競技麻雀打ちの引退時期
※無料記事にしました。
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10月18日に行われた雀王戦A2リーグ第9節。
4位-3位-2位-3位で▲51.5ポイントの惨敗。
これで今期の昇級はかなり厳しいポジションとなった。
この時点で11位。最終節の卓組は順位別で決定する。別卓の結果次第で、対戦相手はまだわからない。
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翌日行われた別卓を含めた結果がこちら。
自分よりも下だった茨城選手の大勝ちにより、最終節の卓組が、目下残留争い1番手の田内選手に決定する。
直接対決と別卓勝負の逆転条件
追う側は直接対決のほうが有利
追われる側としては別卓勝負のほうが有利
できれば直接対決は避けたかったな・・・
これはいよいよ、絶対に負けられなくなったか。
「降級する」ということは5年をフイにするということ
B1リーグの昇級確率は例年2割強である。降級したら当然、直ぐに再昇級できるとは限らない。
5年後は57歳だ。
運よくA2に復帰できたとしても、A1に昇級するまで、どれほどの時間を要するだろうか?
競技麻雀打ちの引退時期
40代の頃は全く意識しなかったが
50を超えてからは現実的に考えるようになった。
趣味で競技麻雀を楽しむ人生も素敵だなとは思う。でも僕は、最後まで麻雀打ちとして戦いの場にいたい。
クソ強い上位リーガー達と、互角に戦える能力を維持することができる時間にはリミットがある。
たぶん、後10年は持たないかもしれない。だからこそだ。なおさらここで降級するわけにはいかない。
そんなことを考えていたら気が滅入ってきた。
最終節、行きたくねぇな・・・
10月19日から11月3日を
迎えるまで、本当に憂鬱な気分だったのだ。
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東1局は先制の両面リーチ。フラットな状況では、第1節も最終節も判断は変わらない。
だけど、この日だけはどうしても
結果だけが欲しい。ちなみにこれは流局した。
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続く東2局、ドラも役も無いリャンシャンテン。
微妙な巡目だけど6pアンカンを選択する。
こんな切羽詰まった状況下でも、この選択をできるのが自分の良いところなのかもしれない。
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遅い巡目だがリーチを打つ。これも流局した。
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続く東3局の親番は
単騎待ちのリーチをツモられ親被り。
両面リーチを2回空振りの後、単騎待ちのリーチをツモられ、自分が出したリーチ棒2本を回収される。
なんだか明らかにムードが悪い。
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続く東4局は2巡目にして
ドラトイツ含みの超絶大チャンス手が入る。
そう、麻雀にムードなんてないのだ!
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いやある。というかあった。
結局10巡連続ツモ切りした上で放銃だった。
そう、ムードといえばこの最終節
この卓が放送対局に決まったのは直前だった。
今期リーグ戦の放送対局は3回、12半荘打ってラス率.333、逆連対率.667の▲145と炎上している。
つまり、ここまでの経過と同じく
大体ムードが悪く、良い思い出が全く無かったのだ。
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それでも続く南1局、ドラも役も無いリャンシャンテンで、またしてもアンカンを選択する。
カンは明確な打点アップ。
って、じゃっちゃんは言ってたから。
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この半荘3度目の先制両面リーチ。
「嫌な予感は、ただのハンデです」
今度出す書籍に、そういう項がある。そのことを今回のリーチで証明してみせる!
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親の江崎選手に追っかけリーチが入る。
やっぱり証明できないかも・・・
嫌だ、降級したくない。
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キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
みなさんも「嫌な予感」が当たった時ではなく「嫌な予感」が外れた時も覚えておいてほしい。
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この日は配牌に恵まれ、ツモも利いた。
視聴者には楽勝だったように見えたかもしれない。
結果は楽勝に見えても
打っている本人は気が気ではない
これも覚えておいて欲しい。
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親番で高めをツモ、裏ドラを1枚乗せる。
今まで何千回とやってきたアガリだったけれども
この日、この時のアガリは、過去1番と言っても過言ではないほど、本当に、本当に嬉しかったんだ。
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結果、無事残留することが出来ました。
雀王決定戦や最高位決定戦。
これからも面白い放送対局があると思います。
負けられない理由、勝ちたい気持ち。
みな、それぞれの思いを込めて麻雀を打ってます。
みなさんにも是非、対局者の気持ちに
共感しながら放送対局をご覧になってみて下さい。
きっと今までとは違った風にみえるはずです。今回は自分の気持ちを正直に紹介しました。
来期は良いところで、ハラハラドキドキしてもらえるような対局を、是非お見せしたいと思います。
応援して下さった皆様、ありがとうございました!
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現役麻雀プロがガチで天鳳位を目指すブログマガジン note版
日本プロ麻雀協会所属の木原浩一です。 麻雀の戦略的思考、読みのアプローチ、未来予想図を描く構想力、条件戦に強くなる判断基準、マガジン読者…
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