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経営者を孤独から救うことができる人

プレイヤーからマネージャや経営者になるケースでは、精神的に孤独に陥ってしまうことがよくある。

上手くいっていない状況で特に陥りがちで、周りが全て敵に見えてしまうことが理由だという。

これは、本来ならば自分のやり方で上手く行くはずであるのに、それが間違っていることを指摘されることが怖い、情けない、不甲斐ないなどの感情を抱いてしまうことが理由だ。

「自分のやり方でうまく行くはず」というはただの傲りであり、初めて経営を経験しているのならば尚更そのやり方が唯一の成功であるはずがない。そこに気づかず盲信してしまっていることが最たる理由だ。

周囲には優秀な役員や社員がいるにも関わらず、彼らに助けを求めてしまったら、自分が間違っていたことを認めてしまうことになる。結果、下に見られてしまうのではないか、威厳がなくなるのではないか、といった恐怖が起因して、周囲すべてを敵に見てしまう。

さらに、その誤魔化しをしなければならないという強迫観念に駆られ、社長業・マネジメント業を放棄し、プレイヤーとして仕事をしてしまう。自分が最も実力を発揮できていた、過去のやり方で仕事量をこなそうとする。

これは「忙しいから仕方ない」というただの演出である。仕事量を増やし、その仕事量を言い訳として利用している。

忙しいから、あれができないのは仕方ない、
忙しいから、根本的な対策が検討できないのは仕方ない、
忙しいから、周りとうまく行っていないは仕方ない、
忙しいから、マネジメントに専念できないのは仕方ない。

と周囲に思われること。そして、自分に対しても言い訳すること。これが裏の目的だ。

さらに、「こっちは忙しいのになぜ部下はこの状況で上手く動いてくれないのか」、「なぜ部下は成果を出してくれないのか」、と言うように人のせいにする思考に変化する。

そして、「自分はこんなに頑張っているのに、部下は本気で頑張ってくれていない」、つまり、部下は自分の思いに賛同してくれていない。ヤツらは自分のことを、快く思っていないに違いない、と勘違いを初めてしまう。

経営や組織がうまく行っていない

なんとかしたい

自分はプレイヤー業まで頑張っているから悪くない

成果が出ないのは部下のせい

部下も自分に不満があるに違いない

自分と部下は敵対している

という、認知の歪みが発生する。敵意帰属バイアスの一種である。相手に敵意があるはずだと思い込んでしまう、認知の歪みが発生してしまう。

この歪みを矯正するには、その当事者を暇にすることである。経営者に、言い訳作りとしてのプレイヤー業をさせてはならない。

それには圧倒的に成果を出すことである。多少の取り組みでは圧倒的な成果は出ない。不満を言うことは誰にでも出来る。その不満を堪え、成果を出す方向に意識を集中する。

経営者にはその認識を持って欲しいし、部下を信じなければならない。頼らなければならない。

部下は、成果を出さなければならない。上司を楽にすることが、認知の歪みを解く唯一の方法であるからだ。

腹を割って話しても、今は無駄なのかもしれない。目の前のことを、徹底的に考え、徹底的に成果に繋げる。会社を勝たせるには、経営者を孤独から救うことだ。



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Kanazawa Kimihiko
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