常にゴールから考える
この部署に異動してばかりの頃、たくさんの違和感があった。それは前に在籍していた部署との文化の違いだと今は分かる。傍目からみたらおかしいのだけど、中にいるとその方がやりやすいというケースはある。
だけど忘れてはいけないのが、本来はそうあるべきではないのに長年その状態に慣れてしまったせいで今まで残ってしまっている制度やもの。これは是正しないといけない。そう感じたのは、とある顧客の事業プランをつくっているときである。
未利用材を使用した2MW未満のバイオマス発電の場合、FIT制度による電気の買取価格は40円/kwhとなり、現行制度上の最高買取価格となる。今日本で上手くいっていると言われる発電施設はこの2MWぎりぎりを狙うことで採算が合っている。ただ、逆に言うと特に電気だけの販売の場合、2MWぎりぎりを狙いかつペレット工場を併設しないと採算が合いづらい。1000kwとか、1500kwの系統連系が完了していても、ウチの発電スキームで事業を組み立てると採算はまず合わないので、引き合いを頂いたとしてもROIが低い事業プランを提出し「このIRRでは事業として成り立たない」とお客様に言われて終了。はい、次の顧客を探そうとなり、それが当たり前になっていた。
だけどよくよく考えるとそれは違う。2MW級までいなくても採算があうように、前例に縛られず一から考えてみればいい。どうすればよいペレット工場が出来るかは大体分かってきた。あとはこれをいかに安くつくることを考えていけばよい。いくらでペレット工場をつくれば採算ラインにのるのか。あとは収益源を探す方法もある。熱を利用して収益を上げる方法がないか、チャーをよい価格で販売出来ないか、など。
成功モデルの再現を追いかけるのは効率がよいので現時点でまずやるべきこと。しかし新たな事業モデルを考えて色々なお客様の要望に柔軟性をもって応えていく準備がないとこの事業は成長しないし、我々もレベルアップ出来ない。今までの延長で考えるのではなく、お客様によって違う「ゴールから逆算して考える」こと。今回の場合は「中規模ペレット工場の価格ダウン」来年につなげるために2020年中にやることのリストに入れる。
やはり顧客と真剣に向き合っていくことで課題を見つけることが出来る思う。そして「課題を発見しクリアすること」だけが自分をゴールに近づけてくれる。日々やるべきことを効率的にこなして優先順位をつけて粛々とやっていこうと思う。