【おすすめ本】自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 | 島村 華子 (著)
育児本みたいなものを読むことをあまりしてこなかったので、Kindle Unlimitedで一番上にあるものをふと読んでみたところ、大変面白くてあっという間に読み終えた。
子供に対する接し方を大きく変えたのは、以前子供当人に大人としての行動の矛盾を指摘されたからだ。
泣きながら息子に、言ってることが違うしおかしい、と言われ、それを機に「子供と思って接するのは違うんだ」と気付かされた。
それ以来、一人の大人として接することを心がけてきた。もちろん年相応の感情表現はあるものの、年齢に合わせた対応をとりつつ、対等な人であるという意識を常に持つよう努力してきた。
本書では、基本的な考え方はあっていたものの、さらに深く体系的に育児を理解するのに重要な情報が含まれている。
特に序盤で解説されるのは、以下2通りの接し方があるのだということ。
1. 条件付きの接し方(条件付き子育て)
2. 無条件の接し方(無条件子育て)
条件付き子育てとは、子供の行動に対して、褒美や罰を与えるような子育ての方法。もう一方の無条件子育てとは、その逆で、どんな行動にも愛情を持って接するという方法。
本書では後者の子育てこそ適切であるとされる。
例えば、「宿題をやったらご褒美をあげる」とか、「言うことを聞かなければ、絵本を読んであげない」といった条件付きの子育ては、デメリットが多い。親子関係が欲求を満たし、満たされる関係として構築されるからだ。
一方の無条件の子育てとは、子供のいかなる行動にも愛情を持って接し、受容する姿勢をとる方法だ。
例えば、癇癪を起こして着替えをしない子供に対して、親の都合に合わせてくれないことで憎しみを抱くことすらあろうと思うが、だからと言って何か交換条件を出すことしないということだ。
愛情は、条件付きでしかもらえないものではなく、親子の間では無条件に抱くものである。
着替えをせず喚いたり、ご飯を残したり、学校に遅れたりすることと、親が絵本を読んであげるか否かは全くの因果関係にない。
そのままの自分を愛してくれる親なのだ、ということを認識することで、心理的に安全な関係であると認知する。結果、自己肯定感が高まり、主体的に自信を持って行動する子供に育つようになるという。
具体的な会話の用例を多数用いて解説されており、親子のコミュニケーションに悩まれている方にぜひお勧めしたい一冊だ。
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