「心淋し川/西條奈加著」ビブリオエッセー
《今も昔も「心淋しい」》
直木賞は2回続けて北海道出身の作家が受賞した。
前回の「少年と犬」の馳星周氏はなんとなんと、私の二か所暮らしの一方の浦河町出身だ。
この数年、夏の間は浦河で過ごしているらしい。
先日読んだ「何がおかしい」の佐藤愛子氏と同じだ。
「心淋し川」の舞台は千駄木の下の方の川に沿って立っている長屋(実際にはてんでバラバラに立てられたもの)だ。
崖の上は本郷のお屋敷で、その生活排水が流れ込み溜まりができるのが心淋し川(うらさびしかわ)
その辺りが心町(うらまち)。
この「うら」とは元々は「裏」を使っていたらしい。
えっ?「心」を「うら」に?
当て字だろうと調べてみるとあった。
心は少なくても「しん」「こころ」「うら」の3つの読み方がある。
恥ずかしながら、知りませんでした。
「うら」と読ませた時の例文を是非に見つけたい。
時は江戸時代。お代官様の時代だ。
一項一項に新たに登場する出来事は、150年経った今もたいした変わらない。
人間の脳は進化しても、心や行はそうそう変わらないものなんだな。
まぁ、源氏物語が人気なのもうなづける。
二項目からは、これが映画になったらどうやって話を繋げるのだろうかと伏線で頭を悩ます。
私が脚本を書くわけでもあるまいしなのだ。
そうそう、まだ読んでいない、去年一月に発表された直木賞は北海道から始まる話とか。
これは読んでおきたい。
*「心淋し川」西條奈加著 を読んでのビブリオエッセー
《昔も今も心淋しい》