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2024算数入試問題分析<札幌日大A日程>
はじめに
皆さんこんにちは、三上圭です。道内入試のスタート『札幌日大A日程』の2024年度入試算数分析と解答・略解です。
※解答は学校公表を待たずに,速報性を優先して出しています。誤りがあった場合は,大変申し訳ありません。
全体の印象
制限時間は60分、120点満点。大問8題(昨年は7題)、小問25題(昨年は24題)で,ほぼ例年通りのボリュームでした。
全体の難易度は2023年よりもやや難しくなったと感じます。特に大問3の図形の折り返しが難しく,スムーズにとばして次へ進めたかどうかがカギを握るでしょう。
また,設問の難易度がバラバラで,最後の大問8が易しくなっているなど,落ち着いて取捨選択ができたかどうかが重要なセットでした。
平均点等の情報
※学校から情報が公開され次第,更新します
大問1 計算問題
2024年,昨年5題だった計算問題が7題に増えました。比較的易しい問題が並んでいるので,全問正解を目指したいところです。
(1)83
(2)18
(3)10
(4)2
(5)3/4(4分の3,または0.75)
(6)1/5(5分の1,または0.2)
(6)7/20(20分の7,または0.35)
大問2 小問集合
大問2は例年通りの小問集合。数量分野,図形分野ともに,ここでまとめて出題されています。特に目新しかったのは(8)の問題です。
(1)食塩水の濃度に関する問題で,単純な混ぜ合わせでした。確実に取りたい問題です。答えは8%。
(2)規則性の問題。図に示されている6段目までを調べると周期が出てきます。6段のうち2人のどちらもふまないのは1段と5段とわかれば答えはすぐそこ。132÷6=22セットで,各セットにふまないのが2段ずつあるので,2×22=44段が答え。
(3)立方体の展開図の問題。組み立てたときに向かい合う面がどこになるのかを調べれば答えが出るでしょう。確実に取りたい問題です。②と③が答え。
(4)角度の問題。正五角形と正六角形の1つの内角の角度がわかっていれば解ける問題でした。計算ミスに注意して,正確に答えを出したい問題。
アを含む四角形に注目すると,ア以外の3つの角は,108度が2つと,(120÷2=)60度が1つ。よってアは,360-(108×2+60)=84度です。
(5)単位換算(比例)の問題。1ガロンを3.8L,1マイルを1.6kmとして計算していきます。比例の関係を丁寧に計算していきましょう。
8ガロン=(3.8×8=)30.4L
30.4Lのガソリンで走れるのは,30.4×20=608km
608km=(608÷1.6=)380マイルが答え。
(6)規則性の問題。カレンダーの日曜日を全て加えると62になるという典型的な問題でした。最後に問われているのが29日であることに注意しましょう。
1月最初の日曜日を□日として,□+(□+7)+(□+14)+(□+21)=□×4+42=62とわかり,□=5となることがわかります。
つまり,最後の日曜日は□+21=5+21=26日ですから,29日は水曜日です。
(7)つるかめ算の問題。三輪車と自転車の台数が同じであることをヒントに3量を2量にして解きやすくしましょう。最後に問われているのが三輪車の台数であることにも注意が必要です。
三輪車と自転車の台数が同じなので,この車の車輪の数を,(3+2)÷2=2.5個とします。つるかめ算で(4×28-88)÷(4-2.5)=16が三輪車と自転車の台数の合計になります。よって,答えは8台です。
(8)作図の問題。実際に手を動かして図を書いてみることが必要な問題で,やや難易度が高いです。例として挙げられている図形が複雑に見えるので,手を出さずにパスした受験生も多いでしょう。
実際に書いて確かめてみると⑤の長方形が答えとわかります。
大問3 平面図形(折り返し図形の面積)
これは難しい問題でした。時間を使わずに回避するのも一つの手でした。ここの出来は合否には影響しないでしょう。
(1)もとの長方形の横の長さが72cmから,斜線部分の台形の上底は,「線対称な図形から上底が27cmで,下底は72-27=45cmだとわかれば面積を求められます。
(27+45)×24÷2=864が答えです。
