雨燦々
久しぶりに連絡をした。
なんとなく前にやっていた集まりたい場所があったから。もうないからね、なんて悲しくなったり懐かしんだり。
突然、友達は言った。
一人暮らしになったからね、と。
私は答えた。
県外出たの?そこは2人じゃないのね、と笑った。
すると返ってきた言葉は…
ううん、実家だよ、と。
私は一瞬、えっ?!と思った。しばらくして理解した。
好んで一人暮らしする人たち(私とも)違った。
親がいなくなってしまったパターン。
まだまだ私世代にしたらきっと早すぎる。
言葉を失ってしまった。どんな気持ちなんだろうか。
聞くことも話題を変えることもできなかった……
親がいてくれて当たり前な世界はない。
親が必ずしも尊敬したり大好きだと言えるとも限らないけれど。それでも育ててくれた人は必ずいる。
色んな人がいるように、親たちも色んな人がいる。
いざいなくなってしまったとして、
私はどうなってしまうんだろう。
受け入れられるのだろうか…とても怖い。
喧嘩ができるうちはいいやん、なんて
おじいちゃんのいた頃とはまた違う感覚だ。
私の場合はイヤイヤ言えてるうちはいいやん、
なんて返されるのだろうか……
他の家族の様子なんてまるで見えなくて、
隣の芝生は青いみたいなこともあったりする。
親が違ってたら生き方も違ったのかな、とか
そもそも親同士が結婚しなかったら存在しない命。
不思議さと偶然さとまるで運命のような
命を繋いでいぐ家系。
望むのはいつも生み出すほうばかりで、
子どもは謎のままこの世界に連れてこられる。
無意識な子ども時代と意思のある大人時代。
そこに変化があるとすればたぶん、
意思がなければ大人を生きられないということ……
その意思の強さがブレない自分で生きられるかの差。
何度も何度も直面しては迷い、それでも進むしかなくて。
今日もまた夜が明け朝が来た。
私たちはいつ終わるか分からない時を、
自分にしかない物語で生きている……