推せる国ウズベキスタンと、日帰りで行ったタジキスタン【前田家の世界一周】
一言、いいですか?
ウズベキスタン、最高。
ウズベキスタンにて
生F1で聞いた、エンジンの轟音の興奮が冷めやらぬまま、次の国「ウズベキスタン」へ向かいます。
ウズベキスタンでは、首都タシケントと、観光地で人気のサマルカンドの2カ所に滞在します。
今でこそ、タシケント!サマルカンド!ってドヤ顔で話していますが、行く前までは「ウズベキスタン」と言われても、ゼロ反応でした。中央アジアにある国、くらいの印象。このローテンションで世界一周を1年も続けている人って他にいるのだろうか。
ウズベキスタンの国について
ウズベキスタンは中央アジアに位置する内陸国で、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタンと国境を接しています。国土の大部分は、実は砂漠やステップ地帯で、東部には山岳地帯が広がっています。今回の滞在時は、首都と観光地にいたので、砂漠・乾燥感を感じることは、そこまでありませんでした。
ソビエト連邦時代には、この一帯にある国と同じく、ウズベキスタンもソ連の一部となり、1991年のソ連崩壊に伴い独立を果たしています。
独立を果たした後は、イスラム・カリモフが初代大統領となり、2016年に死去するまで約25年間、権力を握り続けました。この方は、独裁的な政治体制を築いていた方で、メディアや民主化の運動も厳しく取り締まられていたようです。
カリモフの死後、当時の首相であったシェフカト・ミルジヨエフが2016年の大統領選挙で勝利を収め、今も大統領を務めています。カリモフ時代と比較すると、タジキスタンやキルギスなどの隣国との関係も良くなり、国境も開かれたようです。
新しい大統領が就任したことにより(新しいと言ってもほぼ10年前ですが)、私の印象では、ウズベキスタンにいる一般の方はこれらの変化を前向きに捉え、喜んでいるように思いました。
タシケントの神宿ホスト
みんな〜!!!タシケントに来たら、絶対ここに泊まりや〜!!!
Airbnbでアパートスタイルの宿です。コンパクトな1LDKですが、洗濯機も付いていますし、Wi-Fiも非常に安定。そして、なんと言ってもホストのアスマットがめっっっっっちゃ良い人です。
多分20代なんだろうなあ。空港の送迎から、サマルカンドで泊まったAirbnbのホストさんとのやり取りが上手くいかなかった時にも、助けてくれました。Airbnbページのレビューを見たらわかると思いますが、今まで滞在した50名以上のゲストほぼ全員が、アスマットに対する称賛のコメントをしています。
彼は、ウズベキスタン政府機関で働いていると言っていました。パートタイムだけど、聞く限り、昭和の日本かと思うほどの激務でした。将来的には、Airbnbを6件くらい回して、その収入で食べていきたいと。いろんな国の人を迎え入れる方が、性に合っていると言っていました。君ならできる!!!
そして、アメリカに遊びに行きたいと。でも、ウズベキスタン人は、アメリカに行ったきりになる人も多く、ビザが非常に取りづらいそうです。申請したこともあるそうですが、却下され、1回却下されると、次が取りにくくなるため、闇雲に申請もできないと言っていました。
アスマットと比べて、私はどれだけラッキーなのだろう。日本のパスポートであれば、192カ国へビザ無しで旅行をすることができます(アライバルビザ、eTAを含む)。それに対しウズベキスタンのパスポートは、62カ国へ行くことができます。これは、日本の3割程度です。
その人がどれだけ良い人であろうが関係なく、生まれた国という運ゲーにより、スグに行くことができる国の数が大きく異なる。日本のパスポートを持つことが、どれだけラッキーなことなのかを深く感じた出会いでした。
アスマットには、日本でよければ、いつでも招待するから来てね!と伝えておきました。
余談:外国人の登録
これ、ご存知でした?私たちは、アスマットが勝手にやっといてくれたので、事後で知りました。
外国人が、ウズベキスタンに72時間以上滞在する場合は、滞在登録を行うことが必要とされています。ホテルに滞在する場合は、ホテル側がこれを代行し、登録されていることの証明となる証明証(QRコードが付いています)がチェックアウト時に渡されるそうです。複数箇所に滞在する場合は、それぞれで登録がされます。
この登録がされていなかった場合、登録情報と異なることをしていた場合は、国外退去処分や罰金が課される可能性があるとされています。
私たちのようにAirbnbなど、一般市民の家に滞在する場合は、その家のオーナーが滞在登録を行う必要があります(滞在日数に応じて、費用もかかります)。しかし、この事実を知っているオーナーばかりではありません。
例えば、タシケントのAirbnbオーナーであるアスマットは知っていて、知らぬうちに登録を済ませておいてくれましたが、サマルカンドのAirbnbオーナーは、この登録について知りませんでした。そのため、アスマットから登録のやり方を連携してもらい、その内容をサマルカンドのオーナーへ伝え、やってもらうように促す必要がありました。
以上の経験から、ウズベキスタンに72時間以上滞在する方に覚えていただきたいのは、
ただし、このようなルールもいつ変わるかわかりません。実際に、私たちげゲットした滞在証明証が確認されることは、その気配含め、一切ありませんでした。
ウズベキスタンに行く前に、その時の最新情報をぜひ調べてみてください!
