方ない。親としてどうなのよ。大人げなさすぎ…
なんでこんなに大人になりきれていないのか、大人げの「お」の字も、成熟の「せ」の字のかけらも見つからんなこのオヤジには。
そんでもってやっぱり朝もパッと起きれなかった。最近勝率の良かった3:50起きが、今朝は4:20。それでも十分早い!とかそんなんじゃなくて、気分の問題。昨夜のイライラ、もやもやが大きく影響しているのは明白。
家族との関係が、睡眠の質や寝起きの気分、今こうして文章を綴る中においてもかなり大きな影響を与えてくる。「家族」というグループというのはどうしてこう、、もう。。
親としての資質とか、人としての努力とか、そういった大人に必要な右肩上がりに成長してないと恥ずかしい要素が、自分には大きく欠けていると素直に恥じている。育児系の本、親としてのこうした方がいいよ的な記事を読んでもすっと入ってこない。「向いてない」と片付けられない責任にいつか殺されるんじゃないか…そんな気がして怖い。
向田邦子さんの頑固おやじ
昨日、素晴らしいエッセイに出会った。
向田邦子さんの『父の詫び状』
たまたま何かでこのエッセイ集を絶賛している記事を読んだのが頭に残っていて、図書館で予約していた。
週に一度は図書館に行くと決めている。気分転換と発想やアイデア、人としての成熟を期待して昨日もバスに乗った。
気持ちのいい午後だった。
図書館は工事中で座れない。下手な喫茶店を探すより、このまま広場のベンチに腰掛けて読書タイムに入った。
つい先だっての夜更けに伊勢海老一匹の到来物があった。
から始まるお話は、その後もすっと入ってきた。
最近長い文が読めなくなってきている僕でも読み進めたくなる、柔らかい表現が続いていく。
恥ずかしながら向田邦子さんの文章を読んだことがない。図書館で渡られた本は昭和53年11月に出版された初版だった。おおそうかこの本も40歳を超えているのか。
戦中戦後を生き抜いた頑固なお父さんとの家族の話だった。わずか10ページほどの短いエッセイは、くすりとさせる人間味も、ホロリとさせる愛情もたっぷり含まれていた。厄介だけどいい家族だなと思った。
なるほど、いいエッセイというのはこういうものなのかと噛み締めながら調べてみると、1986年にはNHKでドラマにもなっていたらしい。ああこれも見てみたい。向田邦子の本、全部読みたい。久しぶりに味わう感覚だった。
バスを降りての道すがら。空が綺麗で思わず撮った。いいエッセイって何気ない日常にほんの少し光を与えてくれるものなんだなあ、、とどこかのバンドが歌いそうな気持ちになった。
いい本に巡り会い、家族の愛情に心を動かされ、何気ない日常に幸せを感じられるようになった。ああ文化っていいなあなんてホクホク思いながら家路に。
それなのに、なぜその2時間後には小2にガミガミ言えたのか…
もうあと3回人間生まれ変わらないと、普通の親にはなれない…なんて整髪料も流さずにそのまま寝てしまう頑固親父。
「父の詫び状」何枚書いても、正しい親父にはなれないかもしれない。
(1683文字)
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このnoteは毎朝6:30前後に、1500〜2000文字のボリュームでお送りします。ただただ気持ちよく楽しい気持ちで書いてます。きっとお役には立ちません。ですが、なんかちょっとええやん、と思ってもらえたら最高です。