≪別解≫「線対称な図形」の条件より全体の面積を半分にしたものが斜線部分の面積と気づくと,72×24÷2=864と答えを出すこともできます。
(2)(1)で求めた斜線部分の面積から,重なっていない台形の面積である564を引くと,重なった部分の面積を求めることができます。あとは逆算をすれば答えに辿り着けるでしょう。アの長さは30cmです。
≪別解≫直角三角形の3辺の比7:24:25に気づくと面積2通りで,ア×20=24×25より答えを出すこともできます。また、重なっている三角形を半分にした三角形の辺の比が3:4:5になっていることも答えにつながります。
大問4 速さ(2人の間の距離)
2人の間の距離をグラフで表した典型的な問題でした。大問3より明らかに取りやすい問題なので,先にこちらに手を付けたいところです。
(1)花子さんの歩く速さはグラフより毎分,200÷4=50(m)となります。また,太郎さんと花子さんの歩く速さの差も同じくグラフより毎分,(200-50)÷(14-4)=15(m)と出すことができます。よって,太郎さんの歩く速さは毎分で,50+15=65(m)となります。
(2)2人の間の距離が50mから150mに増えている時間は太郎さんが立ち止まっている時間で,この間は花子さんが毎分50mで進んでいるだけですから,(150-50)÷50=2(分間)とわかり,次にグラフが折れ曲がる時間は花子さんが出発してから,14+2=16(分後)です。
このあと,太郎さんが再び歩き出すので150mの距離を追いつくのにかかる時間は,150÷15=10(分間)ですから,2人が図書館に着くのは出発してから26分後だとわかります。
駅から図書館の距離は花子さんの速さを使って,50×26=1300(m)となります。
大問5 平面図形(折り返し図形の角度)
後半の大問でも折り返しが出てきました。
折り返し角度の典型的な問題と言えばそうですが,これも受験生にとっては苦労する問題だったと思われます。
折り返しの前と後で,同じ部分に印を付けながら丁寧に確認をしていきます。イの角度はブーメラン型の合計になります。ここで,ブーメランのカーブしている部分をウとするとウ+40+40=148よりウ=68度となります。
真ん中の図で,ア×2+ウ=180度ですから,アは(180-68)÷2=56度です。
大問6 立体図形の体積・表面積
底面の図のみが書かれていて,立体全体のイメージが掴みにくかった受験生もいるでしょう。体積だけでも出来ていれば十分という難易度です。
(1)ひし形の面積は,6×8÷2=24で,切り取った半円の面積は2つ合わせて2×2×3.14=12.56ですから,この立体の底面積は,24-12.56=11.44とわかります。
立体の高さは10cmですから,11.44×10=114.4となるでしょう。
(2)底面の周りの長さを出して,側面積を求めていきます。
底面の周りの長さのうち,直線部分は5+1+5+1=12になり,曲線部分は直径4の円の円周ですから,4×3.14=12.56です。つまり,底面の周りの長さは全部で12+12.56=24.56となり,側面積は高さをかけて,24.56×10=245.6と求められます。
次に底面積は(1)で求めた11.44が2つ分ですから,11.44×2=22.88となり,表面積は245.6+22.88=268.48です。
大問7 調べ上げ・場合の数
この問題も難易度が高く,特に(2)は非常に難しい問題でした。(1)だけでもできていれば十分でしょう。
(1)アウオを光らせるには2か6の目が出る必要があります。よって(2,6),(6,2),(6,6)の3つです。
(2)ウだけが光っているものが(1,5),(5,1),(5,5)の3とおり。アウの2つが光っているものが(6,1),(6,5)2とおり。ウオの2つが光っているものが(5,2)(5,6)の2とおりです。解答欄の指示に合わせて書くと,○○●○○,●○●○○,○○●○●です。
大問8 調べ上げ・推理
後半では,一番易しい問題でした。よくある「うそつきのいる推理」の問題で,記述だからと嫌がらずに挑戦して欲しい問題です。
Aがうそをついているとき,CがAより早くなれないのでNG。
Cがうそをついているとき,Aが3位,Bが1位が本当のことなので,Cは2位になってしまい,Aより早くなってしまうので矛盾するためNG。
よって,うそをついているのはBで,そのときの順位はAが3位,Bが2位,Cが1位となります。