タシケントからサマルカンドヘ
余談が長くなりましたが、首都タシケントからサマルカンドへ行った時の話です。
都市間の移動は、ウズベキスタン鉄道を利用しました。最大時速120キロで走るアフラシアブ号です。
席はエコノミー、ビジネス、VIPの3種類あります。私たちは、過去の経験から(主にモロッコの悪夢、詳細のnoteはこちらです)、「スーツケース有りの移動の際はエコノミーは避けるべし」と心に決めていたため、ビジネスクラスを予約しました。
ただ、この列車、とても人気なようで、サマルカンドへ向かう電車に乗るまでは、サマルカンド行きの片道切符のみしか持っていませんでした。出発日の3週間ほど前にチケットを予約したのですが、その時すでにエコノミー席も残りわずか。ビジネス、VIP席は1席空いているか、くらいの人気っぷり。帰る電車は、複数の日程で確認しましたが、席が空いていませんでした。
帰りはバスかな〜と思いながらサマルカンドへ向かいました。
タシケントの駅は、そんなに電車の本数がバンバン走っているわけではないのにも関わらず、門構えがどっしりしていました。駅に入るだけでも、荷物検査をする必要があります。
誰でも入れるわけではないので、駅に入ると電車に乗る人しかいません。殺伐とした雰囲気はなく、穏やかな駅でした。一応、レストランやカフェもあります。ホームに入る前に、チケットの確認がありました。
出発予定時間の45分前には、電車が到着していました。ただ、まだ中には入れないので、ホーム横のベンチで待機。電車を見て思ったのは、「あれ、この顔、新幹線?」
チケットは指定席なので(指定席だけど指定が機能していない電車ではなく、指定席でちゃんと指定されている電車)、チケットに記載がある列車の番号のドアから乗車。チケットとパスポートの確認がありました。
中に入ってすぐ思いました。「あれ、新幹線の匂いがするぞ」…新幹線の匂いってわかりますかね。クリーンな匂いだけど、鼻にツンとこない感じの。私だけかな。
そして、照明の明るさ、席柔らかさ、全てがやっぱり日本の新幹線でした。
スーツケースは、車両の空きスペースに置くことができました。スーツケース用のラックもあったのですが、私たちのスーツケースは入らなそうでした。乗客の中には、割と大きいスーツケースでも、上の荷物置きに乗せている人もいましたし、席の足元にも、置けそうなスペースがあります。
ビジネスクラスは席数が少なく、1席が大きいので、グランクラスみたいでした。ちなみに軽食が出てくる点も、グランクラスっぽい。
揺れも少なく、超快適な電車の旅。やっぱり帰りも電車がいいなぁなんて夫と話していて、何気なく公式サイトを見てみたら、帰りのチケットがありました。
夫いわく、アフラシアブ号の席は政府用に確保されていることがある、と聞いていたそうで、ギリギリになれば、それらの席が開放されているかもと睨んだそうです。その予想、当たっていました。帰りのチケットも無事確保し、タシケント--サマルカンド往復、快適!電車の旅が約束されました。やったー!
