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POD&Kindle用原稿にチャレンジ中

拙作である「直違の紋に誓って」ですが、カクコンで残念ながら予選通過とはなりませんでした。
ですが、「予選通過に関わらず紙書籍がほしい」というご要望を承っていたので、思い切ってPODを利用して、紙書籍化に踏み切ろうと少し前から目論んでいたのです。

それぞれの難しさがある

読んでいただいた方はご存知かと思いますが、「直違の紋に誓って」は、バリバリの歴史小説です。
そんな背景もあり、「紙書籍にするなら、絶対に縦書き」と秘かに決めていました。

POD

まず、作ろうと思い立ったのは「紙書籍」の方が先です。
少しずつ前から「紙書籍の出版」について、情報収集していたのですが、何せ、「直違の紋~」はかなりの大作。
それも、できることならば「スピンオフ」も組み込みたいと考えていましたので、何ページになるかワクワクすると同時に、ちょっとした恐怖もありました(笑)。
スピンオフも加えた結果の文字数は、御覧の通り。27万字に加えて、改行なども入っていますから、文庫だったら確実に分割するサイズです。

この後、多少調整しました。

私が主に参考にしたのは、みらっちさんのこちらの記事。

現在出版の利用を検討しているのはネクパブです。
私も、名前だけは聞いたことのあるサービス会社。

実は文字数が少なければ、みらっちさんの紹介されていた「OneBooks」を使用しようと考えていたんですよ。
ですが、このOneBooksでは、背表紙が20mm以下の書籍でしか、製本出来ません💦
どう頑張っても「上下」に分けて出版するしかないので、ペーパーバックでの出版にしたのです。

計算で悩む

書いている本人が言うのもナンですが、話が結構難しいので、最低限の出版冊数が確保できればよし!と思っていました。
ですが、A5サイズの書籍にしようと決め、そこからの計算が大変だった^^;

まずは、文字の大きさ。
これは、高校生のときからワープロになじんでいたこともあり、文字の大きさ次第でページ数が変わるのはわかっていました。
ですが、案外大変だったのが「ルビ」の処理。
私の場合、固有名詞や難読漢字を中心にルビを振るのですが、今回の作品の場合、第三章で「バリバリの薩摩弁」が出てくることもあり、ルビは必須でした。
ですが、そのままではページ数ばかりが増えてしまい、ルビの文字の大きさや行間の大きさを工夫しないと確実に規定オーバーです。

具体的には、こんな感じです。
たとえば、メニューの下に隠れている「救恤所」という文字。

そのままの設定だと、このようにルビが見切れてしまいます。

なので、ここで一工夫。
「フィールドの編集」メニューを選択し、フィールドプロパティを表示させます。
すると、UP8(行からルビまでの距離)とあるので、この数値を縮小させます。

大体、6Pにするとぎりぎりバランスが取れる感じでしょうか。

まあ、こんな地味な作業をちまちまとやっていたわけです(笑)。

また、各章の見出し(Webで言うh2タグ)を奇数ページの左上に入れたい、ページ数も入れたい(そもそも入れないと、入稿できない)という希望もあり、結構試行錯誤を重ねました。

そんなわけで、最終的に割り出したのが、このようなフォーマットです。
なかなか本格的な「小説の書籍」っぽい仕上がりではないでしょうか?

入稿用のPDFでネクパブの審査を通ったものです。

ところで、案外難しかったのが「フォーマット」づくり。
ネクパブに限らずPODで紙書籍にするときは、「PDF原稿での入稿」が基本です。
ですがWordでの「余白設定」が、製本では結構厄介なのです。

私も今回初めて知ったことですが、紙書籍の製本の場合、「断ち落とし」も考慮して文字数や行間を決めなければなりません。

最初は1段組で検討したのですが、ためしに印刷してみたところ、みっちり詰まった印象が💦

ちなみに、このフォーマットでのWordでの文字数は、次のようなもの。文字の大きさは、10P。

この余白も、かなり試行錯誤してネクパブの規定に収まるように、何度も入稿し直したフォーマットです。

そんなわけで、余白は1段組の設定を活かし、「2段組」に改変してみました。
ちなみに、2段組にすると「ページ数が減らせる」(=本の価格が多少安くなる)というメリットもありました。

Kindleの原稿を元にもう少しルビを振る予定ですが、フォーマットはこれでいくつもりです。
一応Wordの機能は一通り知っているので(これでもMOSのスペシャリスト持ち)、こちらのほうが手慣れているとも言えます。修正チェックも、楽かもしれません。

EPUBの壁

一般的に「電子書籍はお手軽」と言われていますが、むしろ大変だったのは、こちら。
電子書籍(要するにKindle)も一応販売するか!と思ったまではいいのですが、私がどうしてもこだわりたい点がありました。

それは、縦書きにすること!
仕様上仕方がないのですが、多くの場合、電子書籍は横書きが基本です。

ちなみに、「縦書き表記」ができるカクヨムの場合、こんな感じで表記されます。

人それぞれの好みはあるかと思いますが、私はやはり小説は「縦書き」のほうが好き。
そこで、縦書きができる「EPUB3」を求めて検索した結果、「でんでんコンバーター」にたどり着きました。

ですが、ここでまたしてもぶつかった壁が^^;

それは、やはり「ルビ」設定の問題です。
Wordファイルから直接ファイルをコンバートした場合、ルビ表記が崩れる……。

ここで思いがけず助かったのが、「カクヨム」でした。

「直違の紋~」シリーズは、カクヨムでも公開しているのですが、カクヨムのエクスポートデータは、それぞれのエピソードごとに「テキストファイル」で出力されます。

カクヨムの編集データがテキストファイルで残されているため、ルビのデータも残っているのです。
そこで、このテキストデータを「でんでんコンバーター」用の「でんでんマークダウン」に応用し、かなり苦戦しながら、EPUB用のテキストファイルを書きました。

でんでんコンバーターのマークダウンでは、{武谷剛介|たけやごうすけ}という入力で、

武谷剛介たけやごうすけ

になります。
noteでは、

武谷剛介たけやごうすけ

なので、ずいぶんと違いますよね。
(カクヨムでもほぼ同じ)

そんなわけで、電子書籍用のファイル(EPUB)を作るには、やはりマークダウン記法の基礎知識があった方が、表現の幅は広がるかもしれません。
もっとも、私もこれだけマークダウン記法で本格的に書いたのは、久しぶりでしたけれどね。

そんなわけで、私にとってはKindleの方がよほど手強かった^^;

価格設定

後は、ネクパブに登録したばかりなので(売上振込先などがまだ確定していません)、そちらの申請が通れば、Kindleから先に販売する予定です。
Kindleの価格はまだ決めていないですが、ボリュームがあるので、売上数を度外視した価格になる予感が^^;

紙書籍の方は、概ね3,000円前後くらいでしょうか……。
ボリュームがある以上、どうしてもこれくらいの価格になってしまって申し訳ないです🙏
ちなみに内容ですが、

  • 本編

  • スピンオフ(剛介の初恋・父の背中)

が入って、A5で446P!
ペーパーバックにしてはあり得ないボリュームです^^;

そんなわけで、「紙書籍」の方はもうしばらくお待ち下さいませ!

※トップ画像は、紙書籍の「表紙」です。
自力で作ったにしては、まずまずの出来ではないでしょうか?

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