サマルカンドの色味
ウズベキスタンといえば、青と緑のイメージがある人が多いのではないでしょうか。その爽やかな色味を見れる場所こそが、サマルカンドです。
サマルカンドをはじめ、ブハラやヒヴァといった古都には、青やターコイズブルーのタイルで装飾された建物が多く見られます。この鮮やかな青は、14世紀から16世紀にかけてのティムール朝時代に広まり、イスラム建築において「天」を象徴する神聖な色として使われてきたそうです。
象徴的な「青」を見ることができる場所はいくつかありますが、その中でもいろんなパターンの青が見れたのは、シャヒ・ズィンダ廟群でした。
「シャヒ・ズィンダ」という名前はペルシア語で「生ける王」を意味しており、預言者ムハンマドの従兄弟であるクサム・イブン・アッバースが埋葬されていることに由来するそうです。また、14世紀後半から16世紀初頭にかけて中央アジアとペルシアを支配したイスラム王朝のティムール朝や彼の家族が埋葬されています。
霊廟が複数並んでおり、それぞれで異なる装飾がされていました。青以外も、白をベースにゴールドと青を差し色として加えたものも。私は、この色使いが1番好みでした。
イスラム教では、偶像崇拝が禁止されています。そのため、動物や人の絵は一切なく、装飾にはアラビア文字の書道や、植物モチーフなどが使われています。偶像を使わずとしてもユニークな建物が並んでいるので、過去にこれらのデザインをした人たちは、どれだけセンスがあるのだろう。
イスラム教の方にとっては、宗教的な価値がある場所だと思います。それ以外の宗教であっても、その芸術的な価値は計り知れず、見ているだけで「ほええええ」と感心せざるを得ませんでした。
とても美しい場所で、行く価値があることは間違いないですが、観光客の数も多いです。実際に、私たちが行ったときも、自己中観光客がいましたし、スムーズな観光はできませんでした。行く時には、ハートを強く持ち、混雑していない時間帯を見つけていくことをお勧めします。
シャヒ・ズィンダ廟群のあとは、「レギスタン広場」へ。ここも、サマルカンドでは人気の観光スポットです。
大きいな。イスラム建築は、どこに行っても、とにかくデカいのが特徴ですね。ここは広場なので、建物の間にあるスペースも大きい。ミニチュア人間になった気分です。
「レギスタン」という名前は、ペルシャ語で「砂の場所」を意味し、かつては商人や旅人が集う繁栄した市場として機能していました。現在は、3つの美しいマドラサ(イスラム教の神学校)に囲まれた観光名所です。
神学校の建物なので、さぞかし厳かな雰囲気があるのではと思いきや、意外と現地の人も含め、完全な映え写真スポットとして機能していました。ウェディングフォトを撮っているカップルが何組もいたり、長いドレスを身に纏った女性が動画を撮影しています。
広場の奥へ入ると、中庭があり、その周りを囲むようにお土産物屋さんがいくつかありました。人が少なく、静かなのでゆっくりできます。
最後は、「グーリ・アミール廟」へ。最初の2つで結構お腹いっぱいになるくらい満足してしまったので、ここはゲート前で眺めるだけでした。
サマルカンドは見どころたっぷりで、日本人の観光客も多く見かけました。ウズベキスタンって、こんなに日本人に人気になっているのかと驚いたのと同時に、納得できました。
ウズベキスタンの良かったところ3点
なぜ、ウズベキスタンに観光客が集まることが納得できたのか。その理由は、3つあります。
1. 人がずば抜けて親切
Airbnbのホストであったアスマットの影響が大きいかもしれません。会う人、会う人がとても親切でした。例えば、私は大きなスーツケースを持って普段歩いていますが、ウズベキスタンの中で上り下りが発生するところで、自分でスーツケースを持つことは一切ありませんでした。
親切に加えて、皆さん控えめでありながらも、フレンドリーでした。現地の言葉が話せないとわかったら、英語が話せる人を連れてきてくれます。そのような人がいなかったとしても、嫌な顔をされることはありませんでした。
コンビニにいた若い男の子は、私たちがどの国から来たのかを知りたかったようで、「どこから来たか聞いても良い?」って聞いてから、質問されました。なんと礼儀が正しいのか…。
人周りで一度も嫌な思いをしなかったのが、ウズベキスタンでした。
2. ご飯が美味しい
ウズベキスタンで食べた料理が、すべて美味しく、安かったです。
代表的な食事のプロフ(チャーハンみたいな)、麺料理のラグマン、串焼きのシシャリク。シンプルなメニューですが、日本人にとっては味覚が懐かしく感じるものもあり、とにかく外食が楽しくて仕方がありませんでした。
具体的に食べたものと場所については、後ほど触れますが、ウズベキスタンの食事はコスパ最強。日本と似ているけど、違う食事なので、観光として来るには最高です。
3. 安心、安全
1.の人が親切であることにもつながりますが、タシケントとサマルカンドにおいて、治安の悪さを感じることはありませんでした。
一部、路地裏のような道を通ったこともありましたが、そこでも身の危険を感じませんでしたし、第一に道が綺麗でした。スマホを手に持って歩くこともありましたし、夫は一眼レフを肩にかけて歩いていました。
ウズベキスタンは、決して経済的にとても豊かな国ではないと思います。現地の方も、賃金が低いと言っていましたし、生活をするのは楽ではない場所のはずです。一般的に、そのような国だと、治安は悪くて当たり前とされていると思います。今まで訪れた国では、そうでした。
しかし、ウズベキスタン(と隣国のタジキスタンでも同様に感じた)では、そのような国の状況であったとしても、一般の人は、他人に対して親切すぎるほどでした。観光客価格などはあったとしても、過度にお金を巻き上げようとする雰囲気もありません。
旅中の危機管理レベルを下げて、ゆるく生活ができた場所でした。
逆に、良くなかったところ
唯一と言っても良いくらいで、ウズベキスタンだけではなく、この後に続くタジキスタン、キルギス、カザフスタンでも同じだったので、地域的なことです。
シートベルト、皆無。
「ここではシートベルトをつける文化がないんだよ〜!はっは〜!」って言っていました。シートベルトの着用は文化とか、そういうものでは無いと思いますが、9.9割の運転手さんがシートベルトを付けていませんでした。
乗車する側のシートベルトも、シートカバーなどで覆われていて着けられなかったり、強制的に超リスキーな車に乗せられることも、しばし。
ウズベキスタンの人は、普段は鬼親切ですが、車の運転はマリオカートみたいだし、列に並ぶ時はルール無視(これは慣れた)になります。車に関する安全意識が地面レベルに低いことだけが、唯一、勘弁してくれと思ったところでした。
タジキスタンへ日帰り旅行
ウズベキスタンのサマルカンドから、タジキスタンのペンジケント・セブンレイクス(7つの湖)へ日帰り旅行をしました。
タジキスタンへの道のり
サマルカンドから、タジキスタンの7つの湖へ向かうルートは、サマルカンド → 国境 → ペンジケント → 7つの湖 です。この道のりをタクシーをうまく使い、自力で行く方法もありますが、私たちはツアーを利用することにしました。
サマルカンドから7つの湖までは、国境でかかった時間も含めると3時間くらいかかりました。
ウズベキスタン・タジキスタンの国境は、どこの建物で何をするのかが分かりづらかったです。以下に基本的な流れを説明します。
ウズベキスタン側の入国・出国はスムーズで、待つことはありませんでしたが、タジキスタン側は混みます。同じ数の人が、出入国をしているはずなのに、なぜ片方だけが混むのか。多分ですが、タジキスタン側の列は現地の人が横入りしまくるからだと睨んでいます。ちょっとでも隙間があれば、何食わぬ顔で入って来るので、あれ?この人いたかも?と思うくらい。
タジキスタンの入国、出国だけで1時間近くかかったのは、かなりしんどかったです。
7つの湖
タジキスタンに入国した後は、タジキスタン側のタクシーの運転手さん兼ガイドさんと会い、7つの湖へ向かいます。途中に、ペンジケントと呼ばれる街を通り抜けて行きました。素朴な街でした。
ペンジケントから7つの湖までは1時間くらいのドライブです。湖に近づくにつれ、舗装されていない道になり、石ころの道の上をガタガタと揺れながら進みました。ガイドさんの個人用の車を使っていると思うので、車体が傷つくのではないか。タイヤの劣化が早そうだな。と申し訳ない気持ちになります。
7つの湖は、タジキスタンのファン山地に位置しています。標高が徐々に高くなる山道に沿い、7つの湖が階段状に並んでいます。
7つ目の湖まで、若干山を登っていくようになっています。少しずつ車で進むので、登っている感じはなかったのですが、後々調べてみると7つ目の「ハザルチャシュマ」の標高は2,400㍍もあるみたいです。
それぞれの湖は、大きさ、形、色が微妙に異なりました。いずれも、遠くから見ると真っ青できれいに見えますが、ガイドさん曰く「めっちゃ住民が洗濯とかしているから、汚いよ」とのこと。
湖に到着すると、車を降り、写真を撮って、また次へ向かう流れを繰り返して行きます。ゲストハウスやキャンプサイトが近くにある湖だと、ブレスレットなどの小物を売る子どもに囲まれることもありましたが、押し売りという感じでもく、無邪気にお小遣い稼ぎをしている感じ。
道中では、ロバや馬に荷物を乗せて移動している住民の方とすれ違うこともあり、大自然の中で普通に生活をしている人も見ることができました。スーパーやマーケットもないし、色んな生活の知恵を使って生きているのだろうなあ。
7つ目の湖へ行くためには、10分ほど最後歩いて向かいます。
そもそもですが、1つ目の湖から7つ目まで、一応歩けます。ロードバイクで向かっている人なんかも見かけました。ただ、とんでもなくしんどいと思います。道は舗装されておらず、傾斜もあります。真っ直ぐに道が伸びているわけではなく、曲がる道を登りながら湖を巡ります。私は、激しくタクシーの利用を勧めます。
先述の通り、7つ目の湖は標高2,400㍍に位置しています。多少の傾斜付きトレッキングは10分ほどでしたが、それでも息切れしました。少しずつ足を前に出して、進みます。
しばらく歩くと、目の前がひらけて湖が現れます。目に見える範囲だけでも広いですが、奥の方まで湖があることが伺えました。
私たちと他2組しかその場におらず、静かに湖と山を眺めることができました。この時点で、お昼をとっくに過ぎていたので、持参したサンドイッチを食べました。お腹がぺこぺこだったのもありますが、絵はがきのような景色を見ながら食べたサンドイッチは、身に沁みるおいしさでした。
30分くらいゆっくりして、車へ戻る途中に、地元のご家族と道が一緒になりました。ロバに乗るお爺さんと、やぎを連れているお父さんと、何かの草を持つ娘。広大な自然に溶け込む3人でした。
日帰りの旅だったので、タジキスタンで見ることができたのはココだけでした。ガイドさんからは、次は2週間くらいぶち抜きで、パミール高原を見にくることをお勧めすると言われました。確かに、この山は、もっと見たくなります。でも、パッと調べる限り、平均標高5000㍍の高原…と書いてあるので、多分私、ぶっ倒れる。
ウズベキスタンのサマルカンドに帰ったのは、結局夜の9時でした。ツアーは夕方4時くらいに終わり、ウズベキスタン側へ戻ったのは夜6時でしたが、サマルカンド付近の渋滞がひどかったです。移動に時間がかかった1日でした。
ラグマンと出会う
私は、麺料理が大好きです。1日3食、麺が良いのですが、一緒に旅をする夫はそんなにクレイジー麺Loverではないので、仕方がなくライスを食べているくらいです。
今まで訪れた地域では、イタリアを除いて、ご当地麺料理はほぼありませんでした。また、イタリアの麺料理、パスタは食べたことがある料理でした。
中央アジアに来て初めて、人生で初めて出会う麺料理と出会うことができました。すっっごく嬉しくて、初めてラグマンを食べた時、ちょっと涙が出ました。やっと、一般的な食生活に「麺」が出てくる地域に来た。
ラグマンとは
ラグマン(Lagman)は、中央アジアの伝統的な料理で、特にウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、中国新疆ウイグル自治区などで人気があります。古代シルクロードを通じて中央アジアに広まった料理で、中国の拉麺(手打ち麺)から派生したとされています。ウイグル族やドンガン族などの民族がその技法を継承し、現在では中央アジアの家庭料理です。
手打ちの麺と肉(牛か羊)、野菜(白菜、パプリカあたりの登場が多かったです)がメインで、味付けはニンニク、スパイス、トマトベースのソースです。
ラグマンは、スープベースのものが多いですが、炒めてある「フライドラグマン」もあれば、かけ麺スタイルもあります。
多くのお店では、普通盛り(100%)と小盛り(75%など、100%以下の表記)が準備されています。数字で量を表現しているお店もあれば、2つの異なる値段(安い方が、小盛り)が書いてある場合もありました。
小盛りが準備されているお店であれば、普通盛りを頼むと、日本で言う大盛りが出て来るので要注意です。
ラグマンは、ラーメンに近いけど、胃もたれしない麺料理、という感じです。野菜たっぷりですし、油は野菜や肉を炒める時に使われているくらいなので、スープ自体で油を感じることはありませんでした。フライドラグマンに関しては、麺も一緒に炒めているので、ジャンク感がありましたが、スープベースの方は、さっぱり食べれます。
味付けももちろん良いのですが、私が好きだったのは、ラグマンの麺です。お店で手打ちをしている麺を出してくれるレストランが多く、加水率高めのモッチモチで、細さも若干不揃いな麺。お店によってはバターの味がこってりした麺もあったりして、そのお店のカラーを感じることができました。美味しいんだなあ、これが!
おすすめラグマン
正直、ラグマンは全部美味しい(極端)と思っていますが、実際に足を運んだお店で、おいしかったところをご紹介します。
なお、お店のチョイスは、こちらのブログを参考にさせていただきました。神ブログです。
1件目 かけラグマンも食べれるラグマン専門店(タシケント)
通常のラグマンは、ラーメンスタイルでスープに麺が入っていますが、このお店では、麺にスープと具材をかけて食べる「かけ」スタイルがありました。大体のお店でスープラグマンと、フライドラグマンは見かけましたが、「かけ」スタイルがあるお店は、ここ以外で見つかりませんでした。
「かけ」だと、麺そのものの味と食感が楽しめるので、麺のぷりっもちっ感が味わえるので、麺好きの方にはお勧めです。ちなみに、私はこのお店のラグマンが1番好きでした。
ラグマンの他にも、マンティ(餃子)がラグマンスープに入った料理や、下の写真のように、ひもかわうどんみたいに幅が広い麺を使った麺料理もありました。これは、見ても分かるとおりトマトベースではなく、塩ベースなので、とてもあっさりしていました。
英語が話せる店員さんも1名いたので、オーダーもスムーズでした!
2件目、コッテリ麺が食べたい人向けのラグマン専門店(タシケント)
通常のスープラグマンもあるお店ですが、ここではフライドラグマンをいただきました。
フライドラグマンは、スープラグマンからぶつ切り野菜を抜き、ネギと薄焼きの卵を乗せてありました。お肉はひき肉でした。
トマトベースのソースとバターで炒めてあるのか、コッテリした味で、まるでパンチョのナポリタン。このお店は、ウズベキスタンで初めて訪問したラグマン屋さんだったこともあり、小盛りがあることを知りませんでした。レギュラーサイズを頼んだら、爆盛りパンチョが出てきた思い出があるお店です。
スープラグマンは夫が頼んでおり、こちらのお店のスープはトマトの酸味が強め。全体的に、味のパンチがあったのがこのお店でした。
お店のサーバーさんは地元のおばさまばかりで、英語は皆無ですが、皆さん何とかコミュニケーションを取ってくれようとします。優しい。
3件目、落ち着いて食事ができる観光客向けのレストラン(サマルカンド)
ここはラグマン専門店ではなく、ウズベキスタン料理から西洋の料理まで幅広く取り揃えているレストランです。サマルカンドのレギスタン広場後ろに位置しているので、観光の途中に寄る場所としては最高でした。
お値段は観光客価格(と言っても安いと思う)で、地元のレストランと比較すると大分違いますが、店内の内装からお皿までこだわっていて清潔ですし、お店の方も全員が英語を話せます。お値段相当のサービスが受けられました。
ここでは、私はラグマン、夫はプロフを食べました。ラグマンは、野菜たっぷりでお肉は牛肉を使っているため、クセがなく食べやすかったです。
普通のプロフは油ギトギトなので、多くの観光客がお腹を壊すことで有名ですが、ここのお店のプロフは油の量も、全体的な量も「ええ感じ」でした。
その他のおすすめレストラン
ラグマン以外にも、おすすめしたいレストランがあったので紹介させてください。
プロフのディズニーランド(タシケント)
私が勝手に「プロフのディズニーランド」と呼んでいるBESH QOZONは、大きな敷地でひたすらプロフだけを作っています。ディズニーランドだと思った理由は、そのお店のエンタメ性にありました。
まず、お店に入る前に大きなゲートがあり、ゲートを潜ると倉庫のような建物が現れます。建物の中では、プロフの調理過程を見るかのような各セクションで、大量の男たちが汗をかきながら必死に調理をしています。
お客さんは、これらの調理ステーションの間を通りながら、食事エリアへ向かいます。ここは自由に撮影しても問題ないので、皆パシャパシャ写真を撮っていました。楽しい。
観光客向けと思いきや、地元の人も割と普通に来ているお店なので、お昼時に行くと激混みです。食事エリアは、屋根付きの屋外と屋内があり、フードコートような感じで、空いた席に自由に座るスタイル。そのため、席の取り合いになります。
ここで食事をする流れは、こんな感じです。
私たちは15分くらい席が空くのを待った後、着席することができました。
プロフ、トマトサラダ、ザクロジュース(生搾り!超美味しい)をオーダーし、15分ほど待つとプロフが出てきました。
お肉は羊肉。ドライフルーツがたっぷり入っていて、その甘みが良いアクセントでした。油っぽさは多少感じるものの、油臭さはありません。美味しい!ぺろっと1皿食べ切りました。
味が確実に美味しいだけではなく、調理を見れて、写真も撮れて楽しい空間です。混むけど、おすすめできるレストランでした。
地元密着型のシャシリク屋さん(サマルカンド)
滞在していたAirbnbから徒歩5分にあり、フラ〜っと入ってみたら大正解だったお店です。
ここも半分屋外のテーブル席が並んでいて、中庭みたいなところにレストランがありました。緑が多く、雰囲気が素敵です。
シャシリクとは、串焼きのことを指します。お肉がメインですが、野菜の串焼きもあり、店先に並ぶ串を自分で選んで焼いてもらうスタイルです。
4本ほど串を選び席につくと、ウェイターさんが小鉢みたいなものをトレーで持ってきました。ここから好きなものがあれば選びます。どれも美味しそう。
小鉢はナスのおひたしみたいなものを選び、ウズベキスタンでよく出てくるデカいパンも出てきました。10分ほどすると焼かれた串が運ばれてきました。
串焼き、飲み物や小鉢など全部合わせて1,300円でした。このお値段を踏まえた上で、食事のクオリティはめっっっっちゃ高かった!すごい。
キョフテの脂巻きは、脂がぷりぷりで1番美味しく、牛レバーも臭みがなくて最高。ジャガイモの串はホクホクで、味付けは塩のみですが十分美味しい。ステーキ肉もやわらかい。
どう考えても、1,300円であることが間違いとしか思えない美味しさ。コスパ!!!!!と大きな声で言いたくなってしまいました。というか、帰り道で言ってました。
めっちゃ美味しかったです。
ウズベキスタンまとめ
円安〜!と言われていて、海外旅行へ行くのに躊躇してしまう人もいると思います。今まで色んな地域を旅してきましたが、アメリカ、ヨーロッパ、トルコを代表とし、確かに「高いな」と思う場所もありました。高くても行って欲しい!と思う場所ばかりですが、やはり経済的に行きづらい。でも、海外には行きたい。そう思う方は、今すぐに、ウズベキスタン行きの航空券をゲットしてください。
そして、物価感が手頃というだけではなく、それ以上に魅力がたくさんあった国でした。人は優しく、ご飯は美味しく、治安も良い。観光できる名所もあります。自分の家族にも、自信を持っておすすめした国です。
この旅で行けて良かった。出会えて良かったと思えた滞在でした。
中央アジアの旅はまだ続きます!
\私はこんな人です/